リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

INTERVIEW

2023.02.18

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第5回:この衝撃は“夢”じゃない!挑戦がもたらした新境地――Happy Around!×斎藤 滋・タノウエマモル・安藤紗々スペシャル対談

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第5回:この衝撃は“夢”じゃない!挑戦がもたらした新境地――Happy Around!×斎藤 滋・タノウエマモル・安藤紗々スペシャル対談

DJをテーマに、アニメ、ゲーム、ライブなど様々なメディアミックス展開を行うプロジェクト「D4DJ」。そのTVアニメ2期『D4DJ All Mix』が、2023年1月から放送をスタートした。個性豊かな音楽性と魅力を持った6ユニットの活躍が描かれる本アニメを、リスアニ!では連載企画「Diggin’『D4DJ All Mix』」として徹底特集!

連載第5回では、アニメ第6話においてエピソードとライブシーンを通じて衝撃を与えてくれた、高校生ユニット・Happy Around!(通称:ハピアラ)のキャストより、西尾夕香(愛本りんく役)、各務華梨(明石真秀役)と、同ユニットの音楽プロデューサーを務める斎藤 滋、音楽ディレクターのタノウエマモル、ボーカルディレクションにも携わる作詞家・安藤紗々の対談を敢行。第6話で披露された新曲「Look at me♡」の話題を含め、これまでの活動を存分に振り返ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

■連載一覧はこちら

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』――「D4DJ」TVアニメ第2期を徹底特集!

始まりから3年半、衝撃を与えられる存在へと成長したハピアラ

――楽曲のお話の前に、まずは斎藤さんをはじめ制作陣の方々に、これまでのハピアラの皆さんの変化や成長についてどう感じられているのかをお聞きしたいのですが。

斎藤 滋 最初の頃、僕はHappy Around!について、世間には「成長の伸びしろが一番あるユニットです」と言っていました。それは、その時点の5ユニットの中では未熟な面もありましたが、逆に言えば成長していく姿を見届けられる、いい意味で「これから始まる」というユニットだったから。でも、今ではステージングも堂々としていますし、見ていてすごく安心感のある、名前の通り幸せな気持ちをお客様に与えられるユニットに成長していると思います。そのなかで、僕らの役割も少し変わってきていまして……。

――どのように変化したんですか?

斎藤 僕は引き続き音楽プロデューサーとして関わっていますが、スタジオワークに関しては弊社(ハートカンパニー)のタノウエに任せることが多く、今はタノウエと一緒に方針を決めていく仕事がメインになっています。

タノウエマモル 僕は1曲目の「Dig Delight!」から携わらせていただいているのですが、最初の頃はまず斎藤が作った方針の中で動いていく……というところから、だんだん様々なことを任せてもらえるようになりました。今では楽曲の大きな方針をブシロードの皆さんも含めて一緒に考えて、スタジオワークやレコーディング、そして色んな人々のコーディネートといった実制作の部分を担当しています。

――だんだんと中に入っていかれるなかで、成長が見えたり、素敵に感じた部分も多かったのでは?

タノウエ 成長スピードがすごく速いですし、メンバーの皆さんからも「こういう曲をやりたい」という意見がたくさん出てくるのもあって、色んな新しい挑戦のできるユニットだと思います。最初は明るく楽しく元気よく……という、いわゆる王道の楽曲がメインでしたが、徐々に切ない曲やかっこいい曲も増えていって、表現の幅がどんどん広がっている実感があります。

安藤紗々 私は「君にハピあれ♪」で初めて歌詞を提供したのですが、その前からボーカルディレクションでずっと携わらせていただいていたので、歌の表現力や上手さの成長については一番身近で感じています。それに今では、自分の演じるキャラクターのこともすごく掴めていて、例えば西尾さんに「ここはもう少し、りんくちゃんらしさを出したいです」というだけですぐに対応してくれます(笑)。皆さん心に色んな表情のキャラクターを住まわせているんだなぁって、いつも感心しますね。

各務華梨 こんなにもたくさん「成長した」と言ってもらえて、とても嬉しいです!私たち自身も、お披露目のときから「これから成長を見せていかないといけない」とすごく感じていたので、私は毎回ライブやレコーディングではそのときの最大限の力を出して、次は必ずそれを上回るようにしよう……という気持ちで挑んでいるんです。そうやって3年間積み重ねてきたものが、いつも支えてくださっている方々に伝わっていることを感じたので……これからも頑張ろうと思います(笑)。

西尾夕香 ただ、成長を見せていかなくてはいけないユニットではありましたし、実際に最初の頃はできていない部分もたくさんありましたけど、それを言い訳みたいにするのは嫌だったんです。だから当時は「本当はちゃんとしたものを出したいけど、追いついてない……うぅー!」と、ちょっともどかしさも感じていました。でも最近では、思い描いていたものが出せるようにはなってきているんじゃないかなと思っていて。徐々にでも、期待に応えられるようになっていたら嬉しいです。

――逆に、そんな今のお二人からは、ハピアラ楽曲の魅力とはどういうところにあると感じますか?

西尾 斎藤さんがよくおっしゃっている「おもちゃ箱をひっくり返した感じ」というのが、ハピアラの色んな楽曲に通ずることで、ハピアラは「なんでもあり感」がすごく強いと思います。先ほどタノウエさんもおっしゃっていましたが、実は「D4DJ」のユニットの中で一番縛りがなくて、幅広い曲調で遊んでいいユニットなのかなと思っていて。そういう楽曲が今の時点でもいっぱいありますし、もっとたくさん遊んでいけたらいいなと思っています。

各務 私も今おゆさん(西尾)が言ってくださったことと同じ気持ちなんですけど、それにプラスするなら……ハピアラはすごく元気なユニットで、アップテンポのキラキラしたサウンドでキーの高い曲が多いと思うんですけど、その中に少し悲しさや寂しさを感じる部分や、活動のなかで感じた「楽しいことだけじゃない」という部分も正直に表現されていると思うんです。だから「この子たちは、こういう人生を歩んでるんだなぁ」と感じさせてくれる楽曲がたくさんあるところも、大好きなポイントです。

――そしてTVアニメ『D4DJ All Mix』第6話「ハクチュウム」の劇中歌となった新曲「Look at me♡」もまた、全然違うテイストの曲で。

西尾 そうですね。一番予想外というか、私たちも最初は「あ、こういう楽曲もやっていいんだ!」と思ったのが正直なところでした。

――その第6話については、どんな印象をお持ちですか? 各務さん演じる真秀が英語しか話せなくなったり、ライブではメンバーが全員ゾンビになったりしていましたが……。

各務 実は私は『All Mix』第1話のアフレコの頃に、水島(精二)総監督から「真秀が、突然英語しか喋れなくなる話を作る予定でいる」ということを伺っていまして。その時点から「『All Mix』では、『First Mix』(TVアニメ第1期)とはアプローチが全然違うお話がたくさんあるんだな」と思っていましたし、実際に第6話は謎めいたお話になっていたので、私たち自身も謎に感じながらアフレコした部分もありました。

西尾 台本を読みながら「結局これは、最後まで夢だった……のかな?そうだよね?たぶん」みたいなことを、結構探りながらやっていたよね。

各務 監督からも「これは真秀の想像の世界なので、真秀がみんなから言ってほしいことを言ってもらえる。だから真秀はそれに乗っかって、いつもよりもちょっと甘えるようにセリフを言ってみて」というディレクションをいただいたんです。今までの真秀はどちらかというとみんなを引っ張っていく側だったので、土台が違うからこそのニュアンスをたくさん入れたお話になりました。

西尾 結局あれは、夢だったんだよね?

各務 たぶん。あのライブ映像は、夢じゃないとありえないから。

西尾 ……っていうことは、現実世界では、ハピアラはライブしたのかな?(笑)。

各務 あれ!?そういえば……!(笑)。

次ページ:歌詞に携わるという初挑戦の裏側には、あのレジェンドの存在も……?

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP