タイ出身アニソンシンガー・MindaRynの6thシングル「SURVIVE」が5月24日(水)に発売された。表題曲は現在放送中のTVアニメ『彼女が公爵邸に行った理由』のOPテーマとなっており、異世界を舞台とするラブストーリーとしては意外な激しいギターロックだ。同作6話のEDテーマとなった「Fireworks」、ChouChoの「優しさの理由」を大胆にアレンジした「The Reason of Kindness (English Version)」といったカップリング曲も収められた、本シングルに関する話をたっぷりと語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY はるのおと
――シングル表題曲とタイアップしている『彼女が公爵邸に行った理由』の原作マンガを読まれたそうですね。その感想をお聞かせください。
MindaRyn ストーリーが面白く、最初に読んだときは読む手が止まりませんでした!私は強い女性が好きなので、特に主人公のレリアナが素敵だなあって。タイでもすごく人気の作品で、この作品のOPテーマを担当すると発表したときはタイの友人達も喜んでくれました。この曲は私にとって初めての女性向けアニメのタイアップになるので、女性ファンの方にも好きになってもらえたら嬉しいです。
――レリアナのような強い女性に憧れがありますか?
MindaRyn 憧れと、私とは違うなという気持ちが半々ですね。マンガを読んで彼女をすごいと思いましたけど、自分が同じ状況になったら同じように強く生きていけるかどうか……でも、頑張ってああいうふうな女性になりたいですね。
――MindaRynというアーティストのイメージは“強さ”も感じます。
MindaRyn 激しい曲も多いですしね。たしかに現在のMindaRynとしては私の強い面をよく表現していますけど、私自身はそんなに強くないと思うので、自分を奮い立たせて歌ってます。いつか自分の弱い面も表現できるような曲も歌ってみたいです。
――では主題歌のお話を伺います。表題曲「SURVIVE」はかっこいいギターロックですが、曲を最初に受け取った際の印象を教えてください。
MindaRyn 恋愛がメインの作品のオープニングテーマだと聞いていたので、すごくロックな曲でびっくりしました。でもマンガを読んで、「ああ、レリアナの強さを表現している曲なんだ」と納得して。アニメのオープニング映像の最後にレリアナが正面に向けて銃を撃つんですが、こういうシーンを彷彿とさせるかっこいい雰囲気の曲ですよね。
――歌う際にはどんなことをイメージされましたか?
MindaRyn この曲には、周りに味方がいなくても自分を信じて強く生きていくというメッセージがあります。だから歌うときは敵を追い払うことができるように、と強い想いを込めました。特に“Survive my world”というサビの頭は、レリアナの「生きたい」という気持ちを表現しようと思いながらシャウトして。最初は地声と裏声のどちらかで歌うか悩んでいたんですが、ここはエモいパートなのでやはり強さを表現したくて頑張って地声で挑みました。ただ、レリアナの強さを出す一方で、異世界に転生して感じている不安や恐怖も表現したくて、2番のBメロの“「戻れないよ。」”辺りはソフトなニュアンスで歌いました。
――歌詞の印象はいかがですか? MVでもモチーフになっているチェスなど、アニメに即した表現も多いですね。
MindaRyn アニメの世界観とすごくリンクしているし、自分自身とリンクしているパートも多いです。私は日本でアニソンシンガーとして毎日チェスボードの上で戦っている状況なので、「このゲームに勝ちたい」「どんな難しいことがあってもSURVIVEしたい」という気持ちは共感できます。
――ちなみに……今日の服は黒と白の組み合わせですが、これもチェスにかけてですか?
MindaRyn わ、そこまでそんなことまで考えていませんでした(笑)。偶然ですね!今日、この服を着てきて良かったです。
――話を戻して、ここまでに触れたところ以外に「SURVIVE」で好きなフレーズはどこかありますか?
MindaRyn 2番Aメロの“I try so hard I won’t give up And I will live on my own”も自分とリンクしているし、メロディが1番と違っているのも好きです。日本語と英語がクロスするところもMindaRynらしさが出ていて、ノリノリで歌いました。
――今回もMVを作られていますが、注目してほしいポイントはありますか?
MindaRyn 今回のMVのコンセプトは「命のゲーム」です。私が2種類のドレスを着ていて…チェスボードの上で歌ってる赤いドレスのMindaRynは命のゲームの中にいる駒、チェスをプレイしている黒いドレスのMindaRynはその命のゲームのゲームマスターというイメージです。赤いドレスのサイドのMindaRynがゲームの結末に争って、SURVIVEしていくみたいな。「クイーンズ・ギャンビット」というドラマをご存知ですか?
――チェスの天才である少女を描く、Netflixで観ることができるアメリカのドラマですね。
MindaRyn あれをMV撮影の2週間前くらいに観て、チェスプレイヤーの振る舞いを勉強しました。
――なるほど。赤いドレスではギターをガンガン弾いていますが、かっこいいですね。
MindaRyn すごくイメージトレーニングしました!エレキもいいですけど、アコギで弾き語りとかやってみたらまた違った雰囲気になりそうなので色々チャレンジしたい曲です。
――MVでは赤と黒の2種類のドレスを着ていますが、ジャケット写真などはかっこいい系のカジュアルファッションですよね。
MindaRyn ファッション&カルチャーマガジンの「NYLON JAPAN」さんとコラボをして、NYLONチームの皆さんに選んでいただきました。最初に衣装を見たときは「私がNYLONさんの世界に馴染めるかな?」と少し不安もありました。でもレリアナのドレスとは違うけれど、強い女性、強いMindaRynを表現したかったので、今ではこういうユニセックスな感じも世界観に合っていると感じています。今まではリアルクローズな衣装が多かったけど、これからはファッションも色んなものにチャレンジしていきたいです。
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