INTERVIEW
2023.02.23
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、2月22日(水)に2ndフルアルバム『DIALOGUE+2』をリリース。リード曲であるDIALOGUE+らしさ溢れるアッパーチューン「絶景絶好スーパーデイ!!」をはじめ、個性豊かな新曲も多数収録された大充実のアルバムだ。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーとDIALOGUE+総合プロデューサーを務める田淵智也の対談インタビューを全4回にわたってお届け。今回は稗田寧々・飯塚麻結の2人との対談。冒頭、異例の展開から語られた成長の“答え合わせ”や、楽曲愛が止まらないアルバム収録曲の話など、今回も必読の内容に!
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INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まずは田淵さんに、『DIALOGUE+1』から約1年半の稗田さんと飯塚さんについて、成長を感じたところからお聞きしたいのですが……。
田淵智也 そうですねえ、この2人には単純に、最初に自分がどう成長したのかを先に本人に聞いてみようかな。
飯塚麻結 えぇー!
稗田寧々 革命じゃん!
田淵 「自分がここを頑張って、ここは成長できた」みたいなところについて教えてもらえたら嬉しいな。あとでちゃんと、種明かしはするので。
飯塚 そうですね……私はライブの表情についてですね。昔から「自分の見せ方がわかっててすごいね!」みたいに言ってもらっていましたけど、実は自分としては考えてやっている感じはあまりなかったんですよ。でも私自身アイドルを観るのがすごく好きで、ステージ上での視覚情報も大事だと感じていたので、この1年半の中で「こういう表情をしてみよう」みたいなチャレンジをやってみたんです。そこは昔のライブと比べて、成長はしているんじゃないでしょうか?逆に歌については、「上手くできてるかも!」と「音取れなくなってきたな」という波がずっとあって。それがだんだん斜めに上がっていってたらいいなぁ……とは思うんですけど(笑)。でも、昔の曲よりも今のほうが、少しは曲ごとの色みたいなものが出せるようになったような気はします。
稗田 私もまずは、ライブ中の表情は前よりは良くなったかもしれません。歌ってはいながらもお芝居みたいな気持ちもあるので、曲ごとにガラッと変わる雰囲気に表情を合わせて、ダークなときはダークに、柔らかい曲では柔らかく……みたいなことを、前よりは意識できるようになったかな?と思います。あと、成長と言っていいのかわからないんですけど、昔は「オーディションの箇所、全部やりたい!」みたいなタイプだった自分が、田淵さんがそうなるように振ってくださったのもあってか、『DIALOGUE+2』のレコーディングでは自分にハマりそうだと感じたところを選択して集中する……みたいなことが前よりできているようにも感じていまして。それは言い換えると、自分の強みだったり、曲調を前よりも理解できるようになっているのかもしれないですね。
田淵 なるほど!ありがとう。直接聞けて良かったです。ほかのメンバーにも言ったんだけど、去年の僕は1人1人をちゃんと見て、向いていること・苦手意識があることを話し合い、理解したうえで、その人に合った育て方をしなければということを考え続けた1年だったんです。ただ、稗田さんと飯塚さんに関してはパフォーマンスにものすごく信頼感があるし、心配しなくても一生懸命頑張って勝手に伸びてくれるところにも信頼を置いているぶん、それを聞き出すことを後回しにしてしまっているようで申し訳なく思っていました。
――だから、この機会を使っていただくような形で。
田淵 ただ、今「自分がこれを頑張って、ここが伸びた」と言ってくれたことが僕的にはすごく助かっていて。それを自分で考えて実行して「これは私の武器なんだ」と振り返って考えることは、表現をする人にとって必須中の必須のことなので、それを考えてやってくれているから安心して任せられるんだなぁ……という答え合わせができた気がしてとても嬉しいし、ほっとしています。とはいえ、今僕はDIALOGUE+に対して、モチベーションのコントロールとメンタルの維持についてはしっかり面倒をみたいと思っているので、それは今後も油断せず頑張っていきます。
――では、今度は田淵さんからみたお二人の成長をお聞かせいただけますか?
田淵 ライブについては本人たちが言った通り、お客さんを喜ばせたり自分が良い意味で目立つためのことを自分で考えて実行するようになったということですよね。それが、頼もしさを感じる理由の1つだと思います。しかも去年のライブ“puzzle”を観ているなかで、元々パフォーマンス力の高い2人に対して、他のメンバーが上手くなって並び立つというよりかは、2人も同じ幅で成長しているように感じたんです。それってすごく面白いことですよね。
稗田 おー……。
田淵 そのなかでまず飯塚さんに関しては、僕はなんとなく苦手そうなキーはわかっていて。別に無理をさせるつもりはないので歌割りも調整しながらやっているんですけど、さっき言っていた「上手くいくときがある」という打率が超高くなってきているのは、多分自分がトライしながらやっているからなんでしょうね。これはライブとレコーディング、両方に通じることなんですけど。で、稗田さんは「みんなの個性はこうだから、私はここ」というものを見つけられたことが、とても良いことだと思う。やっぱり負けん気根性が強くて、昔はみんな上手くなっているのを感じて「悔しい」って泣きべそみたいな感じで……。
稗田 ちょっともー、過去を引きずりすぎですよぉ(笑)。
飯塚 えー!そうだったの!?
稗田 「夏の花火と君と青」と「あたりまえだから」のときですよね(笑)。
田淵 そう。「みんな上手くて悔しい」と言っていたので、だからさっきの話を聞いてすごく胸が熱くなりました。
――そんなことも感じられた、『DIALOGUE+2』のリード曲「絶景絶好スーパーデイ!!」についてお聞きします。最初に曲を受け取ったときには、稗田さんと飯塚さんはどんな印象を受けましたか?
稗田 そうですね……「DIALOGUE+!」って感じ。
飯塚 それ(笑)。私も「DIALOGUE+って感じ!」と思いました。
稗田 歌詞とかもめっちゃDIALOGUE+っぽい、ザ・リード曲ですよね。今までにも前向きで明るい楽曲は歌ってきていたので、曲を聴いた段階からなんとなく「こういうふうに歌ったら、この曲に合うんじゃないかしら?」みたいなイメージもありました。
飯塚 私も勝手なイメージなんですけど、DIALOGUE+らしさと自分らしさを真っ直ぐ詰め込んだら完成するんじゃないかなと思っていたので、歌うときに悩んだ部分はあまりなかったです。
稗田 ただ、これもいつものことなんですけど(笑)、「高いなぁ」とは思っていた気がします。あとは2サビに「ス」がいっぱいあって、わかんなくなるときが……。
飯塚 あ、その「ス、ス、ス、ス、」みたいになってるところだけは悩みました。ただ、お気に入りのところもいっぱいありまして。特に1-AメロはFlowerの3人が歌っていて、1人ハモが入って4人になって、次はBirdの4人で同じように歌っていくので、聴き馴染みのある4人の声の混ざり方をしていて。すごく綺麗に聴こえて、好きなんですよ。
稗田 私は、Dメロの“めまぐるしいな世界”からが好きですね。Dメロは全部オーディションだったので、自分含めてどのメンバーがどこを担当するのかまったくわからなかったんですね。でも完成版を聴いたら、なんていうか……最適解を見せられたような気がして。1つ1つの短いフレーズの中でも、ちゃんと8人の“らしさ”が出ているなと思いました。
田淵 その“らしさ”が出ているのは、「この歌詞ってこの人が歌ってそう」みたいなものに合わせて歌割りを決めていったのが、結構大きいかもしれないね。飯塚さんの“靴紐もシャツの襟も チェックした、ビシッと”っていうフレーズは彼女のチーム内での立ち位置が見えるものだし、MV用のダンスも含めて「おっ、飯塚麻結っぽい!」と思えるような、良い歌割りだったように感じました。あと、稗田さんの“そりゃ怖いよ 怖いけど 人生ってそういうもんじゃない?”は歌詞にプラスして、ここが多分稗田さんの一番良いところの出るメロディラインでもあったんですよ。ここって、強めに歌ってもらうことで前後の人たちも輝くという割と大事なソロだったんですけど、そこを期待通りしっかりヒットを放ってくれた。この曲に関して言えば、2人に元々決めていた歌割りのところで頑張ってもらえたことが、僕としては良かったなと思っています。
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