歌手、作曲家、作詞家、声優アーティスト――アニメ音楽の歴史に名を刻む偉大なる存在(=巨人)のキャリアと功績を紹介する連載「Anisong Giants -アニメ音楽の巨人たち-」。第11回は、2022年12月6日に惜しくもこの世を去った歌手・水木一郎をフィーチャー。
アニソンデビュー作となった『原始少年リュウ』を皮切りに、『マジンガーZ』『バビル2世』『宇宙の騎士テッカマン』『宇宙海賊キャプテンハーロック』『ルパン三世』『プロゴルファー猿』といったアニメ作品の主題歌、そして「仮面ライダー」シリーズや「ウルトラマン」シリーズなど数多くの特撮ソングを歌い、全世界に向けてその魅力を発信し続けた「アニキ」のジャイアントステップに迫る!
TEXT BY 不破了三
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2022年の暮れも近づく12月6日、アニキの愛称で親しまれたアニメソングの帝王、水木一郎さんが世を去った。日本のTVアニメの黎明期から「主題歌」という番組の顔を担い続けてきたアニメソング歌手の草分けであり、死の直前までそのアニメソング歌手であり続けることを望んだ「生涯現役」の人だった。「ゼーット!」の雄たけびとともに知られる代表曲「マジンガーZ」を筆頭に、数々のアニメ・特撮ソングや、子ども番組・童謡などのキッズソングを歌い続け、1999年には前人未到の「24時間1000曲ライブ」を成功させるなど、生涯にわたって積み重ねた持ち歌は、ゆうに1200曲を超えるという。2022年7月にがん闘病中であることを公表しながらも、病に立ち向かう強い意志を示して生涯を全うした彼の姿に、心を強く動かされた方も多いはず。今回は、そんな水木一郎が自ら切り開き、力強く踏みしめながら歩んできたアニメソングの「道」を振り返ってみたい。
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