Spotifyにて隔週火曜日より配信中のアニソン情報トーク番組「リスアニ!RADIO」。ここでは音楽プロデューサー/音楽評論家の冨田明宏、ラジオパーソナリティ・MCの青木佑磨、リスアニ!編集長の馬嶋 亮の3人が旬のアニソン情報を発信している。
6月13日配信分の最新エピソード(#33)でお送りしている「リスアニ!最強プレイリストを作ろう!」コーナーは、“今の時代の「アニソンらしいアニソン」ってどんな曲?”という一大テーマについて3人が議論を交わす注目回。
この話の前提となる「アニソンらしさ」の始まりについては、まだクリエイターとシンガーが少なかった1980年代以前のアニソンシーンを冨田が解説。渡辺岳夫、渡辺宙明、菊池俊輔らが作曲し、「アニソン四天王」と呼ばれたシンガー(ささきいさお、水木一郎、堀江美都子、大杉久美子)たちが歌うもの=「アニソンらしい楽曲」という図式が自然と定着していった経緯を紹介している。
また、作品のOPテーマ、EDテーマ、挿入歌など「使用目的がしっかりしている音楽だから、聴き逃せない」「意味のある構成、歌詞、メロディなどによって生まれる“味の濃さ”」(冨田)、「意味をいっぱい込めることによる“けれん味”」(馬嶋)なども、「アニソンらしさ」に感じられる共通項として挙げられた。
本題は、現代における「アニソンらしい楽曲」とはどんなもので、それが形成されたのはいつ頃のことだったのかについての分析。番組リスナーからは「オーケストラの入った疾走感のある曲」というキーワードとともに、栗林みな実「STRAIGHT JET」(2011年)や、ChouCho「starlog」(2013年)などを例に挙げたメールが寄せられた。
リスアニ!RADIOではアニメタイアップのない楽曲も広義のアニソンとして紹介しており、「アニソンとは“シーン”であって“ジャンル”ではない」「ノンジャンル=なんでもありだから多様化した」(馬嶋)といった意見も加わることから議論は難航。しかしその上で、現代の「アニソンらしさ」を確立したアーティストや楽曲については、以下の形で1つの解答としている。
冨田 「オーケストラの入った疾走感のある曲」っていうのは多分、2000年代の中期ぐらいにElements Gardenがやり始めたことですよ。
青木 アニソンっぽさ……最近の疾走感+ストリングスに特徴がある曲でいうと多分、始祖がいくつかあって。1つはまぁ「ETERNAL BLAZE」(水樹奈々/2005年)でしょう!
冨田 「エタブレ」とか、「翼はPleasure Line」(栗林みな実/2004年)とかね。(※いずれも作・編曲はElements Gardenの上松範康によるもの)
青木 そのあたりが、アイリッシュメタルの文脈でストリングスを使う楽曲。で、北川勝利さん作曲の、坂本真綾さん「Get No Satisfaction!」(2009年のアルバム『かぜよみ』に収録)あたりが、早いロックにストリングスを合わせる始祖に近くて。
馬嶋 うん、うん。
青木 それが起こしたショックがあまりにもデカすぎて、みんなが早い曲+ストリングスっていうのをやり始めて。メタル的な部分と、「Get No Satisfaction!」でいうフィリ―ソウル的な文脈。その2つが合流して、「早くてストリングス」が当たり前の世の中になっていく。
冨田 そうそう。だから、そこが「アニソンっぽい」っていうのはわかる。まさにJ-POPであまり聴かない手法だよね。
こちらの内容を含む「リスアニ!RADIO #33」は、Spotifyにて無料配信中。6月27日配信予定の次回「リスアニ!RADIO #34」もお楽しみに!
リスアニ!RADIO
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