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INTERVIEW

2023.02.01

TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』ED主題歌「叶える」をリリース。諸星すみれに楽曲に込めた想いを聞く

TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』ED主題歌「叶える」をリリース。諸星すみれに楽曲に込めた想いを聞く

『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』主題歌で歌手デビューを果たした諸星すみれが、『シュガーアップル・フェアリーテイル』のエンディング主題歌「叶える」で約3年ぶりとなるCDリリースを果たす。培われた表現力はさらに磨かれ、年齢や歌手歴を大きく超えたアーティストとなった彼女。2ndシングルに収録の3曲でどのような自分を表現しようとしたのか、作詞作曲への挑戦、オープニング主題歌を歌う鈴木みのりとの接近を含め、今作を巡る経験や思いを語ってもらう。

INTERVIEW&TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)

大きな夢を持つことで頑張れる、そんな気持ちになる曲

――エンディング主題歌を歌うことになったと聞いたときのことから教えてもらえますか?

諸星すみれ マネージャーさんからメールでサラッと。私も、「あ、やるんだ」くらいの感じでした(笑)。作品のことは知っていたので、あのキラキラな世界観で歌うイメージはすぐに浮かびました。楽曲をいただいたらそのイメージを超えるくらいに素敵でだったんです。特に仮歌を歌われていたのが作詞された岩里(祐穂)さんで。聴いたときに「やっぱり、岩里さんってすごい……」って思いました。岩里さんの歌声が好きすぎてずっと聴いていました。すごく優しさに溢れているんです。あったかいというか。でも芯があって。こう歌いたいと思いながらずっと聴いていました。

――レコーディングはどのようなイメージで臨まれましたか?

諸星 優しくて温かみがあってキラキラしている曲なので、優しく歌うことを意識しました。でも息継ぎも難しいし、声を張るところもあればファルセットのところもあり、音程の行き来も激しい、というところで「うまく歌おう」とする気持ちが強くなってしまって、歌が深刻になっちゃったんです。必死さが出ないように、優しく軽やかに歌うのは難しかったです。作詞された岩里さんがレコーディングに来てくださって、「あまり歌詞を重く受け止めず」「女の子バンドのように軽やかでポップに」という直接ディレクションをいただけたことで、最終的にはイメージ通りのものが出来上がったと思います。

――岩里さんの歌詞で共感したところはありますか?

諸星 2Aの「夢のような話ばかり しているよと言われるけど」はすごく共感できました。私も、小さい頃から壮大な夢を描く癖があるんです。夢を大きく持つと「そこまで頑張ろう」というモチベーションになるし、叶えられたときには自分を心から肯定してあげられるので。夢は叶えるものではあるんですけど、自分のメンタルを保つためにも常に、叶うか叶わないかくらいの大きな夢を持つことは大事だと思っています。

――今抱いてる中で一番大きな夢というのは?

諸星 一番ですか?ずっと持ち続けている夢は「ライブをする」ですね。

――それは、諸星さんならば決して大きすぎる夢ではないと思いますが?

諸星 アーティストデビューすること自体、自分にとってはありえないくらいの夢だったんです。それが実際に叶った3年前からずっと、次はライブだと思い続けています。だから、遠くはないかもしれないけど、今一番叶えたい夢はそれです。それと、小さいときからブレていないのは湯婆婆になること。

――そちらは少し長い道のりになりそうな。

諸星 自分の中では最終地点だと思っています。湯婆婆のような役を演じられたら、「役者として来るとこまで来たな」と思える気がしています。

――昨年のクリスマスにLA CITTADELLA中央噴水広場(神奈川・川崎)で開催したトーク&ライブイベントで、すでに「叶える」を生で歌を届ける機会がありました。そのときの感想などお聞かせください 。

諸星 はい、楽しく歌えました。サビ前の盛り上がりがあってのサビ、という感じですごく気持ちが乗るので好きな箇所ですね。あとは、盛り上がったあとの落ちサビで音が静かになるところも好きですけど。「あの日 何度も何度も手をのばし つかみそこねた光る果実でも もう一度手をのばして」という歌詞なんですけど、静かだけど想いをギュッと詰め込める場所なのでいつも丁寧に、気持ちを込めて大事に歌おうと心がけています。

――あのイベントは観覧フリーということでいろいろな客層の方がいましたが、緊張はなかったですか?

諸星 ちょっとだけしていました。皆さんの前で歌うことが久しぶりだったので。でも、一番緊張していたのはリハーサルだったんです。本番では、皆さんの顔が本当にニコニコとされていて、楽しんでくださっていることが伝わったきたので、リハーサルよりリラックスすることができました。皆さんのおかげでレコーディングよりものびのびと歌えたんじゃないかと思います。寒い中、クリスマスの日にちっちゃい子から大人まで幅広い方に聴いていただけたのも嬉しかったですし。アニメもいろいろな年齢の方に楽しんでもらえると思うので、すごくいいイベントになりました。

――イベントはアン・ハルフォード役の貫井柚佳さんを司会に、OP主題歌を歌われる鈴木みのりさんと共に歌を披露しました。OP主題歌や鈴木みのりさんに対してはどんな印象を持ちましたか?

諸星 イベントのリハーサルで、初めて歌声を生で聴かせていただいたんです。スコーッと突き抜けるように伸びやかな声でした。憧れますね。オープニングにピッタリな歌だと思います。それに鈴木さん……、ふふふ(笑)。

――どうかされましたか?

諸星 イベントでは互いに愛称で呼ぼうということで「りんごちゃん」と呼ばせてもらったのを思い出しました。普段、私は共演者の方にちゃん付けすることなんてなくて。しかも初対面なので「大丈夫かな?」って思ったんです。でもすごく優しくて明るい方で、気さくにお話してくれて。あと、控え室で待っていたとき、隣の部屋で鈴木さんが「叶える」を歌っているのが聴こえてきたんですよ。

――それについては……。

諸星 照れちゃって何も言えなかったです。「歌ってくれていましたよね」「嬉しいです」って言えたら良かったんですけど。でも、本当に、すっごく嬉しかったです! 実は私も控え室に入るとき、(鈴木が担当しているOP主題歌の)「ミュージカル」を口ずさんでいたんです。なので、「次に現場でお会いしたらもっと仲良くなりたいです」と伝えたいです。

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