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INTERVIEW

2023.01.24

アーティスト・仲村宗悟が自身のライブを振り返る――これまでのライブの経験から手にしたもの、“3rd LIVE TOUR”への想いとは?

アーティスト・仲村宗悟が自身のライブを振り返る――これまでのライブの経験から手にしたもの、“3rd LIVE TOUR”への想いとは?

2019年「Here comes The SUN」でデビューした仲村宗悟が自身初のライブツアーを敢行したのは2021年。まるで仲村とバンドメンバーが長く共に活動してきたように息の合ったライブが印象的だった。翌年開催の“SHUGO NAKAMURA 2nd LIVE TOUR ~+ING~”ではオーディエンスの熱も含めた大きな息吹を感じさせたことも記憶に新しい。その2nd LIVE TOURファイナル公演の模様がライブBlu-rayに!そんな映像作品について、そして間もなく開催される“リスアニ!LIVE”への想いや意気込みを仲村に聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

デビュー後に立ったステージで先輩からもらった言葉

――2019年のデビューから2012年に“SHUGO NAKAMURA 1st LIVE TOUR ~NATURAL~”を開催するまでは、“おれパラ”や“LisOeuf♪ Party”といったライブイベントに出演してステージを重ねてこられました。ある意味“アウェイ”なライブに出演されるのは仲村さんにとってどのような時間でしたか?

仲村宗悟 気合いが入ります、僕は結構負けん気があるので。そういった僕が外におじゃまするようなライブをしたときには、ほかのアーティストの方を見に来ているお客さんもたくさんいらっしゃいますし、その人たちに良い音楽を届けたい欲があって。それが主かもしれないです。

――例えば“LisOeuf♪ Party”のような対バン相手からの刺激はいかがですか?

仲村 毎回、刺激をいただいていますね。僕はその辺りも貪欲ですから、ほかの方のパフォーマンスや音楽を見ていても、良いなと思ったものについては自分も取り入れたいんです。「このパフォーマンスに惹かれるな」とか「このMCはすごく良かったな」みたいなところは常にアンテナを張って見るようにしています。

――1人のアーティストとして参加されたイベントで印象に残っていることを教えてください。

仲村 そうですね……全部印象に残っています。でも“おれパラ”は、自分の声優としての活動も知っている先輩方が主催していらっしゃいますし、(小野)大輔さんとも“おれパラ”出演で初めてがっつりとお話をさせていただけたことも思い出深いです。声優の先輩としてもアーティストの先輩としても、皆さんとても親身になってくださいましたし、そんな皆さんと共に立てるステージは自分にとってもすごく大きな経験となりました。

――“おれサマー”(おれパラPRESENTS ORE!!SUMMER 2020)もありましたね。

仲村 富士山をバックに見ながらのライブでしたが、あのステージはすごく好きです。広さもそうですし、自然の中で歌えるのは気持ちが良くて。お客さんが配信で見ているなかで、どうやってライブを届けるかということを試行錯誤している先輩方の姿を僕も見させていただきました。それとあの日、森久保翔太郎さんからいただいた言葉があって……すごく晴れていたんですけど、「宗悟に一番似合うスポットライトは太陽だね」って言っていただいたのは、とてもありがたかったです。

1st LIVE TOURの経験から手にしたもの

――そういった経験の先、2021年には“1st LIVE TOUR ~NATURAL~”がありました。アルバムを引っ提げてのツアーでしたが、あの時間を振り返るとどんな想いがありますか?

仲村 僕の一発目のライブですし、「NATURAL」というタイトルもついていたので、本当の素の、等身大の仲村宗悟のステージを見せたいと思いました。自分の歌と音楽だけで勝負みたいなライブだったんですけど、改めて振り返るとまだ粗削りなところもあったりするんですよね。でも一発目にふさわしかったなと思えたライブでした。気合いが入り過ぎているところもあったけれど、最初のライブツアーなんだからそれでいいのかなって感覚でもあるんです。それくらいちょっと鼻息も荒くライブしている感じが見えましたね(笑)。力が入っている感じもまた、今考えると一発目らしくて。ここからもっと楽しくなっていきそうだなというワクワク感のあるライブになっていました。

――あのツアーから「仲村宗悟」と「バンド」という感じではなかったですよね。「仲村宗悟」という1つのバンドのようでした。

仲村 一体感がありましたね。でもそれはバンドメンバーがすごく近い心の距離でいてくれる人たちなので、僕にとってもそれがすごくありがたいです。一緒にリハーサルをしていても、これがやりたい、あれがやりたいと言いやすいですし、本当に一緒にバンドとしてツアーを回っているような心境でやっていました。

――ライブツアーを経験したことで、楽曲制作への影響はありましたか?

仲村 もっとアガる曲を作りたいなと思い、ライブを想定した楽曲作りはその後も意識をしていますね。例えば今はまだ叶いませんが、ここでコール&レスポンスをして声を返してもらいたいな、という曲もありましたが、ツアーを経験したことによってそれがより明確になったように思います。ライブをするなかで「ああ、なるほどな」と思う経験も多かったですから。それまでは机上の空論ではないですが、自分の中で思い描いていたもので「こうなるといいな」というものを作っていたのですが、ライブをやってみて、曲によってこんなふうに反応してくれるんだ、声が出せなくてもこういう反応を見せてくれるのかと肌で感じられたんです。

――特にライブの経験が活きたのはどの曲ですか?

仲村 まさに「流転」(TVアニメ『最遊記RELOAD -ZEROIN-』EDテーマ)はそうなんじゃないかなぁ。これはコール&レスポンスのある曲というわけではないですが、ライブでやったらよりカッコよくなるんじゃないかと思った曲で。MVもすごくこだわってもらって作りましたし、案の定ライブでやると良い反応があるんですよね。EDテーマのお話をいただいて世界観に寄り添って楽曲を作っていったのですが、だんだんライブ向けになっていきましたし、結果としてツアーの中で育っていきましたね。

2度目のツアーは仲村宗悟のベースミュージックも届けることができた

――そんな仲村さんのライブBlu-rayが1月25日(水)リリースされます。1st LIVE TOURがあったからこそここに収録されている2nd LIVE TOURにプラスになったものはありましたか?

仲村 セットリストについてはよく考えました。曲も増えてきたので、エレキのコーナーやアゲアゲの曲のコーナーとしてまとめるパートができましたね。アガるところはアガって、聴いてもらうところはじっくり聴いてもらうというパートとして意識して形作っていって、セットリストの中で分けることができたライブでした。

――カバー曲もありましたが、ご自身で楽曲は決められたのでしょうか。

仲村 はい。堂島考平さんの「葛飾ラプソディー」とBEGINさんの「ボトル二本とチョコレート」の2曲を公演替わりで歌いました。昔よく歌っていたのですが、この2曲はアコギで弾き語りしていてもすごく気持ちが良い曲なんです。元々楽器を始めて間もない頃にカバーしていた曲で。特に「ボトル二本とチョコレート」は、沖縄で歌うと僕より上の世代の人たちが必ずレスポンスしてくれますから、それをみんなとやりたかったですね。

――デビューから最新の曲までを届けながらも、仲村さんのベースミュージックも味わえるライブだったんですね。

仲村 MCの中でも話しましたが、いつもおばあに向けて歌っていたので、みんなに「おばあちゃんになった気持ち」で聴いてもらいました。新しいものもありながら、そんなふうに僕を振り返れるライブになっていましたね。

――そんなライブが収められたBlu-rayでは、各地を巡って最後に辿り着いたZepp Haneda(TOKYO)の模様が収録されています。ただ、ファイナルに辿り着くまでに出掛けたそれぞれの土地で感じたもので、ファイナル公演に活きたことはありましたか?

仲村 1st LIVE TOURのときよりも僕の中に余裕が生まれて、ライブをより楽しむ余白がありました。許容量いっぱいというか、パツパツにはならずにいられたんです。それもあって2nd LIVE TOURの最初の公演からライブの空気も演奏する楽曲も良くなっていったので、ファイナルではそのままの状態で勢いを爆発させようと臨みました。だからファイナルでだけ活きたということではなく、ツアー全体で1stを超え、無心で楽しむことができたライブでした。

――楽曲が増えて、前回のツアーよりもセトリを組む際に色々と考えられたとのことでしたが、2度目のツアーでは1本のライブのセットリストを通してどんなことを意識されていたのでしょうか。

仲村 同じような曲が連続しないほうがいいかもね、などみんなで話し合っていったんですが、どういうセトリを考えたらお客さんがノリやすいかなとか、気持ちが段階的にアガっていけるかな、とか、そういうことを意識しながら組みました。見ている人が置いてけぼりになってしまったらライブの熱は冷めちゃうと思うので、そこで途切れないような流れを作りたいと思っていました。

――そのZepp Haneda(TOKYO)に辿り着くまでの公演で印象的だったことを教えてください。

仲村 SENDAI GIGSのバックステージがとにかく楽しかったです。屋台みたいになっている場所があって、おもてなしがとにかくすごい!お寿司を握ってくれるカウンターもあるし、串を揚げてくれたり、ラーメンを作ってくれたり。バイトのスタッフの子がスイーツを作っていたりもして。あと、サウナ施設や温泉もついていたり、シアタールームまで完備されていて……会場入りしたあとにまずバックヤードをツアーするんですけど、「宗悟くんが来る前に西川貴教さんも来ていたんだけど、ここでいっぱい食べていたよ」って教えてもらいました(笑)。そこがすごく良かったので、またいつかSENDAI GIGSでライブがしたいです。

次ページ:仲村宗悟とバンド。固い絆や一体感を見せる彼らの時間

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