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2023.06.07

「バンドリ!」発の謎多き新バンド・Ave Mujicaが繰り広げる深淵の世界――0th LIVE「Primo die in scaena」ライブレポート

「バンドリ!」発の謎多き新バンド・Ave Mujicaが繰り広げる深淵の世界――0th LIVE「Primo die in scaena」ライブレポート

賽は投げられた――かりそめの命が紡ぐ狂乱のマスカレード

「莉伽」と「瑠奈」の映像を挿み、今度は神秘的なコーラスとニューメタル的なグルーヴが融合したオリジナル曲「Choir ‘S’ Choir」でシアトリカルなステージを繰り広げると、そこから間髪入れず、なんとCreepy Nuts「堕天」のカバーをパフォーマンス。原曲のジャジーなコード感を踏襲しつつ、ヘビーで分厚いギターサウンドやスカコアっぽい前のめりなリズムを取り入れて、ライブを熱く盛り上げるファストチューンにアレンジしていた。

激情感と哀愁が滲むミディアムナンバー「神さま、バカ」ではボーカルがギターソロも披露。そして再びRoseliaのレパートリーより「PASSIONATE ANTHEM」をカバーし、会場から熱狂的な歓声とコールを引き出す。2番では原曲と同様にボーカル以外のメンバーも歌唱して、先輩バンドへの敬意を示すと同時にAve Mujicaのメンバーの絆と結束も表現。ここでもまたボーカルの歌唱力の高さが発揮され、特に終盤での突き抜けるようなハイトーンボイスが鮮烈極まりなかった。

そしてストーリームービーの5作目「カクセイヘノウタ -招待-」の音声に続き、Ave Mujicaのライブ開催時点での最新のオリジナル楽曲「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」へ。冒頭の歌始まりの部分で、白いバックライトに照らされながら歌唱するボーカルの姿は神々しさを感じさせるほど。だが、そこからヘビーかつメタリックなサウンドに急転し、間奏ではボーカル、ギター、ベースの4人がフロントに出てきてヘドバンしながら演奏。ヘビーメタルを基調としたダークな世界観、それこそがAve Mujicaの音楽性の核となるものなのだろう。

「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」の演奏後、何も言わずにステージから去るメンバーたち。そしてスクリーンには、オープニングと同じ「リング」の“呪いのビデオ”をオマージュしたかのような映像と共に「莉伽」と「瑠奈」のモノローグが流される。「仮面の奥に眠るのは、虚構か現実か。」「終わらないマスカレードの先に何を見るのか。」――そんなセリフたちが、今この場でAve Mujicaという現象に直面している我々の気持ちと重なっていく。そして映像が終わり、ステージが照明に照らされると、そこには黒装束を脱ぎ去ったAve Mujicaのメンバーたちの姿が。黒をベースに赤をあしらったゴシック風の衣装に身を包んだ彼女たち。だが、5人ともマスクを付けているため、顔ははっきりとはわからない。

ここで歌唱やコーラス以外ではこの日初めて、彼女たちが言葉を発する。「ようこそ、ロフトムーンへ。この月の光で、わたくしたちは仮初めの命を宿しているのですわ」(キーボード)といった言葉が何を意味するのかは定かではないが、この日のライブ、「Masquerade(マスカレード)」には大きな意味があることが感じられる。そしてキーボードが「さあ、マスカレードの前に仮初めの名を与えましょう」と告げ、メンバーそれぞれに名前を与えていく。ドロリス(Gt .& Vo.)、モーティス(Gt.)、ティモリス(Ba.)、アモーリス(Dr.)、オブリビオニス(Key.)。それがこのライブで初めて明かされた、彼女たちの名前だ。

その後、バンド名と同じ名前の新曲「Ave Mujica」を初披露。禍々しい雰囲気のイントロから、ドロリスの「…ようこそ、Ave Mujicaの世界へ」というセリフを合図に、アップテンポなプログレッシブメタルの世界に突入。Bメロでオルガン主体の幻想的なブロックを挿みつつ、サビでアッパーに展開する曲構成は、ミステリアスなAve Mujicaの世界観を体現するものと言えるだろう。間奏のオルガン~キーボードソロをはじめ、バンドの演奏からは優美さと同時に破滅的な激情が感じられ、終盤にはモーティスがギターを振り回す場面も。最後はギターのフィードバックノイズが鳴り響くなか、メンバーはオブリビオニスを残して何も言わず足早に退場。そしてオブリビオニスがステージ中央に歩み出て、優雅にお辞儀してマスカレードは締め括られた。

全11曲、時間にして1時間半ほどのステージだったが、これまで謎のベールに包まれていたAve Mujicaというバンドの実力と魅力を知るには十分すぎるほど充実したライブだった。だが、今回の公演は“0th LIVE”と銘打たれていた通り、彼女たちの物語は胎動し始めただけに過ぎないのだろう。終演後、彼女たちの初フィジカル作品となるミニアルバム『Alea jacta est』が9月13日にリリースされること、そして2度目の単独公演となる“1st LIVE”が、2024年1月27日に神奈川・横須賀芸術劇場で開催されることが発表されたが、この日まさに「賽は投げられた(=Alea jacta est)」のだ。いよいよ扉を開いたAve Mujicaの世界の行く末にはどんな運命が待ち受けているのか。引き続き注目していきたい。

<SETLIST>
M01. 黒のバースデイ
M02. KINGS
M03. ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
M04. 暗黒天国
M05. Determination Symphony
M06. Choir ‘S’ Choir
M07. 堕天
M08. 神さま、バカ
M09. PASSIONATE ANTHEM
M10. Mas?uerade Rhapsody Re?uest
M11. Ave Mujica


●リリース情報
Ave Mujica
ミニアルバム『Alea jacta est』
9月13日(水)発売

【Blu-ray付生産限定盤】
品番:BRMM-10671
価格:¥9,900(税込)

【通常盤】
品番:BRMM-10672
価格:¥2,970(税込)

<収録内容>
[CD]
1.黒のバースデイ
2.ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
3.Choir ‘S’ Choir
4.神さま、バカ
5.Mas?uerade Rhapsody Re?uest
6.Ave Mujica

[Blu-ray] ※Blu-ray付生産限定盤のみ
・Ave Mujica 0th LIVE「Primo die in scaena」
・ミュージックビデオ
1.黒のバースデイ
2.ふたつの月 ~Deep Into The Forest~
3.Choir ‘S’ Choir
4.神さま、バカ
5.Mas?uerade Rhapsody Re?uest

・ストーリームービー
1.ホントウノワタシ -再生-
2.マヨイコンダモリ -探索-
3.コタエヲサガシテ -摩擦-
4.キオクトゲンソウ -過去-
5.カクセイヘノウタ -招待-

[特製ブックレット] ※Blu-ray付生産限定盤のみ
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<初回生産分限定封入特典>
・2024年1月27日(土)開催 Ave Mujicaライブイベント最速先行抽選申込券

商品詳細:https://bang-dream.com/discographies/3376

(C)BanG Dream! Project

関連リンク

Ave Mujica 公式サイト
https://avemujica.bang-dream.com/

Ave Mujica 公式Twitter
https://twitter.com/BDP_AveMujica

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