2010年のデビューから12年以上を経て、ついに夢のイベントが実現した――。ClariSがファン待望のリリースイベントを初めて開催。しかも、観覧フリーのミニライブ、クララとカレンがお見送りをしてくれる特典会が実施されるという、ファンにとっては貴重な機会となった。この超レアなイベントのために、各会場には大勢のファンが詰めかけ、初めてのClariSとの交流を楽しんだ。
このイベントは、コンセプトEP「淋しい熱帯魚」の発売を記念したもの。6月24日(土)に大阪・あべのキューズモール3F スカイコート、25日(日)に愛知・アスナル金山 明日なる!広場、そして7月1日(土)に東京・ダイバーシティ東京 プラザ 2Fフェスティバル広場にて、それぞれ2部開催された。本記事では東京でのイベントの第1部の模様をお届けする。
TEXT BY 金子光晴
PHOTOGRAPHY BY 平野タカシ
ClariSといえば、長らく素顔を公開せず、ライブ出演を行うようになってからも仮面をつけていたので、「素顔を見せない神秘的なアーティスト」というイメージを持っている方も多いだろう。現在では素顔でライブやメディア出演を行っており、“リスアニ!LIVE”などの大型イベントへも出演しており、ファンの前に姿を見せる機会は増えてきている。ただ、クララもカレンも北海道在住ということもあって、今まではリリースイベントが開催されることはなかった。クララとカレンがファン1人1人と対面する機会は初。ファンにとって、どれだけ待ち焦がれた夢のイベントだったかは想像に難くない。
そんなわけで、イベント当日は雨にもかかわらず、約1000人のファンが会場の野外ステージに足を運んでいた。朝には激しい雨が降っていて中止の恐れもあったが、イベント開始時刻になると奇跡的に雨は止んでいた。ステージに「淋しい熱帯魚」の衣装を着たクララとカレンが登場すると、ファンから大きな歓声と拍手が巻き起こり、お台場の広場を一瞬にしてライブ会場へと変えた。
最初の曲はWinkの名曲をカバーした「淋しい熱帯魚」。往年のベストテン番組をオマージュしたMVは、130万再生以上という大きな注目を集めている。ClariSの結成当初のコンセプトが“21世紀のWink”だったこともあり、2人の持ち味を存分に発揮したカバー曲と言えるだろう。お台場に来ていた観光客にとってもなじみ深い楽曲で、今回はフリーイベントということもあり、お台場を訪れていたClariSファンではないお客さんも足を止めて2人の歌に聴き入っていた。
2曲目はカップリング曲の「はいからさんが通る」で、こちらは南野陽子の1987年のヒット曲のカバー。会場のファンのクラップも揃っていて、大阪、名古屋でのイベントでライブの完成度が高めてきたことを感じさせた。
南野陽子のソロ曲を2人で歌うにあたって、原曲をリスペクトしつつClariS独自の振付も付け加えられている。特に手の動きが特徴的でかわいらしく、クララとカレンも「ぜひ覚えて一緒に踊ってほしい」とファンにアピールしていた。おそらくClariSのことを知らないであろう、通りすがりの外国人観光客のカップルが2人の振りを真似して楽しんでいる姿が印象的だった。
SHARE