CHiCO with HoneyWorks、活動休止前ラストとなる全国ツアー“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『ｉは自由で、縛れない。』”ファイナル公演でみせた“ｉ＝愛”と“感謝”でいっぱいのステージをレポート！

ファンと一緒に歌うことで完成した「決戦スピリット」

ここでもう1曲、CHiCOが「みんなの声が必要な曲です」と、このツアーで絶対に歌いたかったナンバーを紹介する。リリースされたのは2020年2月。そこからすぐに世の中はコロナ禍に突入。みんなと一緒に歌いたい曲でありながら、これまでライブでは一度も声出しができなかったからこそ「やっと曲が完成します」と誇らしげにCHiCOが告げ、「決戦スピリット」が放たれる。これ以上、大声は出せないのではないかと思わせるほどのオーディエンスの大合唱。逆境を恐れず、打ち破って前へ進み、“高く高く高く舞い上がれ”と歌い上げる全員の熱い想いが噴火した。

「最高だね、名古屋！」、そう叫んだCHiCOの顔は晴れやかだ。ライブ活動を始めてからの名古屋での思い出をたっぷりと語り、これまでのライブを振り返りながら、この日、チコハニとしてのツアーファイナルだからこそ伝えたい想いの丈を、切々と紡ぐ。

「みんなを驚かせてしまいましたが、今回のツアーをもってCHiCO with HoneyWorksは活動休止になります。さびしくないかと言われたら、そんなことなくて。今日は全力を出す！と思ってたけど、会場に着いて毎年会っていたスタッフさんにも会えなくなる時間が長くなるのかと考えると胸がチクッとなって。今また話しながらチクっとなっていて……。でもさびしいけど悲しいお別れではなく、またこうやってみんなと一緒にライブを楽しむため、バンドメンバーと一緒に音楽を届けるために、もっともっと自分がレベルアップをして、筋肉モリモリになって帰ってきます。今後のソロ活動を含め、バンドメンバーの個々の活躍も温かく見守ってくれたら嬉しいなと思います。改めて、これからもよろしくお願いします！」

温かな拍手の中、本編ラストに届けられたのは、CHiCOが新しいチャレンジに向けて様々な気持ちを背負って歌いたくてセットリストに組み込んだという、「新たな一歩を踏み出す女の子の曲」と紹介した「ハートの主張」と「ハートの誓い」。ファンに活動休止について語りながらも「しんみりしたくない」と言っていたCHiCOらしい、前向きな気持ちがしっかりと伝わった。

“人生というドラマのワンシーンにかかる　BGMになれますように”

「チコハニ！」を全力で呼んだアンコールでも、8年間の集大成となる思い出の深い楽曲が歌われた。デビュー曲の「世界は恋に落ちている」は、初期からずっとライブのアンセムとして歌い続けられてきたナンバー。本編のMCでも語られていたが、初期のライブでは圭輝のピアノをバックにCHiCOが想いを語ってからこの曲を歌い、何度も何度も感動の涙を流していたことを思い出す。そしてアンコール2曲目は、CHiCOが歌う理由はみんながいるからだと、ライブの光景になぞらえて綴られた「BGM」。今こそが“終わる前思い出すような最高の日”であり、チコハニの曲が“人生というドラマのワンシーンにかかる　BGMになれますように”と願い、“声が出なくなっても私は歌う”と歌で宣言。“歌の花束で君を彩りたいプレゼントねぇ受け取って？”と奏でるCHiCOの優しい歌声こそが、ファンにとっての最高のプレゼントになった。

そして改めてチコハニバンドのメンバーからのメッセージが語られ、アンコールのラストは「今日もサクラ舞う暁に」。タオルをクルクルと回しながら、“会えなくなったけどいつでも繋がってるよ”“いつか会えた時にはただいまってきっと大声で！”と歌に込められたメッセージは、Zepp Nagoyaに集った全員の胸の奥に深く深く刻まれた。

いつもなら、これで終演となるところだが、別れがたいオーディエンスから「もう1回！」の元気な声が飛ぶ。チコハニ8年間の音楽活動で、初めて経験するダブルアンコールだ。にこやかにステージに駆け込んでくるCHiCOとバンドメンバー。あまりの勢いに、中西がステージ上のガードレールにぶつかるハプニングもあり、またまた会場は笑いに包まれる。ダブルアンコールに憧れていたというCHiCOは、本当に嬉しそうだ。そしてサッとピンクのフラッグをCHiCOが手にすると、長くチコハニを応援してくれているオーディエンスたちが、待ってましたとばかりにお揃いのフラッグを取り出す。舞台スタッフがステージにCHiCO with HoneyWorksのロゴが書かれた4本の大きなフラッグを飾ると、CHiCOが声を張る。

「2014年から2023年まで、一緒に道を進んでくれたみんなと歌う曲は、もうこれしかないですよ！」

キラキラと輝くミラーボールの光を浴びて、CHiCOが大フラッグを手にして“旗を掲げろ”と歌いながら凜と立つ。バンドメンバーがステージを楽しそうに練り歩き、巻き起こる大合唱。立ち止まらずに歩いていくCHiCOとメンバーの未来、そしてチコハニに勇気をもらったファンの未来を、真っ直ぐに照らすようにZepp Nagoyaに響き渡った「ホーリーフラッグ」は、いつまでも記憶に残り続けるだろう。

「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『ｉは自由で、縛れない。』」
2023年4月8日（土）Zepp Nagoya セットリスト

01. リベンジゲーム
02. 醜い生き物
03. プライド革命
04. ハンコウ予告
05. ヒミツ恋ゴコロ
06. カヌレ
07. それいけ！サラリーマン
08. 鬼ノ森
09. きっと別れるよ
10. あなたは恋をしてない
11. ヒカリ証明論
12. ウルフ
13. アイのシナリオ
14. 我武者羅
15. 決戦スピリット
16. ハートの主張
17. ハートの誓い
＜アンコール＞
18. 世界は恋に落ちている
19. BGM
20. 今日もサクラ舞う暁に
＜ダブルアンコール＞
21. ホーリーフラッグ