INTERVIEW
2023.04.05
それぞれが磨き上げた“ホンモノ”のパフォーマンスでてっぺんを目指す実力派アイドルのLEGIT。元々は事務所の代表であるAnelaと同じ事務所・groovyプロダクションに所属し、彼らのバックで踊っていた3人。憧れのAnelaの元へと駆け付けて、彼らが設立したsMiLeaプロダクションに所属し、満を持してデビューを果たした。ホットなヒップホップやダンスチューンを軸としたサウンドが魅力のLEGITを演じる助川真蔵、森蔭晨之介、坂田隆一郎に、『UniteUp!』とLEGITへの熱い想いを聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
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――『UniteUp!』のオーディションに参加された際のご心境とプロジェクトが動き出し、アニメの放送も開始された今のお気持ちをお聞かせください。
助川真蔵 全員それぞれオーディションのタイミングが違うのですが、多分僕は最初にオーディションを受けたグループなんです。詳細はまだ決まっていなかったので、状況がわからないなかでのオーディションではあったのですが、とにかく必死に頑張ろうという気持ちが強くて。キャラクターとしては、今演じている高尾大毅しか受けておらず、こうして役が決まったのは本当にありがたい限りです。プロジェクトが動き出してからは楽曲の良さもあり反響をいただいていますし、LEGITとしてデビューをさせていただいたことも感慨深いですね。僕ら自身、LEGITというユニットの音楽の良さやクオリティの高いパフォーマンスで勝負していきたいと思っているので、これから皆さんの期待を裏切らないように精進していきたいと思っています。
森蔭晨之介 僕はオーディションとしては最後のほうに受けたグループでした。元々自分は古着屋の店員だったこともあって、歌もダンスもこれまでやっていなかったですし、芝居の経験も浅かったのですが、オーディションに参加させてもらう縁があったことが今に繋がりました。実は、オーディションは(二条)瑛士郎ではない役で受けていたんです。ただ、音響監督さんから「瑛士郎で受けてほしい」と言っていただき、その場でやらせてもらいました。でも本当に初めてのことだったので、「もっとこういうふうにしてください」と言われても、どうしたらできるのかもわからなくて……「わからないです」って答えてしまっていたんです。
坂田隆一郎 そこで「わからないです」って言えることには心の強さを感じるけどね?
森蔭 たしかに(笑)。でも音響監督さんがブースに入ってきてくれて「こうすると、こういった言い方になるから」とご指導してくださったんですよね。そしてその後、瑛士郎役に決まりました、と連絡をいただいたときには「やったー!」という想いよりも、受け止めることに精一杯で。最近こそ「これをやっておけば後々に活かせる」とわかるようになってきたんですが、当時は不安ばかりでした。今は、アフレコや歌、自分がやってきたことがこんなスピード感を持ってアウトプットされて、反響がダイレクトに返ってくることを体感しているという気持ちが強くて。過程を経て結果が見えてくることで実感することが多いですね。
坂田 僕はオーディションのときは福岡に住んでいたので、最初はリモートでのオーディションだったんです。そこから東京に来て対面オーディションに進む、という形でした。歌とセリフのオーディションだったのですが、歌は得意分野で自信を持って受けることができたものの、マイク前でのセリフというのは難しかったですね。元々は(東郷)楓雅ではない役を2キャラ分受けていたのですが、そのときに「ほかに受けたいキャラクターはいますか?」と言われて。こういう場で「楓雅をやりたい」と言っていいのかギリギリまで悩んだのですが、これで落ちたら悔いが残るなと思って、やらせてくださいとお願いしました。その場で「楓雅、合うね」と好感触な反応をいただいたことが印象に残っています。結果の連絡をいただいたときにたまたま仕事で東京にいたのですが、楓雅に決まったときはめちゃくちゃ喜びました。実際にプロジェクトが動き出しましたが、準備期間が長くて。レッスンを重ねながら「本当にアニメは始まるのだろうか」とか「時勢的にライブをやっていくことはできるのかな」と不安も感じましたが、みんなで刺激し合いながらしっかり準備をしてきたことは、すごく良かったなって思っています。
――声のお芝居やキャラクターとして歌うことについてどのような印象がありますか?
助川 難しい、ということが大前提です。アフレコするにあたって台本の読み方なども事前に講習してもらっていたのですが、やはりマイク前に立つと緊張感が漂っていて。自分たちでそれぞれ練習をしてきているものの、実際のマイク前とでは全然違うので。こんなにも難しいものなのか、と……。思っていたものより何十倍も難しかったこともあって、気合いを入れてやらないといけないな、と思いました。キャラクターとして歌うことについてはそれほど苦労していないですね。大毅の表現という意味で、お芝居でもそれほど声を作っているわけではないので、比較的自分に近い、等身大の歌でもキャラクターに近づけることに繋がりました。
森蔭 僕は見た目が幼いのですが、声変わりも早くて低音、というギャップが昔から嫌いで、人としゃべることはもちろん、カラオケに行くことも苦手だったんです。言葉を発することが苦手だったので、ファッションや絵を描くような、黙っていてできる表現をずっとやってきたのですが、そんな自分が声を使う仕事をすることになったので、当初は苦しみがありました。自分が録ったものを聞かなければいけない、という地獄。「なんだ、この声は……」と毎回思うのですが、その作業をやらなければどこを直せばいいのかもわからないですから。瑛士郎の声は少し作っているところもあって、声質を変えてしゃべると上手く発音できないこともあるんですね。だけど監督の指示に従って、瑛士郎の声のお芝居を定めていきました。歌についても大変で、「今の歌だと瑛士郎っぽくないね」「今の部分は瑛士郎味があるね」という声に「どうしたらいいのかな」と迷いが深くなりながらも、歌っていくうちに「なるほどこれが瑛士郎か!」という部分が見つかっていきました。
坂田 以前から「声優をやってみたい」と思っていたのですが、アニメを観ていて声色などに特徴的な方が多いですし、そんな声優さんのようにやってみたらいいのかなと思っていたこともあり、最初のうちは「声を作る」意識でいたんです。でもレッスンを重ねて、基礎を学んだうえでブースに入ったときに「感情を乗せる」ことの難しさを感じて。シーンのシチュエーションを想像しながらお芝居をして、声だけで表現することの難しさを感じましたし、舞台やドラマでのお芝居と全然違うことを痛感したことで絶望しました(笑)。でもだんだんとキャラクターも掴めていきましたし、音響監督さんからしっかりとご指導もいただけたのでお芝居での成長を感じています。歌についてはずっと活動してきていますし、キャラクターとして歌うことも過去に何度か経験もしていたので不安なく飛び込めましたが、特に楓雅はセクシーさを出さなければいけないんですよね。でもライブになるとワイルド。セクシーだけどワイルドという二面性をどう出していくか、楽曲によってかっこいいところと美しいところのバランスを意識しながら歌いました。
――アニメに先駆けて発表されていた歌の動画でそれぞれのキャラクターの性格や特徴も出ていたように思います。それらの楽曲から彼らのどんなところが届いていたらいいなぁ、と思いますか?
助川 大毅はパッと見だとポップな曲やがっつりヒップホップ系の曲を歌いそうですが、意外とソロでは感情が乗ったスローでメロディアスな感じの、胸に刺さる楽曲を歌うんですよね。大毅自身まだ若いですが、アニメでは描かれていない感情が楽曲に滲んでいるように思っています。あまり人に頼らないタイプでもある大毅ですが、頼らざるを得ない場面に遭うこともあるし、そういったときの感情が吐露されているように感じますね。「igno」と「call」にはそういう心情を感じさせるし、外ではキャンキャン!と言っている大毅ですが案外弱さも持っているというそのギャップが楽曲に込められていると思うので、そういう彼らしさが少しでも伝わっていると嬉しいです。
森蔭 瑛士郎の「答え合わせ」と「good time」は、どちらの曲も僕が歌詞を書いたのですが、瑛士郎は理屈っぽくて計算高いところがあるので、その彼が歌詞を書く、ということをなかなか想像できなくて。理屈っぽい人って歌詞を書けるのかな、と思っていたのですが、そんな瑛士郎のことをどんどん知っていくとすごく人間的だし、かわいいところもあるんですよね。理屈に頼る人はどこか自信がないからこそ、それを補おうと理屈を出すのかなと思ったことと、感情的で自分にないものを持っている大毅に対するリスペクトが強いところも歌詞に乗せたいと思って書きました。特に「good time」は音に乗せれば素直になれる彼を出しましたし、どちらの曲も瑛士郎の本当の気持ちや二面性というか、作中とは違う瑛士郎の裏の部分を綴りました。歌詞を書いて感じたのは、瑛士郎の奥深さでしたね。
坂田 僕も「Party Plan」で作詞をしているのですが、アニメが始まるだいぶ前にYouTubeにアップする曲ということで、台本もできていない状態で楓雅がどういうキャラクターかを作詞という形で僕が考えられるのがすごく嬉しかったです。本質というよりも、女性に対して楓雅がどう接するのか、女性から見た楓雅のイメージはどういうものなのかを意識して、ちょっと悪い感じのセクシーな男性として、かっこ良く歌いながらも色気のある歌詞にしたいなと思って書きました。その曲と対になっているくらい「Please! Please!」はかわいい曲になっていて。楓雅らしくはない感じではありますが、彼はまだ20歳ですから、見た目の大人っぽさはあるけれど「まだ20歳」であるかわいさも出ていると思います。ただ、この2曲はどちらも楓雅の本質をまだ見せてはいないように思うんですよね。まだ色んな彼が隠されている気がしているので、大毅と瑛士郎の曲とはまた違う感覚があるし、謎を残しているところでこの先の楽曲への期待も高まっていくと思っています。
――そんな3つの個性が合わさってできたのがデビュー曲「Twenty Four」。この曲ではどんなLEGITが表現できたでしょうか。
助川 僕たちのユニットはヒップホップやラップがテーマになっているのですが、この曲はそんなLEGITの楽曲の中では比較的キャッチーな1曲に仕上がっています。
坂田 そうだよね。
助川 「ON MY WAY」や「FIRE」で出しているのとはまた違う方向性なんですよね。
坂田 そちらの曲はポップじゃなくクールだしね。
助川 デビュー曲はユニットのお披露目でもあるし、最初の1曲としてキャッチーなものにした、という意味のある楽曲だと思う。歌詞では時間の話をしているし、てっぺんを目指すというLEGITのストイックさや本気で取り組んでいる思いや決意が歌詞に表現されているので、LEGITらしさはそういったところで出ていると思います。
坂田 時系列で考えると、3人が集まってチャレンジをするという意味も含めての「Twenty Four」で。それぞれの時間や今まで経験してきたなかでの時間やお金に対する価値観の違う3人が、同じ24時間をこれから過ごしていくという想いが詰まっている。ここから築き上げてくものも含めてキャッチーに歌っているんだ、と思うと彼ららしいなと感じました。
森蔭 「Twenty Four」は、メロディも歌詞も良い意味で力が抜けているなと思うんです。ただ、デビュー曲以降はオラオラ感があって、「お前ら、俺らについてこい」という雰囲気があるんですよね。デビュー曲の“寝ずに遊ぶ”とか“疲れてるどころか絶好調”という部分は、素の大毅っぽいし、その感覚で生きているなって思うんですけど、与えられた24時間の、お金では買えない価値についてとか、本質をついているような、僕が聴いていても「良いなぁ」と思う歌詞も散りばめられているし、聴きやすくて気持ちが良いんですよね。デビュー曲として良いバランス感のある曲だなって思うんです。
――劇中であれだけのお客さんを前に歌っているということは、「Twenty Four」以降に多くのファンを獲得してきたということですしね。アニメ第3話で、3Dで歌っている彼らを見たときにはどんな印象がありましたか?
助川 びっくりしました、全部がリアルすぎて。ダンスする様子や姿形もそうだし、お客さんやステージ背景のグラフィックとか、ちゃんとduo MUSIC EXCHANGE(ライブハウス)の柱もあってすごい再現度だなと感動しました。
坂田 しかもドローンを照明にしてるの。あのアイデアはすごい!と思いましたし、リアルにキャラクターが生きているのを感じて……あの放送のあと、何回もYouTubeでライブシーンを観ちゃいました。
助川 わかる、何度も観た。
森蔭 頭に浮かんでくるしね。
坂田 それくらいインパクトもあるし、感動しましたね。
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