豊崎愛生が『この素晴らしい世界に爆焔を！』EDテーマに込めた“ゆんゆんらしさ”――『このすば』の魅力とめぐみんとゆんゆんの「勇気」について語る！

『この素晴らしい世界に祝福を！』（以下、『このすば』）のスピンオフ作品『この素晴らしい世界に爆焔を！』が2023年4月よりスタート！そして、めぐみん（CV：高橋李依）とゆんゆん（CV：豊崎愛生）が歌うEDテーマ「JUMP IN」が、2023年4月26日（水）にリリースされる。本稿では、豊崎愛生に、TVアニメの放送前、レコーディング現場にて、作品のこと、そして「JUMP IN」を歌った感想を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 塚越淳一

▼高橋李依『この素晴らしい世界に爆焔を！』EDテーマ「JUMP IN」インタビューはこちら

――『この素晴らしい世界に爆焔を！』の制作が決まったときは、どんな気持ちでしたか？

豊崎愛生　すごく嬉しかったです。そもそも紅魔の里を舞台にした映画「この素晴らしい世界に祝福を！紅伝説」があり、そこでゆんゆんも『このすば』のパーティメンバーと一緒に戦ったりめぐみんと力を合わせていたので、結構達成感もあって油断していて（笑）。だから『爆焔』をTVアニメシリーズで、と聞いたときは驚きました。しかもその先に『この素晴らしい世界に祝福を！3』も待っているという話だったので、皆さんの応援のおかげだなと思って、すごく嬉しく思いました。これからも、しっかり作品を通して感謝を伝えていきたいですね。

――めぐみんとゆんゆんの関係が好きな人は多いですからね。

豊崎　元々めぐみんが人気キャラクターで、皆さんはめぐみんの活躍を楽しみにしていると思うんです。しかも今回は『このすば』のパーティに入る前の紅魔の里にいるときの話になるので、時間軸的には遡るんです。だから、めぐみんが好きな方には、よりめぐみんを深く知っていただけるし、原作ファンの方はアニメになって動き始める『爆焔』のストーリーを楽しんでもらえると思います。

豊崎愛生

――2人の過去がわかるんですね。

豊崎　そうですね。『このすば』シリーズでもずっと絡んではいたんですけど、今回のアニメでは二人の関係性の始まりからしっかり描いていただいているので、どうしてあんなにゆんゆんがめぐみんに固執して勝負をしていたのかがわかると思います。ライバルとして登場していたけど、ライバルってどういう存在なのか、2人の間では一言も言っていなかったので、そこを描いていただけるのは嬉しいし、楽しんでもらいたいですね。

――映画で、めぐみんが爆裂魔法を習得するためにゆんゆんが何をしたのか、少し描かれていましたよね？

豊崎　そこがもっと詳しく、どういう状況で、どうしてそういうことになったのかが描かれるんですよ。そこは私もすごく好きなシーンで、めぐみんってずっとゆんゆんのことを鬱陶しがっているように見えるんですけど、2人の間には絆みたいなものが確かにあるんですよね。なので、そこはTVアニメの見どころになると思います！

――答え合わせする感じになりそうですね。だからあんなに勝負していたのか！って。

豊崎　めぐみんがなぜ爆裂魔法を使っているのかは物語の核となるところですよね。なぜめぐみんがちょむすけを連れているのか、なぜあんなに使い勝手が悪い爆裂魔法にこだわっているのかがわかるというか。友情とか青春も詰まっているけれど、めぐみんのロマンや夢もしっかり入った作品だと思っています。

それに、今回は紅魔族の子供たちが通う学校・レッドプリズンでストーリーが進んでいくので、何となく名前が出てきていた紅魔の里の友達が主要キャラとしてガッツリ登場するんです。あと、こめっこちゃんとか、映画ではかっこよかった里の皆さんも、実はこんなヤツだったんだ！みたいなシーンもたくさんあるので、紅魔族のことをより好きになっていただけるんじゃないかなと。

――かなり熱苦しいことになりそうですが（笑）。

豊崎　でも学園の同級生は女の子ばかりで、すごくかわいいんですよ！『このすば』にはないギャグ感、学生ならではの悩み事なんかも描かれるから、キラキラも詰まっています。

――そしてアニメのEDテーマ「JUMP IN」は、めぐみんと一緒に歌っていますね。

豊崎　嬉しかったし、びっくりしました。以前「Red Battle」という曲でめぐみんと一緒に歌ったことがあるんですけど、そのときはラップバトルのような感じで、バトルベースだったんです。でも今回は、同じようなラップでも、2人で歌って掛け合っているような感じもあるから、全然違う柔らかなテンションなんですよね。歌いながら、新しいゆんゆんとめぐみんの姿が想像できて嬉しかったです。

――豊崎さん的には結構好みの音楽性なのかなと思いました。

豊崎　『このすば』は、ハンバートハンバートの佐藤良成さんがEDテーマを書いてくださったり、よく聴いていたアーティストさんが曲を手掛けていることが多かったんです。だから私もゆんゆんみたいに、傍から「いいな、楽しそうだな～」と思いながら、見ていたんです（笑）。だからこそ、EDテーマを歌わせていただくことは楽しみでした。

――今回は、作詞・作曲をシンガーソングライターのYeYeさんが担当されています。楽曲を聴いた印象を教えてください。

豊崎　『このすば』のEDテーマってほっこりするというか、安心するような印象があるんです。今回は、めぐみんとゆんゆんが歌うということで、2人のキャラクターを想像しながら聴いていただける曲だなと思いました。すごくゆんゆんに合っているし、ゆんゆんのセリフみたいな歌詞なんですよね。それこそ“勇気を出す”という歌詞を、おまじないのように何度も繰り返し歌っていたりするし、コーラスの“Ha~ Ha~”のところとかも、ゆんゆんが1人で「は～あ」って溜息を付いている感じに通じるので、独り言をそのまま歌にしてもらえたような感じでした。

――“勇気を出す”は印象的でしたね。

豊崎　繰り返したくさん出てくるんですけど、色んな意味の「勇気」に受け取れるなと思ったんです。ゆんゆんの性格的に、めぐみんに声を掛けることすらものすごく勇気がいるんですよね。隣の席なのにも関わらずめぐみんに声を掛けるのに緊張していたり、ドギマギしていたりするので、「勇気」を連呼しているところはすごくゆんゆんらしいんです。

逆にめぐみんの立場での勇気って何だろうと考えたときには、憧れの爆裂魔法を放つバトルの部分だったり、誰かを守るという部分での勇気が似合うと思って。本当に色んな意味での勇気が当てはまりますよね。そういう意味では、キャラソンでもあり『爆焔』のEDテーマではあるけれど、色んな方が共感したり、元気をもらえるような歌なのかなと思います。

――ちなみに、「ゆんゆんで歌う」のは難しいですか？

豊崎　『爆焔』の世界観が想像できる歌詞だったので、そこはすんなりいけました。楽曲のテンション感とか、曲調に合わせつつのラップなので、旋律がなく呟くように歌っているんです。なので、そんなところからもゆんゆんを感じてもらえたらなと思っています。

――監督からは「キャラは意識しすぎないでいい」という指示もあったようですが、やっぱり意識しますよね。

豊崎　そうですね（笑）。やっぱりめぐみんと一緒に歌うということは、キャラクターを通してでないとできないことだったりするので、アフレコでゆんゆんを演じるときと同じように、彼女の心情をしっかり掬い取ってゆんゆんの気持ちを歌えたらいいなと思いました。

――余韻が残る感じで終わるのもすごく良かったです。

豊崎　“勇気を出す　勇気を出す　先には”と歌っているけど、絶対に声を掛けられないのがゆんゆんなんですよね（笑）。これだけ自分の中で勇気を出せ！頑張れ私！って唱えるのに、結局声は掛けられないのが彼女なので、その感じが出ているなぁと思いました。

――レコーディングを終えて、いかがですか？

豊崎　私が先の収録だったので、ここにめぐみんの声がどう合わさるのか、すごく楽しみです。前はバトルという感じだったけれど、今回はユニゾンもあるし曲調も優しい感じなので、今回のアニメで描かれる少しずつ仲良くなっていく感じが、歌からも感じられたんですよね。だから、不器用な2人にピッタリの曲だなって思いながら、楽しくレコーディングすることができましたし、ラップも普段は歌わないからドキドキしていましたけど、それほど引っかかることもなく終えることができました。。

――すごくスムーズな収録だったと思います。では最後に、放送を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします。

豊崎　ギャグのテイストとか、見たあとに元気になる感じとか、そういう『このすば』が持っていた魅力は引き継ぎつつも、めぐみんが主人公のスピンオフ作品『この素晴らしい世界に爆焔を!』。紅魔族の女の子がたくさん出てくるところも新鮮だと思います！少しずつめぐみんとゆんゆんが関係性が築かれていき、仲良くなっていく様子は演じていても楽しかったですし、客観的に見てもかわいらしくて癒やされました。

お互いとっても不器用で素直になれないから、見ていると「何でそんなこと言っちゃうんだよ！」ってシーンがたくさんあると思うんですけど、少しずつみんなが仲良くなっていく感じが心温まるし、笑えるんです。キュンとする展開もたくさんあるので、温かい気持ちになってください。そして、ゆんゆんとめぐみんは本当の友達同士なのか、皆さんに確かめてもらいたいです！