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INTERVIEW

2023.04.19

『NieR Replicant』『NieR:Automata』からTVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』まで、音楽の歴史を振り返る。音楽:MONACA(岡部啓一、帆足圭吾、高橋邦幸)【前編】

『NieR Replicant』『NieR:Automata』からTVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』まで、音楽の歴史を振り返る。音楽:MONACA(岡部啓一、帆足圭吾、高橋邦幸)【前編】

アニメ制作陣の熱意を受け取りながらの音楽制作

──(インタビュー現在)放送中の第3話までの反響というのはどのように受け止められていますか?

帆足 Twitterなどの反響を見て「音楽の使い方が上手い」という声をいただいたことが嬉しかったですね。ゲームの曲は主張が激しいので、映像に置き換えたときに使いにくいだろうなと思っていたんです。そんななかですごく静かな曲も上手く使っていて、セリフがないところで歌を出してきて。音楽の印象がきちんと残っていて「良い感じに使っていただき嬉しいな」という想いがありました。また、絵作り的にもゲームのステージがそのまま再現されているようなところがあって。そのステージの曲が流れて「ゲームで見た光景そのままだ」と、自分も驚きました。

高橋 音楽のデータを上手いこと使っていただいているな、というのは感じています。受け手の方はどう思うんだろう?と思ってネットの感想をチラ見したら「ほかの曲に変わっていなくてよかった」という意見もあったのでホッとしましたね。

──第2話では、一歩進み出すところで音楽がかかるなど、演出面でも素晴らしいなと。

岡部 音楽を大事にしてくれている感じがありますよね。

──先ほどヨコオさんからオーダーがあるときは参考曲をいただく、というお話がありましたが、実は私もアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』のオーダー表を拝見させていただいたんです。

岡部 わお!(笑)

──『レプリカント』の楽曲を参考曲に上げられているものが多いなという印象があって。

岡部 「この曲のようなものを作ってくれ」というより「この曲と同じような使い方ができる曲を作ってくれ」と受け取っています。

帆足 似たようなテイストの、という感じですよね。

岡部 そうですね。普段プロジェクトごとにオーダーをいただくのですが、音楽業界の人間同士だと共通言語があるんです。音楽的な説明もしやすくて。でも音楽を作っていない方との共通言語は、同じ言葉でも受けるイメージが違うケースが多く、食い違ってしまうことがあるんですね。だから音でもらうのが一番イメージを正確に掴めます。ただ、その曲名だけをもらうと……。

帆足 どこを使っていいかがわからない(笑)。

岡部 そうそう(笑)。この曲のどこが欲しいのかなと。「前半の高揚が欲しい」などの補足があるとわかりやすいです。今回は、実際そういったオーダーをしてくれていますね。

──現状、新規曲についてはタイトルがついていない状態でいただいているのですが、タイトルはもうすでに決まっているのでしょうか?

岡部 タイトルはあとから決まるんです。だから現状はまだ決まっていません(笑)。サウンドトラックにするときにタイトルをつけていただくんですよ。『NieR』の場合は、ヨコオさんや制作の方々がつけているんです。曲のイメージというより、使われどころに合ったタイトルをつけていただいているので、サントラになるときに「ああ、こういうタイトルなんだ」と思うことが多いです。逆にタイトルで言われても「これ何番の曲だっけ?」となります(笑)。

帆足 そうなんですよね。サントラのリリース後だと、こういったインタビューで曲名でお話を聞かれることが多いのですが、馴染むまでは「それってE001ですか?」という感じの反応になってしまいます(笑)。

──そういうものなんですね(笑)。

岡部 はい。『NieR』の場合は、アレンジ盤もたくさん出させていただいたり、コンサートもやっていただいたりしてて。そこで曲名でやり取りをしたので覚えています(笑)。でもそれくらい馴染むケースは稀ですね。

──今アレンジ盤のお話がありましたが、実は今日、自分の持っている『NieR』関連のCDを色々と持ってきたのですが……。

一同 うわ、懐かしい!!!

岡部 (CDを手に取りながら)『Piano Collections NieR Gestalt & Replicant』(2012年3月発売)のときに、初めて人前でコンサートをやったんですよね(同年3月20日新宿アイランドホールにて開催)。内々の打ち上げでは、実は演奏していたんです(笑)。エミさんが歌って、帆足がピアノを弾いて。それをやりたいがために、わざわざピアノのある会場を押さえて(笑)。

帆足 ああ、そういう流れであの会場を押さえていたんですね(笑)。

──そんな裏話があったとは知らなかったです(笑)。

岡部 当時は「最初で最後だろうから」というノリで、開発チームに楽しんでもらおう、と。それがまさか、こんなにも何回もやらせていただくことになるとは思っていなかったです。ありがたい限りですね。

──アニメを楽しみにされている方に、期待していてほしいことはありますか?

岡部 サウンドトラックは音楽として楽しんでもらえると嬉しいのですが、アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』でいうと、制作陣の方々の「良い作品を作ろう」という熱量が高い現場なので、それが皆さんに良い形で伝わるといいなと思っています。どうしてもゲームと比べると、TVアニメの場合はながら見される方も多いと思うんです。それはそれで、1つの在り方だとわかっているのですが、絵づくりも脚本も、きちんと向き合うからこそ気づけることもたくさんある作品だと思っています。だからアニメも、音楽もじっくり楽しんでいただけたらなと思います。

帆足 新曲を楽しみにしていて欲しいです。もし気に入っていただけたら、サウンドトラックもよろしくお願いします。

高橋 僕からも同じくです。アニメスタッフの方たちが、原作ファンも楽しめる作りにしてくれていると思うので、安心して見てもらえたらと思います。


●リリース情報
『NieR:Automata Ver1.1a Original Soundtrack』
2023年4月26日(水)発売

価格:¥2,750(税込)
品番:SQEX-11015

詳細はこちら

●作品情報
アニメ『NieR:Automata Ver1.1a』

<国内配信>
各配信プラットフォームにて第1話~第8話配信中。

【STAFF】
原作:「NieR:Automata」(スクウェア・エニックス)
監督:益山亮司
シリーズ構成:ヨコオタロウ/益山亮司
キャラクターデザイン・総作画監督:中井 準
アクション監修・プロップデザイン:橘 駿
CGアクション監修・Blender監修:稲田正輝
Blender監修:川越崇弘
2Dワークス:平賀みえ
軍事考証:金子賢一
美術監修:加藤 浩(ととにゃん)
美術監督:坂上裕文(ととにゃん)
美術:ととにゃん
美術設定:高橋武之
色彩設計:茂木孝浩
CGディレクター:野間裕介
サブCGディレクター:大川 威
撮影監督:青嶋俊明
編集:三嶋章紀(三嶋編集室)
音楽:MONACA
音響監督:長崎行男
制作:A-1 Pictures
製作:人類会議

【CAST】
2B:石川由依
9S:花江夏樹
A2:諏訪彩花
ポッド042:安元洋貴
ポッド153:あきやまかおる
アダム:浪川大輔
イヴ:鈴木達央
パスカル:悠木 碧
司令官:加納千秋
オペレーター6O:磯部恵子
オペレーター21O:初美メアリ
リリィ:種﨑敦美
デボル/ポポル:白石涼子

<Introduction>
西暦5012年。
突如地球へと飛来してきた<エイリアン>と、彼らが生み出した<機械生命体>により、人類は絶滅の危機に陥った。
月へと逃げのびた僅かな人類は、地球奪還のため、<アンドロイド>の兵士を用いた反攻作戦を開始。
しかし無限に増殖し続ける<機械生命体>を前に、戦いは膠着状態に陥る。
人類は最終兵器として、新型のアンドロイド<ヨルハ>部隊を地球へ派遣。
新たに地球へと派遣された<2B>は先行調査員の<9S>と合流し、任務にあたるが、その最中で、数々の不可解な現象に遭遇し……。
これは人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>の物語――。

©SQUARE ENIX/人類会議

関連リンク

『NieR:Automata Ver1.1a』公式サイト
https://nierautomata-anime.com

『NieR:Automata Ver1.1a』公式ツイッター
https://twitter.com/NieR_A_ANIME

MONACA 公式サイト
https://monaca.jp/

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