――さて、続いてはカップリング曲についてもお聞かせください。まず「革命的レイメイ」は、「もののがたり」14巻のスペシャルPVに使われた曲です。
桜野 こちらはヒロインのぼたんちゃんの気持ちを歌っている曲なので、かっこいいんだけどちょっとアイドルっぽいかわいさも残る単語もあったりします。
――ロックではありますけど、サウンド的には爽やかさや軽快さが強い曲ですよね。
桜野 そうですね。なので歌い終わりの処理の仕方とかでも、ちょっとかわいらしくアプローチしている部分もありますし……。ただ、この曲を歌うにあたって13巻まで読んで挑んだんですけど、私、12巻が本当に大好きで!スペシャルPVにも、実は12巻の一番良いシーンが映ってるんですよ!なので、そんな思い入れも抱きしめて歌いました(笑)。
花宮 私は声がパン!と出るので、普段からはっきりした音を担当することが多いのもあって、この曲は結構イケイケドンドンで。この曲のほうが苦戦せずに、「かっこ良く歌うぞー!」と作っていった通りに歌えたかなと思います。
天野 あと、レコーディングのときではないんですけど、2サビ最後の“世界に差し込んだ”のフレーズの後に「Wow Wow……」というコールが入るところが、ライブではファンの皆さんが私たちと一緒に手やペンライトを振ってくださってすごく一体感が生まれる部分なんです。そこはライブで歌うなかで、気持ち良いなって感じるところですね。
花宮 その部分は、レコーディングのときからライブを想定して「ここでみんなが手を挙げてくれるような曲になったらいいなぁ」と思いながら録っていったので、私もライブで実際にそうなっていることが、すごく嬉しいです。
桜野 私もかっこいい感じで作って臨んだんですけど、私のかっこ良さってどうしても切なさとか悲壮感が漂う感じになっちゃうんです(笑)。でも今回は明るくてかわいさも入れたいということだったので、紗々さんからは「もっとアイドルっぽく」というテーマをいただいて、歌っていきました。
――ほかの方にも、この曲ならではテーマがあったんでしょうか?
相田 ありました。私は「全体的に温かく、包み込む感じで」だったんですけど、1サビの“とてつもなく 結ばれたい”というフレーズだけはちょっとかわいく……と言われて。歌っていくなかで、その“結ばれたい”の“い”の切り方がかわいくなりすぎちゃったかな?と思ったんですけど、紗々さん的にはそれが良かったみたいでそれを採用してくださったんです。そこが、自分でも気に入っています。
空野 私もありましたね。私はこの曲をそのまま自分が歌うと結構甘酸っぱい系になるなと思って、悩んだ末に「こういうときは紗々さんにお任せしよう!」と決めて、フラットなあおにゃんでレコーディングに行ったんです。で、いざレコーディングを始めたら、「ちょっと吐息多めに、セクシーな感じで歌ったらいいんじゃない?」となったんですよね。一言で言うと……「恋と愛を知ってしまった女」みたいな。
花宮 そうなんだ(笑)。
空野 私がソロで歌っている“ノラリクラリじゃ飽きちゃう 愛は 山あり谷あり”というフレーズの、「すべてを知ってる」感がすごいの!
桜野 たしかに(笑)。それに、そこのラ行のアプローチも結構セクシーだよね。「ノ“ラリ”ク“ラリ”」「谷あ“り”」とかが。
空野 そこは特に歌っていて手応えがあったところなので、また新しいあおにゃんを見せられていたら、と思います。
――そしてもう1曲のカップリング「ウラハラセカイ」は、この2曲とは少しテイストの違った曲になっていますね。
桜野 はい。この曲はARCANA PROJECTのもう1人のプロデューサーのもふくさん(=もふくちゃん/福嶋麻衣子)が用意してくださった曲で。ずっと、正反対のことを言っている……ような感じの曲というか。
空野 最初に仮歌をいただいたときには、ストリングスが全然入ってなくて。バリバリシンセのアイドルソングのような感じだったんですよ。
桜野 あおにゃん、「インディーズのときの妄キャリ(=妄想キャリブレーション)の曲みたい」ってめっちゃ言ってきたんです(笑)。
空野 仮タイトルが「裏腹アイソレーション」だったっていうのもあって、すぐLINEしました(笑)。私は結構そういう系統の曲が好きで、妄キャリちゃんもすごく好きだったから、「ついにARCANA PROJECTも、こういう曲に挑戦するんだ!」と思っていたんです。そうしたらストリングスが入ったことで、雰囲気がガラッと変わって!よりボーカルユニットにマッチしたサウンド感になっていて、びっくりしました……!
桜野 スタジオに着いて新しいアレンジを聴いたら、「あ、もうこれ全然違うぞ」ってなりまして。持っていったイメージからかなり歌い方を変えましたね。だから、レコーディングの時点でアレンジが進んだバージョンで歌えて良かったと思っています。
花宮 ただ私、この曲はどうやって歌ったらいいのかが本当にわからなくて。ARCANA PROJECTの曲で「どうしよう?」って頭を抱えてレコーディングに行くことって、定期的にあるんですよ。今回もそんな感じでスタジオに行ったら、オケが変わっていて。それを聴いたら、イメージが結構ポッて出てきたんです。
――それからは、そこまで悩むことなく?
花宮 そうですね。紗々さんに「もう少し、かわいさ出して」みたいなディレクションをいただけたのもあって、自分の中でもすごく明るいトーンでかわいらしく、締めるところは締めて……みたいな感じで、どうにか歌えました。
相田 私もハナちゃんと同じで、シンセがメインの曲が苦手なことが多いというか……すごく難しく感じちゃうタイプで。「明るい声色とか、元気に」というのが苦手だったんです。そう思いながらレコーディングに行ったら、紗々さんにすごく何回も「もっとかわいく!」って言われて(笑)。
桜野 言われてた(笑)。
相田 それでずっと「はい!」って言いながらやっていたのと、あとはリズムの取り方が難しい、早口言葉みたいな箇所がありまして。元々リズムを取るのがちょっと苦手というのもあって、身体を動かしながら……パンチしながら歌ってました(笑)。
――リズムを取るような感じで?
相田 そうなんです。ちょっと早口な、言葉の詰まったパートがBメロにあるので、そこをずっとパンチしながら歌ってました(笑)。
桜野 逆にひかるは、手応えすごかったよね?
天野 うん。私、この曲は本当に上手に歌えたんです(笑)。
一同 (笑)
天野 自画自賛になっちゃうんですけど、自分で聴いて「あっ……上手……!」と思えて。特にそれを感じたのが、落ちサビだったんですよ。“抗う二つの痛みを分け合いながら”という切ないパートを歌っているんですけど、切ないパートって今まで挑戦したことがなくて。正直その直前のソロが私で、ここはうーちゃんだと想像していたんです。
空野 わかる!私も思ってた。
天野 だから、そこが担当と知ってびっくりしたんですけど、歌声を聴いて「良い感じに、切なさを出せているなぁ」とも思いまして。レコーディングを通じて、自分で自分の成長を、少し感じることができました。
――さて、このシングルから2023年の皆さんの活動が始まっていきます。そんな2023年、皆さんはARCANA PROJECTとしてどんな姿をファンに見せていきたいですか?
空野 去年は歌と演劇が融合した、歌劇というスタイルのライブをやらせていただきまして。そういう歌だけじゃない表現方法でARCANA PROJECTの世界観を肉付けすることはすごく楽しかったし、合っているなぁと思ったんですよ。なので2023年もそういう舞台的なものを通じて、ARCANA PROJECTだからこそできる表現をやってみたいです。
桜野 そのあとのツアーでもストーリー仕立てのライブをやりまして、そのなかのセリフや構成を私が考えさせてもらったんですよ。そういう経験を通じて「音楽をより深く魅せるのに、こういうアプローチもあるんだ」ということを知れたので、そういうふうに言葉を使うアプローチも、もっとやっていきたいです。それと2023年は「恋衣」を皮切りにアニメソングをもっと歌っていきたいですね。
天野 2023年は、1月からこうやってアニメの主題歌を歌わせていただけて、新年早々ARCANA PROJECTの音楽が多くの方の耳に届くと思うんです。それをきっかけに、アニメのイベントやアニメソングのイベントに出演したいですね。フェスで初めてお会いする方にもファンの方にも、そういう機会を通じて直接歌を届けたいです。
相田 2022年はツアーに行けた地方の方たちに喜んでもらえたぶん、北海道や九州みたいに行けなかった地方の方からの声がより強くなったのを感じているんですよ。去年色んなステージに立たせていただいてARCANA PROJECTを知ってくれた方が増えたので、2023年は自分たちからもっと色んなところへ歌を届けたいですね。
花宮 私はこの活動のなかで、ライブが一番好きで。ライブがあるからこの活動をしていると言っても過言ではないくらいだし、ほかのみんなもライブをすごく大切にしていると思うんですよ。だから私も、もっとたくさんARCANA PROJECTとして生の歌を届けたいです。もちろん音源もすごく素敵に録っていただいていますけど、ARCANA PROJECTは生の歌の表現が素敵なので、もっと精進していってそれをたくさんの方に伝えていきたいから……ライブがたくさんしたいです!
●リリース情報
ARCANA PROJECT 5th シングル
「恋衣」
2023年1月25日(水)リリース
■mora
通常/配信リンクはこちら
【初回限定盤(CD+BD)】
品番:LACM-34336
価格:¥2,420(税込)
収録楽曲数:3曲
BD収録内容:「恋衣」Music Video、「恋衣」-Music Video Making-
【通常盤(CD)】
品番:LACM-24336
価格:¥1,430(税込)
収録楽曲数:3曲
【アニメ盤(CD)】
品番:LACM-24337
価格:¥1,320(税込)
収録楽曲数:2曲
<収録曲>
1.恋衣
作詞:安藤紗々 作曲・編曲:神田ジョン ストリングスアレンジ:葛西竜之介
2.革命的レイメイ
作詞:安藤紗々 作曲・編曲:神田ジョン
3. ウラハラセカイ
作詞・作曲:ハマサキユウジ 編曲:久下真音
※初回限定版と通常盤には同じ楽曲が収録されます。
※アニメ盤には「恋衣」、「革命的レイメイ」の2曲が収録されます。
<初回生産分限定封入特典>
ランダムトレーディングカード(全5種のうち1種封入、初回限定盤・通常盤・アニメ盤共通)
ARCANA PROJECT 公式サイト
https://arcana-project.com/
ARCANA PROJECT 公式Twitter
https://twitter.com/arcanaproject
SHARE