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INTERVIEW

2023.05.10

鈴木愛奈の歌声は、明るい未来や期待へ向かって青空を突き抜けていく一本の光だ――ニューシングル「Dash and Go!」に込めた彼女の想いに迫る

鈴木愛奈の歌声は、明るい未来や期待へ向かって青空を突き抜けていく一本の光だ――ニューシングル「Dash and Go!」に込めた彼女の想いに迫る

声優アーティスト・鈴木愛奈のニューシングル「Dash and Go!」が、5月10日(水)にリリースされた。2ndアルバム『Belle révolte』以来約1年半ぶりのリリースとなる本作、表題曲はOPテーマに起用されたアニメ『アリス・ギア・アイギスExpansion』ともリンクするような、未来への希望を詰め込んだ疾走感あるロックナンバー。一方でカップリング2曲には今の鈴木の想いを反映しつつ、歌唱面でも新たな挑戦を取り入れた意欲的な作品にも仕上がっている。今回はそのシングルの話題を中心に、久々の声出しライブへ出演しての感慨など、ここ最近のアーティスト活動の振り返りも含めてたっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

ライブ映え必至!な爽快感満載の表題曲から、彼女がイメージした光景とは

――リリースとしては久々ですが、その間2ndライブツアー(“Aina Suzuki 2nd Live Tour Belle révolte -Invitation to Conquest-”)や様々なライブイベントへの出演など活動を重ねられてきました。なのでまずは、この約1年半の音楽活動について振り返っていただけますでしょうか。

鈴木愛奈 デビュー直後にコロナ禍が始まってしまい、2ndライブツアーも含めてまだ声出しのできないなかでも色々なライブイベントにも参加させていただいたりと、歌の活動も結構精力的にできていたんじゃないかなとは感じています。そんななかで、今年2月に出させていただいた“Lantis Girls Fes「TRY→ANGLE」”が、ソロとしては約3年ぶりの声出し解禁ライブになりまして。これまでは持ち歌の中でも、声出しライブで歌えていなかった曲のほうが多かったんですけど、このとき久々に「この曲は、絶対ライブで盛り上がるだろうな!」と思っていた曲も歌えましたし、皆さんがすごく盛り上がってくださっているのを肌で感じられたことが本当に嬉しかったですね。

――そのライブでの観客の反応は、どのように感じられましたか?

鈴木 やっぱり最初のほうは皆さん様子見だったり戸惑ったりした部分もあったように感じたんですけど、1stアルバム『ring A ring』収録の「祭リズム」を歌ったとき、溢れんばかりの皆さんの「ソーランソーラン!」っていう声がすごくて(笑)!元々私自身もライブのMCなどで「いつか声出しできたら絶対楽しいと思うんだぁ!」みたいなことを言っていた曲でしたけど、一気に会場の温度が上がったのを感じましたし、終演後にスタッフさんも「すごく盛り上がってたよ!」と言ってくださったんです。

――肌で盛り上がりを感じたポイントになったわけですね。

鈴木 そうですね。だから「そんなふうになるくらい、楽しんでいただけて良かったぁー!」と嬉しくなりましたし、これからもこれを超える盛り上がりを作っていきたい、というか「作っていかないといけないな」という気持ちにもなりましたね!声が出せないなかでも皆さん熱量高く応援してくださっていたとは思うんですけど、声出しが解禁されたからこその「待ってたよ!」という気持ちが、この曲以外でもめちゃめちゃ届いてきて。これからも声出しでのライブができるのであれば、お待たせしていたぶん少しずつでもお返ししていきたいです。

――今回のシングルがその一歩目となるのかなと思うのですが、表題曲「Dash and Go!」は非常に気持ち良い楽曲になっていますね。

鈴木 そうなんです!すごく元気で疾走感のある、素敵な曲で。それこそ晴天のなか、気持ち良い風が吹いているような感じといいますか。私、最初に曲を聴いたときに、勝手にMVのイメージが浮かんだくらいなんです。学校やビルの屋上みたいなところで、バンドさんと輪になって「いえーい!」みたいな感じで歌う、という(笑)。そういう「青空の下で歌う」みたいなものが、私のレコーディングのときのイメージでもあったので、とにかく清々しく「隔てるものは何もないぜ!」みたいな感じで歌わせていただきました。

――ちなみに、この曲がOPテーマとなっている『アリス・ギア・アイギスExpansion』との結び付きは、どのような部分で感じられましたか?

鈴木 レコーディングの前に、今回のアニメは戦いよりも彼女たちのわいわいとした日常に重きを置くようなアニメになるとお聞きしまして。なのでガッツリとゴリゴリなロックでいくというよりは、普段の彼女たちの、未来への期待感のようなイメージで歌っていったんです。そうしたら、「Dash and Go!」自体にある歌詞も含めた明るく真っ直ぐなイメージが、アニメともすごくリンクしたように感じました。

――そんなレコーディングをされてみての感覚を、改めてお聞きできますでしょうか?

鈴木 いやー!楽しく歌わせていただきました!真っ直ぐな歌詞の中で「期待、しかない!」みたいにマイナスなことをは一切考えずに、楽しいことしか待っていない未来に向かって走り続ける!という印象がすごく強い曲なので、レコーディングでもとにかく笑顔で歌っていた覚えがあります。

――先ほど「屋上でバンドさんと輪になって……」といったイメージもお話されていたくらい、本当にライブ映えしそうな曲でもありますよね。

鈴木 そうなんですよね。だから私も、例えばサビ前の“(Happy happy days, Dash and Go!)”みたいな部分も、ファンの方と一緒に盛り上がれたらいいなと思っていまして。今までの私の持ち曲には、皆さんからレスポンスを返していただける部分のあるものってそこまで多くはなかったんですよ。でもこの曲にはそういった掛け声になるようなフレーズがすごくたくさん盛り込まれているので、私としても煽っていきやすいですし(笑)、ライブではファンの皆さんとより一体になって絶対に盛り上がれる曲になりそうだなと感じています。

――ということは、レコーディングでもファンの皆さんの姿を想像しながら。

鈴木 そうですね。「ファンの方、言ってくれるかなぁ?」と想像したり、ライブのこともすごく考えながら歌えました。

――そしてこの曲のサビでは、鈴木さんの歌声からも青空が連想されました。それは地声とファルセットのバランスの絶妙さもあってのものだと感じたのですが、レコーディングではその匙加減なども詰めていかれたんですか?

鈴木 はい。まず家で練習していく段階から、そういったファルセットの入れどころについても考えるんですけど、今回はビブラートの入れ方をちょっと細かめにしてみたりと、ちょっとしたことを変えたりしながら作っていきました。

――それは、曲のテンポに合わせて疾走感を出せるように?

鈴木 もちろん、そういう意図もありました。色々な歌い方を当て込んで試していくなかで、疾走感のある爽やかな楽曲だと「こういう入れ方のほうが、この部分はすごく刺さるかも」みたいなことを、家での練習段階から結構考えました。もしそれが違っていたら、レコーディングでディレクションしていただく、みたいな感じでした。でも基本的には「いいね」と言っていただけたので、私が持っていったところから大幅に変えずに歌えていたように思います。

――さて、この楽曲ならではの爽快感といえば、MVでのオープントップバスに乗りながら歌われているシーンでも強く感じられますね。

鈴木 めちゃめちゃ気持ち良かったです!公道での撮影だったので、信号の様子を見ながらスタッフさんが「次、赤になりまーす!」とか「そろそろ行けそうでーす!」と臨機応変に対応してくださって。ちょうどビルに太陽が隠れたりしたときには、撮影コースをぐるっと一周してきてもう1回チャレンジしたりもしていましたね(笑)。ただ、そのなかで1つやり忘れたこともありまして……。

――どんなことですか?

鈴木 バスに乗るとき、スタイリストさんの私物のサングラスをかけてみたら「いいねぇ!」となって、かけてみることになったんですけど……その前に元々決まっていた、「紫の帽子を被るバージョンと被らないバージョンで撮る」ことばかり考えていたら、途中でサングラスのことをすっかり忘れてしまって、「まぁまぁまぁまぁ、次の機会に」となってしまったんです(笑)。

――幻の衣装が生まれてしまった(笑)。

鈴木 はい(笑)。もう1回オープンカーに乗るMVを撮ることって、あるかなぁ?とも思うんですけど(笑)。でもそういうやり取りも含めて、すごく楽しい撮影でした。

――そしてスタジオでの、マイクを持って歌うカットがメインになるシーンもありました。あのシーンでもまた、気持ち良さそうに歌われていますね。

鈴木 コードの繋がったガイコツマイクを使ってパフォーマンスするというところにロックな要素をすごく感じられて、すごく良いですよね!それに、衣装もすごくカラフルですし、初めてガッツリ色んな色を入れたエクステを高めのポニーと一緒に垂らして。自分としては、新しい一面みたいなものを見せられたように思っています。

――そのマイクを使って歌うなかでの、ターンしたあとのコードのかわし方も鮮やかで。

鈴木 いや、それがぜんっぜんなんですよ!本当はもっと勢いのあるターンをやりたかったんですけど、片手でコードを持っていたので絡まりに絡まりまして……(笑)。足をモタモタした感じに見せたくなかったので、くるんと軽やかなターンにしてみました。

自分自身を投影したカップリング曲での、歌声での新たな挑戦とは

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