INTERVIEW
2023.02.22
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、2月22日(水)に2ndフルアルバム『DIALOGUE+2』をリリース。1stフルアルバム以降のシングル表題曲はもちろん、DIALOGUE+らしさ溢れる爆速アッパーチューンであるリード曲「絶景絶好スーパーデイ!!」をはじめ、粒揃いの新曲も多数詰まった超濃厚なアルバムに仕上がった。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーとDIALOGUE+総合プロデューサーを務める田淵智也の対談インタビューを全4回にわたってお届け。今回は内山悠里菜・宮原颯希の2人との対談。アルバム制作や前作以降の1年半の振り返りはもちろん、未来を見据えた話題も登場。恐らく最速(?)の、3rdアルバムにまつわる話も必読だ!
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INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――『DIALOGUE+1』のリリースから1年半。あっという間の2ndアルバムですね。
田淵智也 そうですね。特にこの1年は「彼女たちって、それぞれ何を考えてるんだっけ?」というのをより知ろうとして色んな発見があった1年だった印象です。どうすれば「ライブもレコーディングも頑張る」というクリエイティブな姿勢を維持したまま、1人1人精神的にも健やかに活動できるのか。これまでそれをちゃんと知ろうとしていなかったな……とすごく痛感して。そういう点にも責任を持って進んでいかないといけないなということをすごく考えた1年だったんですよ。そんななかで、2人とも色々話しているときに見つかることもありました。
――ということは、お二人から「こうしてみたい」と発信や相談してみたことも結構あった?
宮原颯希 ありました。ここ半年くらいでDIALOGUE+のチームが大きく変わったのですが、新しいことを感じさせないくらい、スタッフさんも含めた新しいチームにも信頼感が増した期間だったな……という感覚があります。それを通じて、特に「安心して話せる」と改めて感じられたことは、活動を続けるなかでもすごく大事で嬉しい出来事でしたね。
田淵 宮原さんは、「居心地の良い私」というものを本人が探して、ちゃんとそこを見つけてくれたということがすごく大きな成長だなと、僕は思っています。僕とかファンの頭にある宮原さんの立ち位置が必ずしも正解じゃないよな……と考えたとき、そういえば「宮原さんってどの立ち位置が一番安心するんだろう?」ということを聞いていなかったなと気づいて(笑)。それを知ろうとしたなかで、彼女が目指すところを少し変えたように感じたんですよね。宮原さんは目標だったり仕事として目指すべきところが見えるとそこに向かってすごく頑張れる人なので、その対話のなかで自分が目指すものだったりが何か見つかっていたなら良かったな……と感じたことを、今思い出しました。
内山悠里菜 そういう意味だと、私も「言ってもいいんだ」と思ったことはすごくありましたね。これまでは、与えられたことを自分の中だけで完結していたような感覚が強かったんですけど、「自分はこういうやり方がいい」と伝えられるようになったというか……これまでは結構切羽詰まりながら進んできた感じがあったんですけど、最近では自分に優しくなれる機会が増えたような気がします。ちゃんとお話することで、やり方を提案してくれたりするチームの皆さんや仲間のみんながいるということが、すごく安心できるなって改めて感じました。
田淵 今話してくれたように、内山さんは「自分を知る」ということができてきたのかなと思っていて。僕たちが叶えなければいけないのは「良い音楽をやる」ということだから、それが結果的に達成できるなら自分のできないことや苦手なものを見つけたら違うやり方で山の頂上を目指せばいいよねというお話をしました。
――ということはこの『DIALOGUE+2』のレコーディングでも、そういったことを通じた変化はあったんでしょうか?
宮原 そうですね。やり方の変化を感じたのは、1日に録る曲数を個人によって変えてもらえるようになったことでしょうか?今までは、例えば「この日、2曲録ります」と全員決まっていたところが、「1日1曲にしたほうがクオリティが上がるなら、1曲にしましょう」というお話をしてもらえて。メンバーごとに合ったやり方ができるようになったなと思いました。
田淵 繰り返しになりますけど、僕がプロデューサーとして就いている限り絶対に見失ってはいけないのは「音楽がちゃんと誇り高いものであること」であり「しっかりライブがかっこいいこと」。それを実現できれば、やり方ってなんでもいいんです。時代的にも“自分らしく生きる”ということが僕はとても大事だと考えていますし、でもそれは人それぞれ違うので、自分自身でやり方を見つけないといけないんですよね。だから今は、1人1人にとってやりやすい形を提案しながら「クオリティの高い音楽とかっこいいライブは必ず維持する」という方向に向かって歩き出した、何歩目かの段階。でもそのトライが少しでも、彼女たちの健やかさに繋がっていればと思います。
――そういった成長も経て完成した『DIALOGUE+2』の、リード曲になっているのは「絶景絶好スーパーデイ!!」です。
田淵 この曲は瀬名(航)くんと一緒に作っているときから、アルバムの象徴的なナンバーを目指していました。それで「彼女たちのストーリーを反映するなら、自分が書いたほうがいいかな」と思って……たしか『DIALOGUE+1』が出る前後くらいに作っていた覚えがあります。
――そのなかで、この曲として目指したかったものはなんでしたか?
田淵 2ndアルバムを象徴するように、「一歩進んだ私たち」というものを表現できたら、という考えもありまして。歌詞の中で“桜の路地はもう見えない”というフレーズが表しているように、昔いたところから一歩先に進んでいる景色になっていればいいなというイメージでした。正直、それを1stアルバムが出た直後の彼女たちに実現できるかどうかって、その当時は一か八かみたいなところもあったんですよ。出来上がった音源を聴くと、声がしっかり大人になっている感じに仕上がっていて。1年後の作品を見越して書いたことが、上手くハマって良かったなと思いましたね。
宮原 だから、この曲を録ったのも結構前だったんですよね?
田淵 去年の4月とか5月とかだっけ。
――時系列があやふやになるくらい、前なんですね。
宮原 そうですね。でも初めて聴いたときに「DIALOGUE+らしいな」って思ったのは覚えてます。
内山 あ、同じかも!それは私も思った。
宮原 テンポも速くて元気だし、サビの「ス、ス、ス、スーパーデイ」という歌詞もキャッチーで。ログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)さんも好きでしょうし、ライブでも盛り上がるだろうなと思いました。ただレコーディングのときに、その「ス」の数を私が間違えて覚えていっちゃって(笑)。そこが体に馴染むのに一番時間がかかったんですけど、それも面白かったです。
内山 やっぱり私も……「難しかった」です(笑)。でも私は、音楽についての感覚みたいなものをあまり掴めているほうではないので、難しいことを気にするより「楽しくなくなっちゃうほうが嫌だな」みたいな気持ちが強くて。だからとにかく「楽しもう!」と、まずは曲から感じた楽しさや元気さに乗っかっていけたらな……と思いながら歌いました。
――このお二人のレコーディングのときのことで、覚えていることは何かありますか?
田淵 まず、この2人やこの曲に限らないことを前置きとして言うと、今回は僕が歌割りを考えるとき、昔よりも意図的にできるようになっているんですよ。オーディション箇所でも人を絞ったり、「ここはこの人が言ってそうだから、決め打ちでいこう」とか。それはこの曲の、この2人のソロパートについてもそうなんですよね。例えば宮原さんの、2-Bメロの“仲間って助け合うまで全部セットでしょ”というパートもそう。ここはリズムが急に変わるところなのですごく表現が難しいんですけど、ちゃんと包み込むようなお姉さん感も出ている。「宮原颯希はこんな表現もできるんですね」というのが、すごく印象的でしたね。本人が目指したいと心から思って進むところとしても、それを表す歌詞としても、すごく良いソロだったなぁと感じています。あと、その直前のうっちー(内山)の“ほっといたらダメだよ”も、メロディを聴いたときに「うっちーっぽいなぁ!」となったところがあって。
――どんなところで、そう感じましたか?
田淵 内山さんって文字を切るときに独特の切れ際があって、「ウッ」っていう成分が少し交じるんですよね。その個性のおかげで歌詞を書いている段階から「ここは内山だな」と思ったし、実際にも狙い通りの仕上がりになったと感じています。あと、レコーディングは全然関係ないですけど、MVでDメロの“本文より抜き出せ”で内山さんが抜き出されるのって最高ですよね(笑)。
――村上さんが抜き出すところですね(笑)。
田淵 そうそう。やっぱりリード曲なので、ダンスに関してもより人気のものになったらいいなという気持ちもあったので、そういう見たことのない振付が出たのはすごく面白くて……最初、ニヤッとしました(笑)。
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