INTERVIEW
2023.03.02
――そして3月15日にはシングルをリリース。GRANRODEO feat.小野賢章「ゼロステップ」は、TVアニメ版だけでも「Can Do」~「メモリーズ」まで6曲、『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』の「Glorious days」を合わせて合計7曲の主題歌提供を続けていた『黒子のバスケ』のアニメ10周年記念アニバーサリーソングです。
KISHOW これはもう、じつにありがたい。
e-ZUKA 劇場版が2017年3月だったので、『黒バス』とGRANRODEOがコラボさせてもらうのも、ちょうど6年ぶりくらいになりますが、「ゼロステップ」の情報が出た時も原作ファンの皆さんが喜んでくれていたのが伝わりましたし。
KISHOW 僕は氷室辰也という役でも出演させていただいていましたし、いかに『黒バス』が根強い人気の作品なのかと感慨深く思うと同時に、そこに僕らの曲を求めていただけるのは、うれしいことですよ。GRANRODEOのキャリアにとっても「Can Do」を筆頭に、『黒バス』楽曲は今や僕らの代表曲ですからね。まぁ途中、「メモリーズ」の時はe-ZUKAさんがすごく曲をこねくり回しながら完成させてたなぁという思い出も、印象深く残っていますしね(笑)。
e-ZUKA あはは、そんなこともありましたっけ(笑)。でもそれ以外の曲は、スポーツアニメということもあって、世界観が分かりやすいですからね、意外とすんなり書けてた気はしますよ。
KISHOW あと、黒子曲に関しては、僕がバスケットボールがもともと好きだというのも、良かったんですよ。作詞の際にもパッションやエナジーを、より注げたので。
e-ZUKA たしかにKISHOWの言う通りで、GRANRODEOの歴史は、明らかに2012年の「Can Do」以前、以降で分かれますからね。
KISHOW それより前、2010年にワンマンライブ“G5 ROCK★SHOW”を日本武道館でやれたことも節目ですけど、その後を『黒バス』の曲たちに方向づけてもらえた感じはありますよね。あえて言わせてもらうなら、『黒子のバスケ』がGRANRODEOにとっての「ゼロステップ」だったんだな、と。そこから、僕らの第2章的なものを加速度を付けてスタートできたんで。
e-ZUKA おぉっ!(笑) 曲と繋がった。
KISHOW いや、今ふと思い付いただけなんだけどね(笑)。
――そもそも「ゼロステップ」は、FIBA(国際バスケットボール連盟)やJBA(日本バスケットボール連盟)が5年ほど前あたりから採用した、トラベリングに関する新ルール、新しい概念ですよね? “ボールをキャッチするのと同時に踏んだ足は0歩目(ゼロステップ)として数える”ようになり、トラベリングの反則を取られるまでのステップを、1歩多く使える。選手同士の駆け引きが豊かになり、よりスピーディーに展開できるようになったとか。
KISHOW お、勉強しちゃいました?(笑)
――はい(笑)。それ以降、KISHOWさんが大好きなNBAでは、ユーロステップやステップバックショットなど、ゼロステップを活用したオフェンスパターンが浸透したそうで。
KISHOW そうそう。ゼロステップは、NBAのPhiladelphia 76ers(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のジェームズ・ハーデン選手のプレイが発端で、そこから国際ルールへと波及したと記憶してるんだけどね。
e-ZUKA ほう……今ちゃんと把握しました、バスケの専門用語だと(笑)。僕はタイトルをKISHOWから聞いた時、10周年を機に原点回帰するような意味で、ワンステップより前のゼロステップという言葉を選んだのかと思ってました(苦笑)。
KISHOW そう捉えてもらっても全然OK。確かに『黒バス』サイドからも、今回のアニバーサリーソングは“原点回帰”的なキーワードをもらっていたとe-ZUKAさんも言ってたし。
e-ZUKA ルールを知ると、さっきの『黒子のバスケ』がGRANRODEOにとっての「ゼロステップ」だったというのも、なおさら納得だな。
『黒子のバスケ』とGRANRODEOらしさを全開に!
――『黒子のバスケ』の制作チームからは、具体的にはどういうオーダーがあったんですか?
e-ZUKA いや、まさに今言った通り、原点に立ち返って、「Can Do」のイメージのスポーティーな楽曲がいいというのと、黒子テツヤ役の小野賢章くんのボーカルをフィーチャーするという話はまずありました。なので僕の感覚としては、GRANRODEOの曲ではあるけれども、キャラソンとまではいかなくても、完全にアニバーサリーソング、“『黒バス』の曲”として作ろうと思いました。なので、ヘンなプレッシャーは逆に全くなかったですよね。
――プレッシャー?
e-ZUKA GRANRODEOの完全新曲です!ということだと、今までやってこなかった新しい要素だったり、「あー、こう来たか!」と、いい意味で聴き手を裏切るフックやチャレンジを盛りこまなくちゃいけないんですよ、やっぱり。でも「ゼロステップ」の役割は、まずは作品のファンの人達に喜んでもらうこと。この10年間を懐かしく振り返って、「『黒子のバスケ』ってこれだよね!」と言ってもらえる曲にしたかったので、メロディーやトラックも原点回帰した「Can Do」っぽさ、アメリカン・ハードロック感を、あえて表に出しました。
KISHOW イントロからもう「Can Do」っぽいもんね(笑)。
e-ZUKA そう。「Can Do」のイントロのギターのリフは、メロが下から上に音が上がっていく感じですけど、「ゼロステップ」は逆に上から下に音が下がっていく感じにしたとか。そういうセルフオマージュ的な要素は、随所に盛りこませてもらってますね。
KISHOW だからね、去年第一報としてYouTubeで「ゼロステップ」の新作アニメ映像によるMVというのが公開された時もそうだったし、ラジオとかでかけてもらってからもそうだけど……。
e-ZUKA 初めて聴いた曲なのに、みんな「懐かしい」「GRANRODEOらしい」と言ってくれますよね。
KISHOW そうそう。僕も同じような経験があるのよ。2000年にサザンオールスターズが「TSUNAMI」を出したじゃない? 完全新曲だけど、サザンらしさが全開で、最初から懐かしさを覚えた。「ゼロステップ」もそういう曲なんだと思ったんですね。僕らもデビューから18年ほどになるけど、GRANRODEOブランド、『黒子のバスケ』ブランドという“らしさ”を、皆さんに知ってもらえているし、皆さんの中にちゃんと存在してるんだなと。「初めて聴いた気がしない」という感想をもらった時、サザンの「TSUNAMI」を思い出して、胸が熱くなりましたよね。
――KISHOWさんの歌詞のほうで、意識したことは?
KISHOW サビの頭に全てが集約されてますよね。〈ゼロステップなスローモーション 一歩目の大切は〉という。10年経った今だからこそ、初心に戻ってかけられる言葉というのかな。僕らが『黒バス』に提供してきた曲に登場するいろんなワードも入れましたし、原点回帰という意味でコーラスに僕らのデビュー曲の「Go For It!」というフレーズを忍ばせてもいます(笑)。とにかく、「Can Do」再び!は意識しつつ、同じようにみんなに前向きになってもらえる『黒バス』曲を目指しました。歌詞も多分ね、初めて聴いた気がしない感じになってるんじゃないかな(笑)。
――ちなみにGRANRODEOの楽曲で、KISHOWさんとどなたかがデュエットするのも初めてですよね?
e-ZUKA そうですね。FLOW×GRANRODEOで3人ボーカルというのはありましたけど、GRANRODEO名義の曲では初ですよね。小野賢章さんとは、アニサマ(「Animelo Summer Live 2015 -THE GATE-」)で、僕らの「変幻自在のマジカルスター」をコラボしたことはありましたけど。
KISHOW 懐かしいな。まぁ、曲を作ったのがGRANRODEOなんで、“feat.小野賢章”という書き方にはなってますけど、『黒バス』視点からいうと賢章がメインであってほしいと思ったので、キーも彼に合わせてe-ZUKAさんが書いてくれたし、僕はサポート役に回る感覚で歌わせてもらう気持ちで。だから、本当はもっと、賢章が歌うパートが多くて全然良かったんですけどね。
――KISHOWさんと賢章さんの歌い分けも、掛け合いをしている感じで楽しいですよね。
e-ZUKA 僕がレコーディング当日に、掛け合いを多くしちゃったんです。一緒に歌って、お互いソロがあって、また一緒に歌って、みたいなほうが、聴いてても楽しいじゃないですか。
KISHOW それが良かったよね、こう……お互いの個性がチーム感みたいなものを醸し出して。
e-ZUKA そう、とくにAメロの後半の〈泣きそうなんです 僕はまだ やれそうなんです もう少し〉のKISHOWと賢章さんの掛け合いは、さっきの“Rodeo Note”じゃないけど、セッション的にしたかったんですよ。二人の後ろでギターでリフを鳴らしてるんですけど、君たち2人だけじゃないんだよ、僕も一緒にギター弾いてるんだよ! 俺たち仲間じゃん!とね(笑)。
KISHOW なんか、すごくいい話っぽいぞ!(笑)
――賢章さんのレコーディングは、e-ZUKAさんがディレクションされたそうですが、いかがでした?
e-ZUKA やっぱりね、声優さんだけあって、いい声ですよね。KISHOWと比べると可愛いらしい感じなのも、二人が合うといい感じにミックスされますし。基本的には賢章さんの感覚を大事に歌ってもらったんですけど、2ヵ所くらいだったかな? どうしても歌い直したいと、こだわっていたのが印象的ですね。
KISHOW ボーカルレコーディングは別々だったので、僕も後から賢章の歌を聴いたんだけど、今回、GRANRODEO盤という方には、僕が全部を歌った「ゼロステップ -GRANRODEO ver.-」というのがカップリングされるんですけど……逆にね、全編を賢章が歌ってる“小野賢章ver.”も聴きたかったな。
e-ZUKA それでいうと、他の声優さんにも、それぞれのキャラクターで「ゼロステップ」を歌ってもらえたら楽しいでしょうけどね。
KISHOW それはいいな。あとキセキの世代の6人全員で歌う「ゼロステップ」とかね。テーマソングっぽくていいじゃない。きっと売れます!(笑)。
――そして間もなくやってくる3月11日、東京・日本武道館にて、2023年のワンマンライブ第一弾となる「GRANRODEO LIVE 2023 “Rodeo Jet Coaster”」が開催されます。このライブは、なんと全曲アニメタイアップのセットリストだという、豪華な内容が既に発表済みです。
e-ZUKA 2021年に僕ら、”Rodeo Coaster”というワンマン2daysをやりまして、そのうちの1日が、アニメタイアップを中心にしたシングルリードナンバーで構成したんです。で、今回はその”Rodeo Coaster”をさらにパワーアップして、僕らのアニメタイアップ曲32曲を全部やっちゃおう!という。だから、”Rodeo Coaster”に “Jet”を付けて、”Rodeo Jet Coaster”と名付けました。
KISHOW まだ誰もやったことのない、全曲アニメタイアップ!(笑)
e-ZUKA ま、FLOWがやってますけどね、“アニメ縛り”というのを(笑)。
KISHOW そのFLOWも、ゲストに呼んでますから、恨みっこなしな感じですよ(笑)。
――ということは、全32曲の中には、FLOW×GRANRODEO名義で『七つの大罪』の主題歌を歌った2曲も盛りこまれる?
e-ZUKA いや~、それはどうかな!(笑)
――具体的なセットリストがどうなるかにも期待ですね。32曲って相当ハードですよ?
e-ZUKA そうなんですよね。タイアップ曲だけに全曲が強い曲ばかりですし、曲を並べてみたら、バラードっていうのがほとんどないんですよ。
KISHOW 気が抜けないよね。
e-ZUKA まさに体力と気力の勝負であることは確かなので、そのあたりは、上手いこと工夫してお届けできたらなと。
――武道館ワンマン自体も、“G12 ROCK☆SHOW”以来、約5年半ぶりですしね。
KISHOW そうそう。僕らの周年祭であるGナンバリングライブも、出発点は日本武道館だったし、ワンマンでもイベントライブでも何度も立ってきた会場ではあるけど、やっぱりね、武道館はロックバンドにとって特別な場所だから。そこで記念碑的なワンマンをやれる喜びというのを、噛み締めたいですよね。
e-ZUKA 皆さんがご存じの曲もたくさんやりますから、GRANRODEOのライブを観たことがないという方にもオススメです。お誘い合わせの上、ぜひ遊びに来てください!
●リリース情報
『GRANRODEO Live Session“Rodeo Note” vol.2』
2月22日発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
【初回限定盤(CD+BD)】
品番:LACA-39952〜3
価格:¥4,950(税込)
【通常盤】
品番:LACA-9952〜3
価格:¥3,300(税込)
<CD>
[Disc 1]
01. アサメシマエのヤサシイセカイ
02. JUNK-YARD DOG
03. CRACK STAR FLASH
04. 慟哭ノ⾬
05. Rain Beat
06. サヨナラ
07. Missing
08. フォルテ
[Disc 2]
01. オレンジピール
02. phoenix
03. Passion
04. ハナミズキ
05. スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)
06. Soul crazy
07. Treasure Pleasure
08. welcome to THE WORLD
<Blu-ray>
ライブ映像
『黒子のバスケ』アニメ10周年記念アニバーサリーソング
「ゼロステップ」GRANRODEO feat.小野賢章
3月15日発売
【『黒子のバスケ』アニメ10th盤】
品番:LACM-34351
価格:¥3,520(税込)
ゼロステップアクリルフレーム封入
<CD>
1.ゼロステップ
2.ゼロステップ(OFF VOCAL)
【GRANRODEO盤】
品番:LACM-24351
価格:¥1,430(税込)
ゼロステップアクリルフレーム封入
<CD>
1.ゼロステップ
2.ゼロステップ-GRANRODEO ver.-
3.ゼロステップ(OFF VOCAL)
●ライブ情報
GRANRODEO LIVE 2023 “Rodeo Jet Coaster”
2023年3月11日(土)
会場:日本武道館
開場 16:00 / 開演 17:00
チケット料金:
全席指定 9,800円(税込)
※枚数制限:お一人様1公演につき4枚まで
チケット一般発売中!
≪一般発売情報≫ (チケットぴあ/イープラス/ローチケ)
受付期間:3月11日(土)16:59まで
お申込みはこちら
・ぴあ Pコード:231-776
・イープラス
・ローチケ Lコード:73794
GRANRODEOオフィシャルサイト
https://granrodeo.net/
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