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INTERVIEW

2023.03.26

石井あみと吉武千颯、ふたりはプリキュアシンガー! TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』OP&ED主題歌アーティストが語り合う、シリーズと音楽への「愛」

石井あみと吉武千颯、ふたりはプリキュアシンガー! TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』OP&ED主題歌アーティストが語り合う、シリーズと音楽への「愛」

20周年を迎えた『プリキュア』シリーズの最新作となる『ひろがるスカイ!プリキュア』(以下、『ひろプリ』)。そのオープニング主題歌に抜擢されたのは、これが歌手デビューとなる石井あみ。石井は吉武千颯とのデュエットでエンディング主題歌も担当する。一方の吉武が『プリキュア』シリーズのエンディング主題歌を歌うのはこれが6曲目となる。『ひろプリ』は、『プリキュア』シリーズの原点に立ち返り、女の子2人の友情がスタート地点。石井・吉武、両者から飛び出す「愛」は今作にふさわしく、結束しながら『プリキュア』20周年を彩ると確信させる。

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司

自分らしさと新しい自分、それぞれの挑戦

――『ひろがるスカイ!プリキュア』の主題歌を担当するお二人ですが、ちなみに第1話の放送をご覧になった感想は?(※取材は第1話の放送直後に実施)

吉武千颯 私は「ヒーローだ!」と思って大号泣しました(笑)。『プリキュア』シリーズは毎年、色々なテーマを掲げていますが、今作は今までとはまた違った勢いというか、「第1話からこんなにパワーをぶつけてくるんだ!すごい!」と思って。「ヒーロー」をものすごく感じて大感動でした。

石井あみ 本当にかっこよくて私も感動しました。今も思い出して鳥肌が立っています(笑)。特にアクションシーンが素晴らしかったですし、想いもいっぱい溢れていたので、すぐに第2話が見たくなりました。

吉武 待ち遠しいよね。

石井あみ

石井あみ

――そんな作品にこれから歌で寄り添われていくわけですが、そのきっかけとなったオーディションにどのように臨んだか教えていただけますか? まずは、オープニング主題歌「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」を歌う石井さんから。

石井 オーディションでは自分の力を全部出しきろうと思っていたので、最初から最後までフルパワーで歌うことを意識したのですが、課題でオープニング曲を歌ったときに、1番の最後の“プリキュア”の音を盛大に外してしまって。

吉武 えぇ!? そうだったんだ。音が高いもんね。

石井 でも、スタッフの方は「惜しい」と言ってくださって、井上(洸)プロデューサーも「もう1回歌ってみよう」とチャレンジさせてくださったんです。自分にとって初めてのオーディションだったのですが、自分らしく挑戦できましたし、とてもありがたい貴重な経験をさせていただきました。

吉武 私は『プリキュア』シリーズに関わり始めて5年目ということで、私の歌のすべてを知ってくださっているスタッフさんの前で歌う、他のオーディションとは違う緊張感があったのですが、毎年「去年の自分を超えられるように」と意識しているので、新たなものを出すことを心がけて臨みました。私の中では、年数を重ねていくにつれて、自分でもどうしていいかわからないくらい、プリキュア愛が大きくなっているんです。なので、今年も携わらせていただくことができて、本当に幸せでいっぱいです。

――オーディションではオープニング曲とエンディング曲の両方を歌われたんですか?

吉武 そうですね。毎年、実際に歌う楽曲でオーディションをしています。

――石井さんは初オーディションで大役を射止めましたが、最初に合格の知らせを聞いたときは?

石井 本当に驚きでした。主題歌を歌うこと自体が初めての経験なので。でも、私は小さい頃から『プリキュア』シリーズが大好きで、プリキュアから色々なことを教わりながら育ってきたので、聴いてくださる皆さんの心に一生残るような歌を歌いたい、と決意した瞬間でもありました。

吉武千颯

吉武千颯

――石井さんと一緒にエンディング主題歌「ヒロガリズム」を歌う吉武さんはいかがでしたか?

吉武 私もとても嬉しかったです。『プリキュア』シリーズは20年も続いている大きな作品で、そんな作品に携わらせていただけていることは自分でもびっくりですし、本当に幸せだと毎年思います。それに、これまでの4年間、ボーカルアルバムを含めると(北川)理恵さんやMachicoさん、宮本(佳那子)さんなどたくさんの方々とデュエットさせていただいたので、今回は「今まで感じてきたことを繋いでいこう」「今度は私が引っ張っていけるように頑張ろう」という気持ちでした。しかも、シリーズ20周年という大きな節目でもありましたので、これまでを振り返りながら挑んだレコーディングでもありましたね。

――レコーディングで印象に残っていることについておしえてください。

石井 オープニング主題歌の「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」は、かわいらしさを含みつつも、力強さや爽快感がとてもある楽曲なので、井上プロデューサーから「歌い出しの“天高く羽ばたいて”の部分はフルパワーでいきましょう」とディレクションしていただいて、元気よく歌わせていただきました。逆にAメロやBメロは「女の子らしい透明感」を意識するように指示をいただいたのですが、それが私にはとてもイメージしやすくて。意識して歌うだけでこんなにも曲の雰囲気を変えられることを実感できて、とても勉強になりました。

吉武 「ヒロガリズム」は、レコーディングの日があみちゃんとの初対面だったんです。そのとき、「これから一緒に歩んでいくんだ」と嬉しくなりましたし、レコーディング前に直接お話できたことで、どんな歌にしていきたいか、イメージがすごく膨らみました。それと最初に「ヒロガリズム」を聴いたとき、虹が繋がっていくイメージが浮かんだので、『ひろプリ』のモチーフになっている「空」が日本だけではなく世界にも広がっていることも重ねて、歌を通してどこまでも繋がっていく喜びを歌に込められたら、と思いました。無限の可能性を感じられるように、という気持ちでレコーディングに挑んでいました。

――2人で歌うことでの発見は何かありましたか?

石井 吉武さんの歌声には包み込んでくれるような温かさがあるんです。歌詞でも、吉武さんに「おいで」と言ってもらっているような、温かい部分があるので、私は「うん、行くよ」とついていくような気持ちで、実際に隣り合って会話しているような感覚があったのが印象的でした。なので、聴いている方にもそれが伝わったら、と思いながら歌わせていただきました。

吉武 私も同じく、隣り合って歌っているように、というのはすごく意識しました。でも、「2人で歌い方を合わせる必要はなくて、それぞれの個性が重なり合うことを大切にしてほしい」というディレクションをいただいたので、自分が思うことや感じたことを2人で歌うことでもっと大きくする、というところを意識しました。そこは私にとって大きかったです。

――石井さんはデュエット自体も初めてだったかと思いますが。

石井 そうなんです。なので吉武さんからはたくさん学ばせていただいて。

――例えば、どういったところが?

吉武 一緒にいるときに聞くのは恥ずかしいな(笑)。

石井 (笑)。何を伝えたいかが一瞬でわかるような表現力に心を打たれましたし、そこに自分もついていけるように頑張ろうという気持ちになりました。それに、『プリキュア』シリーズは性格の違う子たちがお友達になって、友情をパワーに変えていく作品だと思うので、私も吉武さんとの友情を歌のパワーに変えて、みんなに届けられたら、と思いました。

――吉武さんが、石井さんの歌を聴いて感じたところというと?

吉武 最初に感じたのはギャップでした。私もオーディションで「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」を歌ってすごくキーの高い曲だとわかっていたので、「この曲を歌いこなせるなんてどんな人だろう」と思っていたんです。でも、あみちゃんの歌を聴いたとき、声質はかわいいのに歌うとプリキュアと同じような強さがあって、しかも色々な色が足されていくようなイメージを持ちました。

――よければ、子供たちが「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」と「ヒロガリズム」を歌うときのアドバイスをいただけますか?

石井 「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」はとにかくキーが高くて、音の上下の幅もすごくあるので、音を取るのがとても難しいと思います。特にサビの“イライラも キラキラに”……。

石井吉武 “チェンジして”!

吉武 この部分は本当に難しいよね。

石井 私自身、たくさん練習した箇所でした。私は障害物競争をしているようなイメージで、音が上がるところでは「次は跳ぶ」、下がるところは「次は網をくぐる」という感じで1つ1つ準備しながら歌うようにしました。

吉武 そうなんだ! イメージしやすいし、楽しいね。「ヒロガリズム」はワクワクした気持ちをそのまま歌に込めていただけると楽しく歌えると思います。『ひろプリ』を観ていて感じる気持ちや、普段の嬉しい気持ちを思い浮かべてもらえたら。私自身、これまでのイベントやライブの思い出が頭の中に1つずつスクリーンショットされているのですが、それらを思い浮かべながら歌わせていただいています。

石井 「ヒロガリズム」は、楽器もたくさん使われていて賑やかな雰囲気で、1人ではなくみんなで歌っているような印象が強いんです。しかもデュエット曲なので、プリキュアのみんなが仲良くしているイメージを浮かべながら歌っていて。あと、多分ですが、吉武さんと私の声は少し似ていて……。

吉武 うん。私もそう思う。

石井 それもあって、どういう声質で合わせたら「お友達感」や賑やかさが出るかをすごく意識していたんです。なので子供たちには、お友達との輪がどんどん広がっていくイメージで楽しく歌って踊ってもらえたら、それが1番だと思います。

プリキュアに対する愛、先輩シンガーに対する愛

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