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INTERVIEW

2023.02.04

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第3回:春の嵐が巻き起こす破壊と創世の物語――燐舞曲×中山雅弘スペシャル対談

【連載】Diggin’『D4DJ All Mix』第3回:春の嵐が巻き起こす破壊と創世の物語――燐舞曲×中山雅弘スペシャル対談

椿と葵依、それぞれの個性が際立ったアフレコ秘話

――燐舞曲は、2022年夏に放送されたアニメ特別編『D4DJ Double Mix』に続き、TVアニメ第2期『D4DJ All Mix』にも第1話から登場しています。今回の第2期にはどんな印象をお持ちですか?

加藤 『All Mix』というだけあって、第1期とは違って、それぞれのユニットの活躍がしっかりと描かれるうえに、ユニットごとの絆や他ユニットとの関わりがより深く理解できる内容になっていると思います。それと印象深かったのがアフレコで、私は渚が第1話で口笛を上手く吹ききれないところが大好きで(笑)。

つんこ あそこはめっちゃディレクションが入っていたよね。4~5回くらい録っていた気がする。

加藤 そうなんです!そういう細かいところにもこだわって何テイクも録っていたりしたことがすごく印象に残っていて。また1つ素敵な思い出になりました。

つんこ それに今回は、今までのアニメには登場していなかったリリリリちゃん(Lyrical Lily)が主となって、色んなことを巻き込みながらお話が進みますし、第1期では高校生組(Happy Around!、Peaky P-key、Photon Maiden)しかいなかったのが、今回は大学生組(Merm4id、燐舞曲)と高校生組や今までにない組み合わせの絡みも見ることがきて。あと、3Dアニメで動くリリリリちゃんがとにかくかわいくて、表情もめまぐるしく変わるので、シンプルにキャラクターの動きを見ているだけでも楽しいです。特にオープニングは楽曲もとても素敵だし、アニメーションがめちゃくちゃかわいい……!

――Lyrical Lilyの「Maihime」ですね。かわいさと躍動感溢れるアニメーションも込みで本当に素晴らしいと思います。

中山 今回のOP・EDテーマに関しては、総監督の水島(精二)さんのなかに最初から構想があったみたいで、OPテーマはTAKU INOUEさんでいきたいというお話だったんです(「Maihime」の作曲・編曲はTAKU INOUEが担当)。そこに中村(航)先生の歌詞が合わさって素晴らしい楽曲になりました。

――そして先日放送された第4話は燐舞曲のメイン回で、お二人が演じる椿と葵依も様々な見せ場がありました。アフレコはいかがでしたか?

つんこ 葵依は何か新しいことに踏み出すとき、その理由をしっかりとみんなに説明したうえで、あまり熱くなりすぎず淡々と「みんなならできるよ」と伝えるタイプなのですが、私ならそういうときは「とにかくやるぞ!」って言いたくなるので(笑)、その伝え方の熱量の調節、みんなを支えるようなバランス感で演じるのにすごく苦労しました。水島監督にもしっかりとディレクションをしていただいて。

中山 でも、水島監督はつんこさんのことをすごく褒めていました。つんこさんは全ユニットのメンバーの中でもかなり濃厚なオタクだと思いますが(笑)、とはいえ「D4DJ」に参加するまではキャラクターとして何かを演じる経験はなかった方で。しかも普段は喜怒哀楽の表現が激しいタイプじゃないですか。

つんこ そうですね、よく「ウォー!」ってなります(笑)。

中山 なので葵依としてセリフを表現するのは相当ハードルが高かったと思うのですが、あれだけのセリフ量のなかでキャラクター表現ができていたことを、水島監督はすごく喜んでいましたね。

つんこ え~、嬉しい!でも、やっぱり葵依は難しいです。

中山 葵依は熱いものを内に持っているけれど、それをスッと出さないですからね。「蒼き炎」というのは、そういうことなんです。

――つんこさんと葵依は対照的な性格なんですね。

つんこ そうですね。葵依を見ていると「こんなに落ち着いている人、いるのかな?」って思いますから(笑)。

――加藤さんは、第4話のアフレコはいかがでしたか?

加藤 私も悩んだり考えることはありましたけれど、ライブやゲーム(「D4DJ Groovy Mix」)、『Double Mix』のアフレコを経験してきたことで、以前よりもスッと自分の中から椿としての思いが出てくるようになったと感じました。アフレコでは自分が思った通りの椿を演じたのですが、それが水島監督のイメージにも近かったのか、そこまで大きなディレクションもなく、前回よりも椿と気持ちが近くなったことを実感できました。

中山 椿の場合、ライブでは基本的に燐舞曲を結成したあとの姿、儚いけれども強い意志が見える歌声の印象が強いですが、アニメでは燐舞曲の結成前の人間関係も描かれているんです。『Double Mix』ではMerm4idの瀬戸リカと小中学校の同級生だったこと、今回の第4話では椿とPeaky P-keyの山手響子が昔から(天野)愛莉に歌唱指導を受けていたことが描かれていて、そのなかで椿の実はか弱い一面が見え隠れするのですが、そんな椿が燐舞曲のメンバーと出会ったおかげで今の強さを手に入れたことを考えながら観ていただけるとより面白いと思います。加藤さんには、お芝居的にもそういった椿の強弱を上手く表現していただきました。

――確かに、椿が愛莉さんに指導を受けている場面は、途中で回想シーンもありましたが、椿の気弱な部分が前面に出ていて、キャラ同士の関係性も含めて奥行きが感じられました。

中山 あのシーンでは椿より響子のほうが頼り甲斐があってお姉さんっぽいんですよね(笑)。椿はステージ上だと完璧なパフォーマンスを行うのですが、他ではそういう立ち位置になるところが面白いと思います。

――加藤さんは椿のそういった一面を、どのように受け止めて演じましたか?

加藤 椿は強がって見せていますが、決してクールすぎるわけではなく、弱さや脆い部分を持ち合わせているところに魅力がある子だと思っていて。なので燐舞曲のメンバーや響子のように付き合いのある人たちの前でしか見せない表現を意識して、あまり感情を抑えすぎず、椿としての表現を出すようにしました。

――少し話が逸れますが、加藤さんは椿と自分が似通ってると感じる部分はありますか?

加藤 私もつんこちゃんと一緒で、椿とは対照的だと思います。私が(「D4DJ」のキャラクターを)演じるなら、絶対にHappy Around!の大鳴門むにだと思っていたので(笑)。椿は後ろ向き過ぎるところがある子なので、私ですらセリフを言うときに「なんでそんなこと言うの!」ってもどかしい気持になることが多いんです。だから性格としては真逆だと思うんですけど、今は「私は椿で良かったなあ」と思いますね。

中山 確かにお仕事以外のところではむにっぽいですが、でも、占いで言うと加藤さんはてんびん座のど真ん中なので、椿っぽい加藤さんもたまに出てくるんですよ。

つんこ へえー。

加藤 なるほど。

次ページ:春の嵐のような新曲「ARCANA」が巻き起こした破壊と創生

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