INTERVIEW
2023.02.24
声優アーティストユニット・DIALOGUE+が、2月22日(水)に2ndフルアルバム『DIALOGUE+2』をリリース。リード曲であるDIALOGUE+らしさ溢れるアッパーチューン「絶景絶好スーパーデイ!!」をはじめ、個性豊かな新曲も多数収録された大充実のアルバムだ。
リスアニ!では本作のリリースを記念し、メンバーとDIALOGUE+総合プロデューサーを務める田淵智也の対談インタビューを全4回にわたってお届け。今回は守屋亨香・村上まなつの2人との対談。アルバムにまつわる話題はもちろん、田淵が感じた2人の成長や、今後歌ってみたい曲など、多岐にわたってたっぷり語ってもらった。
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INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――まずは『DIALOGUE+1』からの約1年半で、田淵さんがライブやレコーディング等を通じて、守屋さん・村上さんの成長を感じた部分からお話しいただけますでしょうか。
田淵智也 最初に、ほかのメンバーにも話していることを前置きとして話させてもらうと……ライブも歌も一生懸命やってきたなかで、みんな一定の成長はしていて。そのうえで、僕は去年はとにかく「1人1人が何を考えてるんだろう?」とか「どうやって導いてあげたら、伸びるんだろう?」みたいなことをすごく考えた1年で、おかげで知れたこともたくさんあったんです。そのなかで、まず守屋さんについて感じたことは、自分の歌の気持ち良いところというか「この歌い方だったら個性が出せるかも」ということを、かなり完璧に掴んだんじゃないかということ。僕が知る限り彼女の歌には武器が3つくらいあって、それを本人がちゃんと意識的に頑張ろうとしているんです。そういうふうに自分の歌に自信を持てるということって僕はすごいことだと思うし、特徴的な声という武器の使い方を本当に完璧に掴んだ1年だったように感じています。おかげで歌割りを考えるときにも歌っている画が想定しやすくなったし、困ったときに「ここは頼む!」みたいなところがしっかり作れるようになりました。
守屋亨香 ありがとうございます!私は自分の声質をマイナスに捉えてしまうことが多かったんですけど、それを田淵さんがすごく褒めてくださったことで、去年1年を通して自分の武器がわかってきたような部分もあったんですよ。だから、8人で歌うなかで、自分がみんなの力になれる部分はどこかな?とより考えて動けた1年だったように思っていまして。サビとかのソロ以外の8人みんなで歌うところでも、高音とかを活かしてみんなの支えになれたらと考えていました。
田淵 村上さんに関しては……僕が考えていることを深読みしようとしてくれるところをすごく勝手に頼りにしているところがあります。僕、「1人1人が自分で考えて自分で動き始めないと、多分良いチームにはならない」とずっと考えていまして、そのなかで村上さんは率先して「私にできることはこれなんじゃないか」ということを、歌だけではなくてパフォーマンスやライブの面でも掴もうとしてくれている印象をすごく感じた1年だったんです。それにはすごく助けられているし、そうやって自分で考えて何かをやって経験を得ることで、「じゃあ今度はこうしよう」と考えることがどんどん楽しくなってくると思う。その入口に、多分一番近い子なんですよね。
村上まなつ 嬉しい……!私、この1年で一番印象に残っているのが、最初の頃に田淵さんと面談をしたとき「歌声の高さやパワフルさをメンバー内で比較したとき、自分が今どんな位置にいると思いますか?」と聞かれたことで。そのとき、自分の認識と田淵さんの感じられていた位置にギャップがあったんですよ。私は元の声も低いから、高声よりもパワフルさが長所だと思っていたんですけど、田淵さんに高声を長所だと言ってもらえて……それからはライブで裏声に逃げていたような高音を地声で頑張ってみるようにしたりと、挑戦できた年になりました。しかも実際挑戦したら、そのライブのあとに田淵さんから「あそこ、すごく頑張ってたよね」みたいに言ってもらえたことがあって。「頑張ったらちゃんと見てくれるんだな」ということにも気づけて、すごく嬉しかったです。
――それがまた、さらなるやる気にも繋がった。
村上 繋がりました。「褒められちゃったから、次のライブも地声でいこうかなぁ?」みたいな……(笑)。
田淵 心強い(笑)。多分そういう自発的な挑戦みたいなことをしているからかな?僕、ステージにいる村上さんを目で追っちゃう瞬間がすごく増えてきたんですよ。それはライブでの動き方とか表情の配り方といった細かい所作に、それが表れているからなんだと思っています。
――そういった積み重ねを経ての『DIALOGUE+2』について、まずはリード曲「絶景絶好スーパーデイ!!」からお聞きしたいのですが。
守屋 私はいつも曲をもらったときって驚くことが多いんですけど、この曲も「あ、またすごいのがきたな…!」と感じて。でも、DIALOGUE+の良さがすごく出せる曲なんじゃないかなと思いましたね。ちょっと速いところがあってそこは難しかったんですけど、私は結構キー的には歌いやすかったので、割と作らずそのまま歌ったような感じがあって。歌っていてとても楽しかったです。
村上 ただ、歌詞の量が多いんですよね(笑)。
守屋 そう。文字数が多いんですよ。
村上 特に最初に曲を聴いたときに、2サビの「ス、ス、ス、ス」がわからなくて……(笑)。
守屋 私、仮歌何回も聴いて、「ス」の数を数えました(笑)。
村上 なんならグループのツールでも、みんなで「『ス』やばくない?」みたいな話をして盛り上がっていたくらい(笑)、ここは衝撃的でした。でも私たちがこんな衝撃を受けるんだから、初めて聴いたログっ子(※DIALOGUE+ファンの総称)の皆さんにとっても、きっとここが良いフックになるというか。
守屋 いやもう、驚いちゃうよね。
村上 だってここ、何回も聴きたくなっちゃいますもん。あと私、レコーディングのときに歌詞の横に表情を描くことを続けているんですけど、この曲に関しては最初から最後まで全部「(>▽<)」を描いていて。文字でも「笑顔で」と書いたくらい、楽しくて元気が出る曲だなと感じたので、とにかくはっちゃけて楽しもう!と思いました。
守屋 それに、結構色んな表情がある楽曲にもなっているので、1曲の中でころころ変わる表情を楽しめる曲でもあるかなと思っています。
――田淵さんは、お二人のレコーディングについて覚えてることってありますか?
田淵 やっぱり今本人も言ったように、守屋さんは得意そうなキーであるのと同時に、彼女が支えててくれないと全体がぐらぐらしちゃうだろうなと思っていました。だからとにかく守屋さんには、ハイテンションならハイテンションで常にその声質でいてもらいたいということを、全体を通して気をつけてもらったことをすごく記憶しています。あと、守屋さんって私の仮歌のファルセットの表現を真似するのが、多分メンバーの中で一番得意なんですよ。
守屋 そもそも私、仮歌の真似が得意なんです(笑)。
田淵 実はそれが、彼女の武器になっているところがあって。最初の頃から言ってましたけど、彼女のファルセットって独特の、「h」の子音が入るんです。それを味として持っているタイプのボーカリストだなと思っていたので、そこは「ちょっと『h』が入っても間違いじゃないから、とにかく自信を持っていこう」というのを、ずっとやり続けてきた記憶があります。あと村上さんに関しては、同じく瀬名 航くん作曲の「花咲く僕らのアンサーを」で“元気印代表”みたいなものの表現がすごく上手で。そこに彼女のシンボルみたいなものを僕は感じたので、この曲に関してもそういう村上さんが出てきてくれれば、頼もしくも明るくも見えるんじゃないかなと思って録っていましたね。
――受け持っている部分は違えども、お二人ともかなり大事なところを担っていた。
田淵 そうですね。たしかDメロは全部歌ってもらって、それで良いところを決めたんですけど、それも「もう村上さんはここだよね」とか「このラインを上手くいけるのは、守屋さんしかいないよね」と思っていたところがパーン!と予想通りハマったので、それを基準にほかの人たちを決めていったような記憶もあって。そこは、すごく頼もしかったです。
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