――今回の1st EPには、そのほかにもこれまでYouTubeなどを通じて発表してきた5曲のオリジナル曲が収録されています。先ほど第1弾楽曲「≒」のお話は聞いたので、残りの楽曲についてもお伺いさせてください。第2弾楽曲「神様へ」はボカロPのbuzzGさんが提供しています。
haju:union 「≒」は、本当に良い楽曲に仕上げていただきました。2曲目としては、別のテイスト、例えばライブでも楽しんでいただけるようなhaju:harmonicsとしてのロックを作りたいという話になりまして、buzzGさんにご相談したところ、快く引き受けてくださって制作した楽曲になります。ポエトリーリーディングのパートも挿し込んでくださったので、様々な表現をレコーディングで試すことができて楽しい収録でした。
――第3弾楽曲「ビスポーク」は、「≒」と同じくシンガーソングライター活動も行っている澤田空海理が書き下ろした、3拍子の優雅かつ繊細なミディアムナンバー。
haju:union これは「神様へ」とほぼ並行で制作していたのですが、「≒」で名刺代わりの楽曲ができて、「神様へ」でライブ向けのロック曲を作っていたので、今度は澤田さんに少し変奏的な楽曲をご相談したところ、ワルツ調の楽曲をご提案いただいたんです。なおかつ「命」に触れるような過剰摂取をテーマに、強さと醜さを上手く表現することを目指して作ってくださったのが「ビスポーク」になります。
――砂守岳央さんと松岡美弥子さんが楽曲提供した第4弾楽曲「つみのうぶごえ」は、それまでの楽曲とは趣きを変えた幻想的なナンバーです。
haju:union スタッフに未来古代楽団(※砂原と松岡による音楽ユニット)の「忘れじの言の葉」が好きな人間がいまして…せっかくだからカバーするのではなく、お二人に「hajuのための『忘れじの言の葉」を作ってもらおう」ということでお願いしました。お二人らしさが全開の曲調になりましたし、“命の二面性”というテーマにもど真ん中の歌詞を書いてくださいました。
――そして第5弾楽曲「月蝕」は、劇伴作家としても幅広く活躍されている出羽良彰さんが作編曲、ヒットメイカーの岡嶋かな多さんが作詞を担当されています。
haju:union 出羽さんの楽曲が先に出来上がっていたので、岡嶋さんには曲先で詞を書いていただいた曲です。メロディとオーケストラを聴いた時点で、これは名刺代わりの1曲になると感じたので、歌詞はhaju:harmonicsを象徴するような内容にしていただきたくて、天体をテーマにしていただくようお願いしたんです。
――なぜ天体系だったんですか?
haju:union 「haju」という名前は“蝕ゆ”や、フィンランド語で“匂い”や“きっかけ”といったニュアンスを持つ言葉を語源にしていて、元々“月蝕”を意識していました。ご相談の結果、岡嶋さんがずばり「月蝕」という言葉を使ってくださいましたね。王道をゆくそのクリエイティブには、スタッフの方が少し浮き足立ちました(笑)。
――なるほど。様々なクリエイターの方たちがそれぞれの解釈とテーマでhaju:harmonicsを表現されていて、1つ1つの楽曲はそれ単体で完結していますが、EPで全曲通して聴くことによって、haju:harmonicsの全体像が浮かび上がってくるような内容になっていますね。
haju:union そう思っていただけると嬉しいです。
――ちなみに「月蝕」や「Ember」のMVでは3Dモデルのhajuが登場していますが、3Dモデルを活用した展開や、音楽や歌以外の活動なども考えているのでしょうか。
haju:union なるべくメディアを跨いだ展開にしたいと考えています。「VRChat」内に「haju:prologue」という公式VRワールドがすでにあったりするのですが、今はバーチャルライブ系のイベントにも出演させていただきつつ、アニメ化企画やボードゲーム的な展開、いわゆるTRPGだったりも作りたいねとスタッフの間では話しています。先ほども少しお話した通り、hajuにはストーリーが存在しているのですが、今の時代、それをただテキストで発表してもなかなか興味を持ってもらえないと思ってまして、TRPGのような形であれば、皆さんも楽しみながらストーリーに触れてもらえるかもと考えています。
――その意味では、バーチャルシンガーやアーティストといった括りに捉われない展開を考えてらっしゃるんですね。今後もhaju:harmonicsを軸にして様々な新しいクリエイティブが生まれそうな予感がします。
haju:union 新しい楽しみを提供できればと、常に考えています。先日も、AI生成技術を用いたVRライブシステム「LAIV(ライヴ)」の試験運用第1弾として、hajuを提供させていただきました。AIによって自動生成されたりユーザーの二次創作で作られた「hajuっぽい何か」に囲まれるなかで行われるライブを見て、「みんなの中に偏在しているhaju」の表現として面白いなと刺激をもらいました。もちろんスタッフとして「hajuとはこういうもの」という意識のもと運営しているのですが、それをどう解釈してクリエイティブしていただくかは自由であってほしいと思います。そういう双方向性のあるキャラクターとして、広がっていけばいいなと思っています。
●リリース情報
haju:harmonics Debut EP
『Ember』
2023年6月14日(水)
■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら
【期間生産限定盤(CD+DVD)】

価格:¥2,480(税込)
品番:VVCL-2251-2252
※TVアニメ「ヴィンランド・サガ」描き下ろしLPサイズ大型ジャケット仕様
【通常盤(CD)】

価格:¥1,540(税込)
品番:VVCL-2250
<CD>
01. Ember
02. 神様へ
03. ビスポーク
04. つみのうぶごえ
05. 月蝕
06. ≒
<DVD>
・「Ember」Music Video
・TVアニメ「ヴィンランド・サガ」SEASON 2 第2クール エンディングノンクレジット映像
<haju:harmonicsプロフィール>
2022年8月、「≒(ニアリーイコール)」を初公開。
以降、立て続けに楽曲を公開し実力派Vシンガーとして話題に。
高い歌唱力であらゆる楽曲を歌いこなすが、一貫して「命の美しさと醜さ」を歌い続けている。
作詞家、作曲家、イラストレーターなど気鋭クリエイターが多数参戦して作り上げる圧巻の世界観も話題となっている。
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ SEASON 2 製作委員会
haju:harmonics 公式サイト
https://www.sonymusic.co.jp/artist/hajuharmonics/
haju:harmonics公式Twitter
https://twitter.com/haju_harmonics
haju:harmonics 公式YouTube
https://www.youtube.com/c/hajuharmonics
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