INTERVIEW
2023.02.12
2022年は「ALIVE」のヒットをきっかけに大きな飛躍を遂げたClariS。年が明けて1月29日に開催された“リスアニ!LIVE 2023”では、初の大トリも務めた。思い入れが強い武道館のステージの裏側で、2人は何を思ったのか――。2月8日には「ALIVE【完全生産限定盤】」もリリース。2023年もClariSから目が離せない!
INTERVIEW BY 冨田明宏 TEXT BY 金子光晴
――今回のインタビューは“リスアニ!LIVE 2023”の翌日に行われているわけですが、昨日はどうでしたか?
クララ 大トリを任せていただくのは初めての体験で、前回の“リスアニ!LIVE 2020”でも曲数はたくさんやらせていただきましたが、今回は大トリということもあって、私たちも“リスアニ! LIVE”でしか届けられないことをしたいなという想いで、「Clear Sky」を入れたりしました(※同曲は「リスアニ!vol.19」付録音楽CDに収録されたカレン加入後初の楽曲)。ただ、やっぱり「Clear Sky」はシングル曲ではないので、知らない方もたくさんいるので、どうしようって直前まで悩んだんですね。でも、MCで「最後の曲、『Clear Sky』を歌いたいと思うんですけど」と言ったら「おおー!」って皆さんの漏れ出る声が聞こえて、すごく嬉しい気持ちになりました。回を重ねるごとに“リスアニ!LIVE”で成長させていただいているなという実感もあって、今回の大トリには強い想いがあったので、心がほかほかした気持ちですごく満たされた時間だったなと感じています。帰りの車の中でもすごくテンションが高くて(笑)。
カレン 2人して「今日は気持ちがいい!」って(笑)。
クララ 「最高の気分!」って言ってね(笑)。もちろん課題もありましたが、“リスアニ!LIVE”だからこそ感じられる空気や、ファンの皆さんの反応で、すごく温かい場所だなという幸福感があって、嬉しい気持ちになりました。
――興奮冷めやらぬ感じが伝わってきますね。カレンちゃんはどうでしたか?
カレン 昨日は会場に来てくださったファンの皆さんはもちろんなのですが、ずっと私たちと共に歩んでくださったリスアニ!さんへの恩返しができる場所でもあったので、セットリストは悩みました。最初に“リスアニ!LIVE”に立たせていただいた時(リスアニ!LIVE-5)に歌った「border」と「コネクト」を入れて、最後にこの楽曲がなければ私たちは始まっていなかった「Clear Sky」を選んだのですが、やっぱり選んで良かったと思いました。歌っているうちに、加入した日の0時にイラストのパネルを出して、曲を流して、ファンの方がその場所で聴いてくださっている動画や写真の景色、初めてクララと立ったステージもここだったな……って。その時はグリーンのペンライトがまばらだったのですが、昨日はみんな2色だったなとか、想いが蘇りすぎてずっとウルウルしていて……リハからウルウルしていたんですけど(笑)。特に、「Clear Sky」は何度でもスタートを切らせてくれる楽曲なので、あの場で歌ったことにすごく意味があると感じています。昨日はホテルに戻ってからも「Clear Sky」を聴いて、エモい気持ちに浸っていました(笑)。やっぱりリスアニ!さんも武道館も、自分の中で特別な存在なんだなと改めて思いました。本当に、最高の時間をありがとうございました。
クララ ありがとうございました。
――いつもリスアニ!や武道館に特別な想いがあると話してくれていたからね。
クララ 初めて2人で立ったステージが“リスアニ!LIVE”での武道館だったんですけど……。
カレン あの時は右も左も時間もわからず(笑)。
クララ それで終わって大号泣して(笑)。単独での武道館公演もすごくうれしかったんですけど、その時も「もっとできたはず」っていう想いが強かったんです。絶対に武道館に戻ってきて、すてきなステージを届けたいと思っていた中で、こうして武道館に立たせていただけたのはすごく貴重な機会だったと思います。しかも、リスアニ!さんだから余計に特別で、取材で冨田さんにいろんなことを話したこととかを思い出したりして、今回はClariSの活動の中でも上位に来るぐらい思い出に残るステージだったなと思います。
――(MC担当の)僕も何と言って2人を呼び込もうか、ずっと考えながらステージに立っていたから。
クララ 「2人のお陰で今のリスアニ!があります」って、あの呼び込みはずるいです(笑)。出番直前なのに涙が出そうになってしまって。
――確かに(苦笑)。でも本当のことだから!
カレン 冨田さんが「リスアニ!はClariSが大好きです」と言ってくれたから、私たちも「ClariSもリスアニ!が大好きです!」って言ってからステージに出たんですよ(笑)。
クララ 舞台袖で言ってました(笑)。でも次はトークパートで冨田さんとおしゃべりしたい!MCの時に出てきてほしかったくらいですよ。
――ありがたいですね。でも、1つくらいやり残したことがある方が次に繋がっていいじゃないですか。
――そんな“リスアニ!LIVE”でも披露していただいた「ALIVE」の完全限定生産盤ですが、目の前にあるんですけどLPサイズなんですね。これはマジでほしい(笑)。
クララ こうしてCDを改めて違う形でリリースさせていただくということは今までなかったのですが、皆さんの元にお届けできると思うと嬉しい気持ちでいっぱいです。
カレン 『リコリコ』バージョンもTHE FIRST TAKEで披露したバージョンも「ALIVE」の全部が詰まっていますし、アニメの愛もたくさん散りばめられた豪華な1枚になったなと感じてます。
――『リコリコ』のファンアイテムとしては超最強ですよね。
カレン しかも完全生産限定なんですよね!
――ちなみに、以前お話を伺った時はまだ放送中だったんですが、『リコリコ』を最後まで観てどうでしたか?
クララ だんだん物語の雲行きが怪しくなっていって、ドキドキしていたところに最終話で楽曲が流れたんですよね。アニメでこうして別バージョンの音源を作っていただいて、しかもそれが重要なシーンで流れることってなかなかないので、キャラクターの気持ちと楽曲の意味合いがよりリンクして、私的には一番ぐっとくるシーンだったなと思います。
カレン (錦木)千束と(井ノ上)たきなは切っても切り離せない関係で、女の子2人組ということで私たちに重ねて見てしまう部分はありました。でも、日常の平和を守る裏側が描かれていたり、死と隣り合わせの状況で1日1日を大事に生きていくところはすごくメッセージ性があるなと思いましたね。日常とガンアクションの描き分けのギャップもすごく引き込まれるポイントでしたし、それに安済千佳さん(千束役)と若山詩音さん(たきな役)って実際にもすごく仲が良くて、そういうところもキャラクターの距離感に出ているのかなって感じましたね。でも1回観ただけでは分かり切れない部分も多くて、ファンの皆さんの考察で気づかされたところがたくさんあったので、改めてもう1回全部細かく観てみたいです。
――最終話で「ALIVE」が流れるシーンはどう見ました?
カレン アニメで観て知りたかったので、「どのシーンで流れるかは教えないでください」って言ってたんですよ(笑)。「ALIVE」の歌詞をなぞるように千束が今までのことを回想するシーンで、映画のエンドロールのようにぎゅっと掴まれましたし、この熱い気持ちのまま、今すぐステージで「ALIVE」を歌いたいって思いました(笑)。
――アレンジが抒情的になったことで、歌の聴こえ方まで変わるのがすごいですよね。
クララ 『リコリコ』バージョンは歌の録り直しをしてないので、オープニングで流れていたままなんですけど、私たちが歌い直したのかなって(笑)。元々、疾走感のあるサウンドだったので、そこが変わるだけでぐっと心を持っていかれる楽曲になるんだなって、自分でもびっくりしました。
――そして、「THE FIRST TAKE」で披露したバージョンも収録されますね。
クララ 「ALIVE – From THE FIRST TAKE」はテンポを落としたアレンジを作っていただいて、より言葉をしっかり伝えることを意識しました。千束とたきなのように私たち2人の関係性を思い浮かべながら歌えたので、それが伝わっていたら嬉しいなと思います。
カレン アニメを観てからの歌唱だったので、『リコリコ』にも感情移入できましたし、千束とたきなのお互いを求め合うような関係性がきっと私たちに憑依して、2人の意志を出せたかなと思います。テンポが落ちたことで歌詞の一言一言を噛み締めるように歌えて、改めて「ALIVE」という楽曲の深さを実感しましたね。
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