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INTERVIEW

2023.05.11

【対談】オーイシマサヨシ×久保ユリカ、トークモンスター同士の初対談が実現! TVアニメ『勇者が死んだ!』OP/EDテーマ、互いの楽曲の印象とこだわりを語る

【対談】オーイシマサヨシ×久保ユリカ、トークモンスター同士の初対談が実現! TVアニメ『勇者が死んだ!』OP/EDテーマ、互いの楽曲の印象とこだわりを語る

絶賛放送中のTVアニメ『勇者が死んだ!』のOPテーマを手がけるオーイシマサヨシと、EDテーマを担当しながら本作にはマルグリット役でも出演中の声優・久保ユリカのスペシャル対談が実現!

オーイシによる「死んだ!」と久保による「可愛くって意地悪しちゃう」が生まれた過程と、お互いの現在とこれからについてたっぷり語ってもらった……はずだが、トークモンスター同士の初対談。果たして無事に終えられたのか……!?

INTERVIEW & TEXT BY 澄川龍一

久保さんは憧れの存在(オーイシ)

ーー今回はオーイシさんと久保さんという、TVアニメ『勇者が死んだ』のオープニングとエンディングを手がけるお二人のスペシャル対談となりました。

オーイシマサヨシ (拍手しながら)シカコさんと対談するの、初めて!

久保ユリカ ありがとうございます……(笑)。

オーイシ めちゃくちゃ圧倒されてるじゃないですか。今日口数少ないとかやめてくださいね。僕のせいになるから(笑)。

久保 でもお会いした回数でいうと、3、4回目くらいですよね!

オーイシ ちゃんとお話するのはね。あとはイベントのバックヤードで少し挨拶程度っていう感じかな。なので、こういう対談企画は嬉しいですね。

オーイシマサヨシ

オーイシマサヨシ

ーーそんなお二人ですが、先日オーイシさんのライブ(“オーイシマサヨシ ワンマンライブ 2023”)を久保さんがご覧になられて、そのあとのご挨拶のタイミングで何やら事件があったそうで。

オーイシ カマシがありましたね……(笑)。終演後、関係者の方々が順番に僕に挨拶してきてくださるんですが、それでシカコさんの番になったときに僕は全然気づかなかったわけです。シカコさんが大きなマスクと大きな帽子をしていたおかげで(笑)。

久保 あー!これずっと言ってくるんだよなあ…(笑)。

久保ユリカ

久保ユリカ

ーー目だけでは誰だかなかなかわからないですよね。

オーイシ それで、ご挨拶しても久保ユリカだって全然名乗らないんです。

久保 いやいや!まあ…「お疲れさまです!ね!どうもこんにちは!」…みたいなニュアンスで。

オーイシ 試しているんですよ。「私ですよ、わかりますよね?」って(笑)。

久保 そんなことまでは思ってなかったです(笑)!!でもちょっと、多分私って気づいていらっしゃらないかもな?って思ったら試してみたくなり……。

オーイシ 最近は一緒のお仕事が多かったですけど、そのときはそんな試される関係値じゃなかったのよ(笑)。

久保 「レーベルメイトだしいけるかな?」って思って!

オーイシ いけるかもちゃうよ(笑)。わかれへんって!だってさ、オーラあるしスラっとしてらっしゃるし、ウチの知り合いでそんなマルジェラのバッグ持ってる人おれへんよって。

久保 よくそんなとこ見てるなぁ(笑)。

オーイシ だから探ったのよ!何か持ち物でヒントないかなって。でも、「マルジェラ持ってる関係者……おらへん」って(笑)。

久保 とりあえず私は考えこんでいらっしゃるオーイシさんを見ながら、そのまま名乗らず「すごくライブ良かったです」と感想をお伝えして。

オーイシ 僕も誰かわからず「(マルジェラ……)ありがとうございます!」って(笑)。それで最後に顔出して……。

久保 「久保ユリカです、ありがとうございました」と。

オーイシ ありがとうございましたちゃいますって!(笑)。一杯食わされました。これから関係者挨拶は構えていかないと。

久保 みんなマスクなんでね。帰りもプロデューサーさんと、「気づいてなかったですねえ(笑)」ってニヤニヤしました。

オーイシ もう、俺も今度シカコさんの現場でやろうっと。

久保 (スタッフのほうを見て)絶対入れないでくださいね?(笑)。

オーイシ まさかの出禁ですか(笑)!でも、こうやってお会いした回数は少ないものの、親しく接してくださっています。僕にとってアイドルアニソンの入りがμ’sだったから、久保さんはめちゃくちゃ憧れの存在で。ファンでしたし、こんなにキラキラした人がいるんだなって、大きなステージも観させていただいたので、それもあってフランクに接していただいているのが奇跡だな、と。ありがたく思っています。

ーー一方で久保さんのオーイシさんへの印象は……。

オーイシ ていうか僕のこと知っていたんですか?今日まで。

久保 仲の良い役者さんがやっている作品で主題歌を担当されていたのでもちろん知っていました。あと、とあるライブでご一緒させていただいたんですけど、オーイシさんがステージに上がられたときの歓声がすごかったのですが、そのとき私は人見知りマックスで、すべての物事に対して興味が薄かったと言いますか…自分のやることにいっぱいいっぱいだったからその時代に世間で何が起こっていて、どんなことが流行っているのか知らない時期だったんですよ。

オーイシ 浦島太郎みたいな(笑)。

久保 そうそう(笑)。でも「わあ、すごい人気の人だ!」と肌で感じていたので、その印象のままで。最近番組でご一緒することがあったんですが、そこでμ’sを好きでいてくれたっておっしゃっていたのを聞いて「えっ?あの大人気の人が!?」って。

オーイシ じゃかましいわ(笑)!でもありがとうございます!僕はもちろん知ってましたし、仲良くなりたいと思っていたんですよ。だから今回の対談はすごく嬉しいですね。

「死んだ」って使ってしまうのは現代病の1つだなって(オーイシ)

ーーさて、そんなお二人が主題歌を手がける『勇者が死んだ!』ですが、原作をご覧になった感想はいかがですか?

オーイシ まあ……ニーハイソックスですよね(笑)。

ーー第1話から大根にニーハイを履かせる描写からスタートしますしね。

オーイシ 最初に原作を読んだ印象は……これアニメ化できるの?って(笑)。でも読み進めていくとトウカ(・スコット)のかっこいいところが出てきたり、ストーリーとしても世界観が深くてとてもおもしろかったので、主題歌もサクサク作れました。

ーー一方で久保さんはいかがでしたか?

久保 そもそも私、今回が初のアニメタイアップだったんですよ。

オーイシ えっ、そうなの?

久保 そうなんですよ。それでたしか、「タイアップ決まりました」って言われたときに、とっさに「エッチなやつですか?」って聞いたら、プロデューサーも「はい、エッチなやつです」って答えてくれて(笑)。

ーー久保さんは本編でもマルグリット役で出演されていますよね。

オーイシ キャラクターをやられている方が主題歌も担当するって、キャラソンとはまた違うじゃないですか?

久保 そうですね。オーディションのときに読む原作と、アーティストとしても関わるときの見方って変わるんだなって思いました。

オーイシ そうなんだ。僕はそういう経験がないから、めちゃくちゃ興味ありますね。

久保 オーディションのときは受ける役の目線で考えるので。歌うとなると全体を俯瞰して一視聴者として見ると「こうなんだ」って、今までとは違う見方になりますね。

ーーそんな『勇者が死んだ!』のOP/EDテーマについてお伺いします。まずはオーイシさんの「死んだ!」ですが、ストレートなタイトル且つインパクトも絶大で。

オーイシ タイトルは最後まで悩んだんですよ。最後にタイトルを決めましょうってなったときに、最初は「死んダンス」っていう死んだとダンスをかけたタイトルにしようかという話になっていたんですが、インパクトに欠けるなと思い、最終的に「死んだ!」になりました。まず、元々制作サイドからマイケル・ジャクソンの「Thriller」のような曲で、というリファレンスがあったんです。それで、頭からそのオマージュを入れていて。

ーー冒頭の笑い声とシンセはまさに「Thriller」的ですよね。

オーイシ ただ、蓋を開けてみると「Thriller」とはまったく違うっていう。今っぽいトラップのリズムと“死んだ”って連呼するところを掛け合わせて、令和の「Thriller」を作っていこうという思いがありましたね。

ーーリファレンスが「Thriller」というのもあって、ダンスミュージック的なアプローチというのも事前に考えていた?

オーイシ そうですね、着想がマイケル・ジャクソンということもあり、ダンスミュージックからは逃れられないぞと思っていました。最初はサウンドもある程度「Thriller」に寄せたレトロな感じにしたくて、「Thriller」のシンセベースはMOOGっていうアナログシンセを使っているんですけど、その音色を真似て、なんならYouTubeでその音色の作り方を見て、それで1つ1つ肉付けしていった感じですね。

ーーそこに今っぽいサウンドを、共同で編曲したRINZOさんが加えていくという。

オーイシ そうですね。編曲の基本的な骨格は僕がやって、RINZOくんには現代クラブミュージックみたいな肉付けをしてもらった感じですね。あとはキックやスネアを分厚くしてくれたり、僕のアレンジにレイヤードしてもらうという編曲コライトでしたね。

ーーまた一方でオーイシさんの詞曲ですが、これまでと同じようにアニメのことも語りつつ、現代の我々にも通ずるテーマがあると思って。今回はそこが“死んだ”というフレーズに集約されているのかなと。

オーイシ 限界を超えることに対して、「うわーテスト死んだ」とか「疲れて死にそう」とか、「死んだ」って言葉をよく使ってしまうじゃないですか。それって現代病の1つだなと捉えて提案できればなと思い、一番目立つサビのど頭に入れようって。あとは作品の中でも主人公ってずっと死んだ状態じゃないですか。そこをピックアップしながら、フィクションを現実の自分とを照らし合わせたときに、疲れて「死んだ」ってすぐ言っちゃうよなって考えながらブレンドしたらこんな歌詞になりました。タイトルだけ見るとおどろおどろしいんですけど、よくよく聴くと死にそうな現代人に対してのエールも含んでいるつもりなので、そこも感じて聴いてほしいですね。

久保 一番最初にこの曲を聴いたのは、音響監督の清水(洋史)さんがずっと鼻歌で歌っていたときだったんですよ。

オーイシ えーっ!嬉しい!

久保 ちょうどデモが送られてきたタイミングだったみたいで、それでハマっちゃったみたい。で、「そんなに中毒性のある曲なの?私にも聴かせてよ!」って聴いたら、「これは頭から離れないわ」って。

オーイシ 嬉しいですね。初めてちゃんと褒められた気がします、良かった(笑)。

かわいいんだけど、大人な歌い方で(久保)

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