INTERVIEW
2023.06.01
現在、『アイドリッシュセブン』初の劇場ライブが開催中。<DAY 1><DAY 2>と2日間のライブが、彼らを応援し続けてきたファンの眼前で繰り広げられる『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』は、IDOLiSH7をはじめ、TRIGGER、Re:vale、ŹOOĻの4グループ合同で開催されるステージだ。年末恒例の音楽番組「BLACK or WHITE MUSIC FANTASIA」が昨年大幅にリニューアルし、「ブラック・オア・ホワイト ライブショーダウン」として1年の終わりに熱いバトルで最高の音楽の時間を届けた彼らによるさらに熱い音楽で彩るこのライブについて、IDOLiSH7・七瀬 陸を演じる小野賢章に聞く。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
――ついに彼らのライブをご自身の目で観ることとなりました。これまでは陸を演じるキャストとしてステージに立たれていましたが、実際にご覧になっての感想をお願いします。
小野賢章 すごく感動しました。こんなにもフルでライブを観られることもなかなかないことだと思いますし、90分たっぷり観ることができるなんて、こんなに幸せなことはないなと感じましたね。彼らが実在することを、より強く実感できるようなライブでした。
――ご自身がライブで見ている景色と違いはありましたか?
小野 ほぼ、あの景色です。それがすごくリアルに描かれていたことにも感動しましたし、“彼らが存在している”と思わせてもらえる要因だな、と。
――ライバルであり、仲間でもあるほかのグループの姿もライブで観られました。紡いできた時間を感じられたのではないでしょうか。
小野 みんなが楽しそうにライブをしていたり、TRIGGERとŹOOĻが一緒に同じステージに立っていたりするのを観ると「時間が経ったんだなぁ」と感じて……。アプリの第6部までが終わったあとのライブなんだなと実感できましたね。
――彼らの成長をご自身でも感じていらっしゃいますか?
小野 そうですね。色んなことが起こりましたし、「本当にアイドル作品なのか⁉」って思ってしまうようなことが多かったですから。そういったものが解決していって良い方向に進んでいることが、本当に良かったなって思います。
――今回のライブは<DAY 1>、<DAY 2>とありますが、どちらのライブも「MONSTER GENERATiON」から始まります。一番長く歌っている1曲ですが、今改めてこの曲に対してどのような想いがありますか?
小野 「MONSTER GENERATiON」を聴くと、最初の頃のことを思い出すんですよね。最近の曲になればなるほど、規模が大きくなってきている。世界観もそうですし、歌っている対象の視野が広がっているように思うんです。世界中の人たちと、言葉はなくとも音楽で繋がれるよね、というメッセージや時代のことなど、壮大なことを歌っている印象があります。「MONSTER GENERATiON」でも“時代を駆けていく”って言っていますけど、今のほうが壮大なものについて歌っている曲が多いような気がしていて。でも、そんななかでも「MONSTER GENERATiON」を最初に持ってきて、今でも大切に歌っていることで、初心をずっと大切にしていると感じますし、「この曲から俺たちは始まったんだ」ということに自信を持っている彼らはすごく素敵だなと思います。今後もこの曲はずっとIDOLiSH7にとって大事な曲であり続けるんだなって思っています。
――最初にこの曲に出会ったのは8年前。その頃のことを振り返ると、どんなことを思い出しますか?
小野 単独ライブのときにも思いましたが、キーが高っ!って(笑)。そこに8年の時間の経過を感じます。久しぶりに歌うと「こんなに高かったんだ!?」って思うんですよね。
――陸は伸びやかで高めな歌声ですよね。
小野 曲自体のキーはどんどん落ち着いてきているので、最近ではトップがすごく高いことはなくなっていますが、セリフの声はどんどん高くなっているんです。不思議ですよね(笑)。
――やはり様々なことが解決してきているから?
小野 そうかもしれないですね。僕自身の中で陸のベースの気持ちとして変わらない部分もあるんですけど、「良いものにしていきたい」という気持ちが一番にあるので、陸の気持ちが晴れやかになっていくのと同時に明るくなっていった結果が今なのではないかなと思っていますし、その変化に対しては良い形で表現できていると思っています。
――そしてライブならではの新曲「NiGHTFALL」がありました。こちらの曲の感想をお願いします。
小野 彼らが安定してきたなぁという印象を受けました。ストーリーの中で歌うので、今のIDOLiSH7がどういう状態か、ということが曲の印象にも繋がってきますが「NiGHTFALL」は第6部まで終わったあとの曲だから、彼らがベストな状態を保っているのかなと。「ブラホワ」でも初優勝したところで、かなりイケイケな状態だと思うんです。その印象を曲から受けましたね。ただ、少し切ない部分もあるから、グループとしての成長や変化や、デビューしたての初々しさや元気いっぱいなところから時間が経って落ち着いてきて、地に足のついている状態での曲だな、と感じました。
――実際にライブで歌っている姿はいかがでしたか?
小野 あの衣装、最高だなって思いました。少しファンタジー寄りな衣装というか、「銀河鉄道の夜」のような雰囲気がありますよね。
――さらにミュージカル「ゼロ」のラストを飾った1曲であり、九条 天とのデュエットソングである「Incomplete Ruler」も陸はライブで歌っています。実際にライブで歌っている姿をご覧になった感想をお聞かせください。
小野 色々ありすぎましたから、よく陸と天はこの曲を泣かずに歌えるよなぁと思いました。さすがプロですよね。IDOLiSH7としてというよりは「七瀬 陸」として物語が1つ完結したなと感じたのが「Incomplete Ruler」だなと思うし、天を追いかけてアイドルになって、ずっと認められたい、助けになりたいと思っていて、ようやく第5部でそれが叶った。もちろん天もずっと認めていたとは思うんですけど、それが言葉になって出てきた。そういう意味も含めて、やはりこの曲は陸にとっても思い出に残る1曲になったんじゃないかなと思います。
――そして「TOMMOROW EViDENCE」は「MONSTER GENERATiON」コンビのkzさん、そして真崎エリカさんが7年の時を越えて手がけた1曲です。「ブラホワ」優勝もありましたが、この曲の印象をお聞かせください。
小野 歌うときには、どういうことがあってこの曲になっているかも、「ブラホワ」で優勝することも知っていたんです。だからこそ、聴いた人に「あー、これは優勝するな」と思ってもらえるように、と意識して歌いました。
――ライブでは「ブラホワ」を共に戦ったメンバーも登場して、共に歌います。その瞬間をご覧になっていかがでしたか?
小野 この展開にはびっくりしましたね……。みんなの中のモヤモヤしたところが第6部までかけて解消してきたからこそだなと思いました。「ブラホワ」で勝ち負けは決まるけれど、4グループがそれぞれにほかのグループにはない魅力があるので、「このグループよりこっちのグループ」みたいなものはほぼないんじゃないかなって思うんですよ。優劣はつけられない。だからこそこのライブを観て、すべてのグループを好きになってくれたら嬉しいです。
――「Pieces of The World」での、16人での歌唱についてはどのような想いがありますか?
小野 もう、目が足りないですよね。これはそれぞれのライブを16回、<DAY 1><DAY 2>で合計32回は観なきゃだめですよ(笑)。キャストの皆さんとしゃべっているときにもよく今回のライブの話題になるんですが、「この曲、マジで良いよね」と皆さんおっしゃるんです。多分みんな、次のライブの機会には歌いたいと思っているはず。ただ、この人数でフォーメーション変えて歌うのって大変ですよねぇ。年末恒例の、あのカウントダウンライブを見るようです。まさに言葉を失う瞬間、それくらい圧巻でした。
――カメラの抜き方もまた良いですよね。
小野 そうなんです!みんな重要人物なのに、みんなところどころ見切れているんですよ(笑)。全員主役なのに、端っこで踊っていたり、後ろの見えづらいところで歌っていたりする、すごい状況ですよね。
――キャストの皆さんでのライブを想像してしまう1曲ですね。
小野 彼らほど踊れはしないでしょうけど、歌う機会があるのならすごく楽しみですね。
――アンコールの「Welcome, Future World!!!」もŹOOĻを含めた全員で歌っていますが、非常に素敵な瞬間でした。
小野 これまでの軌跡を感じますよね。それにTシャツ姿もライブの最後を思わせる。僕らがやったライブでも、アンコールではTシャツとそれぞれのグループのリストバンドをつけてやっていたので、そういうところがリンクしているのは、ずっと応援してくださっている皆さんが見たらきっととても嬉しいものですよね。
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