――では続いて、OPテーマ「Shine In The Sky☆」についてお聞きしていきます。まず楽曲を聴いたとき、物語やアイドルたちとどのように結びついているように感じられましたか?
今井 「明るくて楽しくて元気!」という、わくわくと希望と明日への楽しみが詰め込まれた曲で、子供たちに歌ってほしいと大人の私たちも思うような曲ですよね。世の中には翳りを生むような曲もありますけど、そういう要素は一切排除して「楽しい!」だけに特化した、OPにすごくぴったりな曲だなと感じています。
――第3芸能課の世界に、一気に連れて行ってくれますよね。
今井 そうですそうです!「U149」のお話って、漫画もアニメも「子供だから、ただ賑やかだったり楽しいわけじゃなくて、子供も色々悩んだり葛藤したりしながら頑張って楽しくやっているんだよ」というものなんですよね。だからOP前のアバンタイトル部分が静かめだったり、疑問を投げかけてから始まるようなお話も多いんです。でもこの曲とOP映像で1回明るくバーン!と弾けさせてくれて、雰囲気をガラッと変えてから改めてCM明けに物語が始まっていって。それから改めてみんなを掘り下げていく……という“単純じゃない展開”なのがいいんですよね。
――そんな「Shine In The Sky☆」、歌う際にはどんなことを大事にされましたか?
今井 私は千枝ちゃんとして歌うときにはいつも「とにかく小さい声で歌うように」とディレクションをいただいているので、毎回毎回試行錯誤しながら声を大きくしないまま元気に明るく楽しく聴こえるよう歌っているんですね。なので今回も、千枝ちゃんらしさを失わないまま、この曲の楽しさをなんとか表現できたらいいなと思って歌いました。
――ということは、この曲を歌っている千枝の姿をイメージしながら歌っていくというか。
今井 そうですね。ただ、千枝ちゃんって普段は喜怒哀楽を我慢して抑えちゃうタイプなので、その姿だとかなり無表情な感じになってしまうと思うんです(笑)。なので、ステージ上でみんなと一緒に踊っている「頑張っている千枝ちゃん」を想像して、「みんなの中に混ざったらどうだろう?」と考えながら歌っていきました。
――ステージに立った千枝が「ここのパートでは、どんな表情をしてるかな?」といったことを思い浮かべながら。
今井 はい。舞台上の、いつもよりもちょっとテンションが上がっちゃった千枝ちゃん……というイメージで、ドキドキやワクワク、「頑張る!」みたいな歌詞の中の色んな気持ちに沿って感情を乗せて歌っていきました。しかも今回は、Aメロ・Bメロを筆頭に今までよりも表情を色濃くつけようということになったので、私は今までの中で一番オーバーに感情を乗せた覚えがあります。
――ソロバージョンでは、そんな千枝の姿をより色濃く想像できますね。
今井 1人1人の歌声が全然違うので、もしかしたらほかの子とは違う曲を歌っているように聴こえるかもしれないですね。だけどみんな合わさると、なぜかすごく一体感が出るんです。それは不思議でもありますし、嬉しいことでもありますね。
――それぞれの魅力が全然違う場所にあるけど、全部合わさると綺麗な円になるような。
今井 そうなんです!いつも「邪魔しちゃうんじゃないか?」みたいに思ったりもするんですけど、そんな心配いらなかったな、って。「子供らしさ」という意味では、やっぱりパッション組がいてくれるありがたさは毎回感じるんですけど(笑)、でもそれ以外……例えば小春ちゃんやありすちゃんのソロの魅力と全員合わさったときの魅力がそれぞれ違うので、すごく聴き応えのあるCDになっているように思います。
――さて、続いては千枝がフィーチャーされた第8話についてお聞きしていきます。このエピソード全体については、どのような印象をお持ちですか?
今井 ほかの回に比べると、すごく落ち着いた雰囲気の回になっているような印象があります。それは、実はこの回に登場するアイドルの人数がすごく少ないからだと思っていまして。第3芸能課からは、千枝ちゃんのほかだと(龍崎)薫ちゃん・(市原)仁奈ちゃん・(赤城)みりあちゃん・(古賀)小春ちゃんしか出てきませんし、しかも一緒に行動するのはみりあちゃんと小春ちゃんだけなんですよ。
――たしかに、よく考えたらこんなに少ない回は初めてですね。
今井 そうなんです。例えば桃華ちゃん回ではメインは桃華ちゃんとありすちゃんだけでしたけど、最初にみんな出てきたりと、意外と毎回みんな何かしら一言は言っていたんですね。でも千枝ちゃん回だけは登場する子がすごく少なかったので、出演のなかったほかのメンバーからは「どんなお話だったの?」ってよく聞かれました(笑)。
――ちなみに、今井さんとして第8話の中で、特に印象に残ったシーンとしてはどういったものがありますか?
今井 私がこのお話の中で好きなシーンって、全部千枝ちゃんとプロデューサーさんとのツーショットのところなんですよ。それはきっと、みんなでワイワイしているなかでふっと静かなシーンがあるから心に残るのかなと思うんですけど……なかでも、プロデューサーさんが「かわいい衣装だな!」と言ってくれたときに「はい。千枝には、もったいないぐらい……」って返すというやり取りが、何回見ても心がキュッ!としてしまって……。そういった千枝ちゃんなりの心のゆらめきや揺らぎが、すごく繊細に描かれて詰め込まれていたのがこの第8話なんですよね。しかも、アニメオリジナルストーリーではあるんですけど、その雰囲気が漫画の千枝ちゃん回のものと結構似ているんです。
SHARE