2022年7月にアーティストデビュー10周年を迎え、それを記念した「ゆいテン!~これをやらないと10周年が終えられまテン!!~」で様々な楽しい企画を進行中の小倉 唯。日本コロムビア移籍第1弾となった前作「Love∞Vision」から半年足らずで届けられる今回のニューシングル「秘密♡Melody」もまた、彼女らしい世界観とアーティスト性が刻まれたスウィートな一作となった。自身も出演するTVアニメ『私の百合はお仕事です!』のOPテーマとして、自ら作詞を担当してこだわりのもと制作された本作について話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
――小倉さんは、今回のTVアニメ『私の百合はお仕事です!』(以下、『わたゆり』)に主人公の白鷺陽芽役で出演もされています。OPテーマのお話が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
小倉 唯 先にアフレコが進んでいるなかでタイアップのお話をいただいて、驚いたのと同時に、自分がヒロインを演じさせていただく作品の主題歌を担当させていただけることがすごく嬉しかったです。『わたゆり』の世界を大切にしつつ、どんな楽曲を展開しようかな、ととてもワクワクした気持ちでした。
――『わたゆり』には、原作コミックスのPVの頃から関わられていますが、作品に対してはどんな印象をお持ちでしょうか。
小倉 コミックスのナレーションを担当させていただいた際にこの作品に出会ったのですが、コンセプトカフェで繰り広げられる世界観、キャラクター間での複雑な心境が繊細に描かれているのが印象的でした。絵もすごくきれいで、コメディっぽい要素も入っているので、どんな方にも楽しんでいただけるんじゃないかなぁと思います。
――小倉さんが声を担当する白鷺陽芽は、どんなキャラクターだと感じますか? 演じる際に特別意識したことがあれば教えてください。
小倉 とにかくかわいくて、天真爛漫。ソトヅラと本音のギャップはありますが、みんなから愛される女の子だと思います。陽芽は物語の中でも、全体の雰囲気を引っ張っていくところもあったので、喜怒哀楽をわかりやすく表現することを心がけました。本音の部分は、気をつけないと少し嫌な子になってしまうかな?と思って、かわいらしさも感じていただけるよう役作りしています。
――作中では、コンセプトカフェのリーベ女学園で一緒に働いている、陽芽と綾小路美月(CV:上坂すみれ)の関係性がお話の軸になっていきます。美月とのやり取りや上坂さんとのアフレコで印象的なことはありましたか?
小倉 すみぺ(上坂すみれさん)とは元々共演することも多く、普段から仲良しなので、とても良いチームワークで収録できたなぁと思います。美月の役柄だとはわかっていても、ピシャリとトゲのあるセリフを言われると、少しショックに感じてしまうくらい(笑)、すみぺのお芝居には迫力がありました!
――小倉さんはバイト経験がないというお話ですが、もしカフェ・リーベ女学園でバイトするとしたら、どんな役割の子を演じてみたいですか?
小倉 そうですね~。このお仕事で培った気持ちのメリハリも活かしつつ、どちらかというと陽芽ちゃんみたいに、明るくてかわいい接客が出来たらいいなぁと思います。あと、元々責任感が強い性格なので、働くとしたらチームリーダーとか、ある程度、判断を任せてもらえたり、みんなから信頼されるようなポジションにつけるよう、コツコツ頑張りたいです(笑)。
――そんな本作のOPテーマ「秘密♡Melody」は、ドラムンベース調の跳ねたビートと生楽器のリッチなサウンドが合わさった軽やかなポップソング。どのようなコンセプトで楽曲制作を進めたのでしょうか。アニメ制作サイドからは何かリクエストはありましたか?
小倉 小倉さんらしい、かわいらしい楽曲にしたいというオーダーをいただきました。原作の世界観を大切にしつつ、アニメのオープニングということなので、どこか印象的なイントロや耳に残るメロディが作れたらいいなと思いました。特にテーマなどの指定はなかったので、自分の中で色々考えて、女の子のかわいらしい秘密の気持ちを表現しようかな、と思い作詞にあたりました。
――小倉さんがタイアップ曲の作詞を自分で手がけるのは、「Fightin★Pose」(2021年/TVアニメ『ジャヒー様はくじけない!』第1クールオープニング主題歌)以来のことになりますが、『わたゆり』のOPテーマとして意識したことや、それ以外にもこだわったポイントがあれば教えてください。
小倉 自分の本音や想いを秘密にしたい、だけど本当は気づいてほしい、というような、複雑な気持ちの葛藤を意識しました。サビの“そばにいるから”の後のコーラスの英詞なども、上手く音にハマった表現をしたくて、こだわって考えたフレーズです。タイトルの「メロディ(Melody)」にかけて、音符や音階など、関連する言葉を散りばめたのはポイントです。
――作曲・編曲を担当した滝澤俊輔さんとご一緒するのは今回が初だと思いますが、楽曲自体やサウンドに対してはどのような印象を受けましたか?
小倉 コンペでの選曲だったのですが、イントロのフレーズがとても印象的で、一気にグッと引き込まれました。作品の世界観もよぎりましたし、サビのメロディもすごくかわいいらしく耳に残るフレーズだったので、これだ!という感じで。楽器を感じるアレンジなども作品のイメージにぴったりだな、と満場一致でした。
――先ほど話題に上がった英詞のコーラス部分を含め、メインボーカル以外にもたくさんの歌声が重ねられていて耳が幸せな気持ちになりますが、歌入れの面で特にこだわったポイントを教えてください。
小倉 「秘密」というタイトルにかけて、Aメロなどは少し内緒話をしているような、心の内を吐露しているイメージで歌いました。コーラスや追っかけなどは、耳に残るようなフレーズにこだわりましたし、歌い方も少しウィスパー成分が多めになっています。
――「秘密♡Melody」のMVも、色々な衣装を着た小倉さんや、ちょっとしたお芝居、ダンスシーンなど、見どころ満載の映像に仕上がっています。今回はどんなコンセプトで撮影されたのでしょうか。
小倉 今回は、少し物語テイストの内容になっています。カフェのメイドさんが実は探偵の一面も持っていて、カワウソくんに依頼されて仲間たちを探し出す、というコンセプト。ダンスシーンも小道具などにこだわっていて、世界観がかわいらしくまとまっていてお気に入りです。振り付けも私が担当させていただいているので、ぜひ注目して観ていただけたら嬉しいです。
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