INTERVIEW
2023.06.15
今まさにアイドルとしての第一歩に立ったばかりの“Under149cm”の小さな女の子たちの物語を描く、「アイドルマスター シンデレラガールズ」シリーズ発となるTVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」(以下、「U149」)。今回は、第10話「重ねれば重ねるほど大きくなる色って、なに?」で第3芸能課のライブを実現するために奔走した、第3芸能課のプロデューサーを演じる声優・米内佑希へのインタビューを敢行。コミックス付属のドラマCDの時代からプロデューサー役を担当する彼ならではの作品・キャラクターへの想いや、アフレコで取り組んだことなどの裏話まで、たっぷり語ってもらった。
【特集】TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」が彩る夢のステージを紐解く!
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まずは、アニメ放送が始まってから今までの反響についてお聞かせいただけますでしょうか。
米内佑希 やはり「アイドルマスター」シリーズの作品ということで、最初から注目度は高かったみたいで。ただ、そのなかでも「U149」は子供たちが主軸になるうえにかなり限られたメンバーしか登場しないであろう作品なので、それがどう刺さるのかについては、始まる前は不安や心配もありました。ただ、いざ始まってみると、中身はちゃんとキラキラしたアイドルモノなんだということが皆さんに伝わったようで。そこは率直に、すごく良かったなと思っています。
――米内さんはコミックス版「U149」付属のドラマCDからプロデューサー役を続投されていますが、アニメ化となると反響の度合いも違いますか?
米内 違いましたね。やはりアニメ化にあたって初めて「U149」を知ってくださる方がたくさんいらっしゃったのも感じましたし、そのなかで「新しいPは、米内なんだな」という声に触れることも多かったです。ただ、そういうふうに認識していただけること自体もありがたいですし、逆にドラマCDの頃から応援してくださっている方が「いやいや、何を言う! 『U149』のPはね、米内なんですよ!」と言ってくれることが、また嬉しくもあって。どちらのプロデューサーの気持ちも、とてもありがたく受け取らせていただきました。
――ドラマCDの頃から知っている方が、誇ってくれているような声にも触れたと。
米内 はい。それが本当にありがたかったですね。それに、そもそも僕自身このプロデューサーの役柄を見た瞬間に「このキャラクターは、絶対取りたいな」と思った役だったんですけど、皆さんからの反響を受けたときにプロデューサー役に決まったときの喜びが蘇ってきたような感じもしました。
――そのドラマCDのときとアニメ作品としての「U149」とでは、演じるなかでの違いみたいなものは感じられましたか?
米内 アニメとなると時間の面をはじめ色々な制約もありますし、ドラマCDと表現の仕方が全然違うところもたくさんあるんです。なので「“コミックス=今回のアニメ”ではない」というバージョンのものをいかに皆さんの心にスーッと浸透させられるように届けるか、僕を含めみんなも最後の最後までずっと悩んでいたんじゃないかなと思います。ただ、そのなかで僕はプロデューサー役として毎回お当番回の子と一緒に収録してこられたので、アイドルごとの輝き方の違いを感じられたことがすごく嬉しかったですし、それが彼女たちをより応援したくなるモチベーションにも繋がったといいますか……プロデューサーとして1人1人に向き合えるというのは、ふわっと全体と向き合うのとは違う感覚がありました。
――そのなかで、演じられるうえで心がけられたことも多かったのではないでしょうか。
米内 そうですね……僕の中では「主役はアイドル」というところを、裏テーマのように終始心に留めていました。もちろん物語としてはプロデューサーも一緒に成長していくように作られているので、どうしてもプロデューサーが主軸に映りがちな部分もあるんですよ。ただ、アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」としてお届けするにあたっては……原案コミックスへのリスペクトを持ちながら、「アイドルたちが、いかに輝けるか?」という場を提供する側の人間として、収録に取り組んでいきました。
――なるほど。立場上出番は多いけれども、あくまでも主役はアイドルである、という。
米内 はい。例えば各アイドルごとにお当番回があるじゃないですか?そこでプロデューサーの存在が毎回色濃く出てしまうと、観る側としてはどこを観たらいいのかわからなくなっちゃうだろう……という考えが僕の中にあったので、上手いことコントラストをちょっと浅めに、薄い色にして(笑)。アイドルたちがちゃんとパン!と光輝けるようにという気持ちでやっていました。あと、アフレコ全体を通して台本の中にすごく多かった「……」の息だけのお芝居も、かなり気をつけましたね。多分100個以上はそういう部分があったと思うので、全話放送が終わったら改めて観て、その息を聴いてみてほしいです(笑)。
――非常に細かい部分にも気を払われたんですね。
米内 はい。僕、専門学校時代に先生から言われたことの中で、「声優というのは声を当てる仕事じゃなくて、息を当てる仕事なんだ」という言葉がずっと脳裏にありまして。だから今回の「……」は、まさに声優としての頑張りどころだぞ、と思ったんです。さり気なく入っているものではありますけど、リアルな表現には絶対必要なはずなので……ぜひ全部、受け止めていただけたら嬉しいです。
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