――カップリングの「un_mute」は、デビュー時から坂本さんの曲の作詞をされていて師匠的な存在でもある岩里祐穂さんが書かれていますね。
坂本 こちらも壮大な曲で、「まだ遠くにいる」とは違った、静かだけどエモーショナルな楽曲なんです。止まっていた時間が動き出す、といったことが描かれていて、その止まっていた時間というのは自分が後悔していることだったり、ショックな出来事から立ち直れずにいることだったりする……。世界は動いているのに自分だけが止まっているような人の心の氷を、少しでも溶かしてあげられるような音楽というのをテーマに作りました。なので岩里さんには、浄化だったり、許しだったりを感じられる歌詞がいいです、というオーダーをしました。それだけのヒントで、想像以上のスケールで歌詞を書いていただけて、受け取った瞬間に、やっぱりさすがだなぁと思いながら読んでいました。曲自体も気に入って書いてくださったみたいなので、とても愛情がこもった歌詞になっていると思います。
――「un_mute」もコーラスが印象的なんですけど、作曲のSIRAさんがコーラスに参加されていますね。これにはどんな効果があったのでしょう。
坂本 SIRAさんは、以前曲を書いていただいたり(「Hidden Notes」)、いつもライブに来てくださったりして、またご一緒したかったので嬉しかったです。コーラスに参加していただいたのは、天から降り注ぐ声というところで私以外のもう1人のコーラスが入ったほうがいいと思ったからで、実際にすごく奥行きが出たと思います。
――たしかに降り注ぐ感じでした。ちなみに「un_mute」は、昨年末のワンマンライブのタイトルでしたね。
坂本 「un_mute」がすごく良いタイトルだったので、いただき!みたいな(笑)。直近の曲に合わせたライブタイトルがいいと思っていたんですけど、「まだ遠くにいる」ライブって、なんだかイヤじゃないですか……(笑)。それなら「un_mute」のほうが合うな、と。ただ自分では、そんなに産休明けみたいな印象を強く受けるとは思っていなかったんです。でもよくよく考えたらそうだよねっていう。
――そして、初回限定盤特典CDで「坂本真綾LIVE 2022 “un_mute”」のライブ音源が聴けるということで、こんなに早く聴けるのは嬉しいですね。
坂本 本当ですよね!ライブをやる前から決まっておりました(笑)。映像化するつもりはなかったので、音だけでもどこかで聴かせられたらいいなと思っていたんですけど、そのタイミングが思ったよりも早かったです。
――2023年がこのシングルからスタートするような感じもしますが、昨年は色々なことが起きた1年でもあったので、心境の変化などはありそうですか?
坂本 どうだろう……。価値観とかは、生きていれば、自然の流れで変わったり変わらなかったりするでしょうけど、実は結構変わらないなっていう印象です。でも、自分ではわからないのかなぁ。ただ、今まで以上に作詞にかけられる時間が物理的に減ったので、無駄に時間をかけなくなったというのはあるかもしれません。あと、今年はこのシングルのリリースあと色々と活動もするのですが、それを楽しみにしていただきつつ、私は淡々と日々を生きていきます(笑)。
●リリース情報
「まだ遠くにいる / un_mute」
2023年1月25日(水)発売
【初回限定盤】
品番:VTZL-220
価格:¥3,300(税込)
【通常盤】
品番:VTCL-35349
価格:¥1,540(税込)
<収録内容>
01.まだ遠くにいる (WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」EDテーマ)
作詞:坂本真綾 作曲:姉田ウ夢ヤ・堀下さゆり 編曲:姉田ウ夢ヤ
02. un_mute (TVアニメ「REVENGER」EDテーマ)
作詞:岩里祐穂 作曲:SIRA 編曲:河野 伸
03.こんな日が来るなんて
作詞・作曲:坂本真綾 編曲:北川勝利・acane_madder
04.まだ遠くにいる -Instrumental-
05.un_mute -Instrumental-
06.こんな日が来るなんて-Instrumental-
<初回限定盤 特典CD>
2022年11月26日、27日に開催の「坂本真綾LIVE 2022”un_mute”」@東京国際フォーラム ホールAで演奏するライブ音源から11曲収録予定。
●作品情報
WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』
放送・配信日:2023年1月14日(土)午後10時30分より放送・配信スタート
WOWOWプライム(第1話無料放送)、WOWOWオンデマンド(無料トライアル実施中)
【STAFF】
原作:日向理恵子(「火狩りの王」ほるぷ出版 刊)
キャラクター原案:山田章博
監督:西村純二
構成/脚本:押井守
キャラクターデザイン:齋藤卓也
総作画監督:齋藤卓也・黄瀬和哉・海谷敏久
エフェクト作画監督:小澤和則
イメージイラスト/プロップデザイン:岩畑剛一
美術設定:中島美佳
メカニックデザイン:神菊薫
クリーチャーデザイン:松原朋広
美術監督:小倉宏昌
色彩設計:渡辺陽子
筆文字:勝又まゆみ
劇中画:水野歌
CG監督:西牟田祐禎
CG制作:レイルズ
タイトルデザイン/2Dワークス:山崎真紀子
特殊効果:櫻井英朗
撮影監督:荒井栄児
編集:植松淳一
監督助手:菅野幸子
音楽:川井憲次
オープニングテーマ:家入レオ「嘘つき」
エンディングテーマ:坂本真綾「まだ遠くにいる」音楽制作:フライングドッグ
音響監督:若林和弘
音響制作:プロダクション I.G
アニメーション制作:シグナル・エムディ
【CAST】
灯子:久野美咲
煌四:石毛翔弥
明楽:坂本真綾
炉六:細谷佳正
綺羅:早見沙織
緋名子:山口愛
クン:國立幸
照三:小林千晃
火穂:小市眞琴
油百七:三宅健太
火華:名塚佳織
焚三:宮野真守
灰十:三木眞一郎
紅緒:原優子
ほたる:宮本侑芽
炸六:真木駿一
炎千:上田燿司
火十:綿貫竜之介
ヤナギ:大原さやか
キリ:嶋村侑
ひばり:石田彰
ナレーション:榊原良子
<INTRODUCTION>
人類最終戦争後の世界。
大地は炎魔が闊歩する黒い森におおわれ、人々は結界に守られた土地で細々と暮らしていた。
最終戦争前に開発・使用された人体発火病原体によって、
この時代の人間は、傍で天然の火が燃焼すると、内側から発火して燃え上がってしまう。
この世界で人が安全に使用できる唯一の<火>は、森に棲む炎魔から採れる。
火を狩ることを生業とする火狩りたちの間で、あるうわさがささやかれていた。
「最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星、<揺るる火>が、帰ってくるー」と。
“千年彗星<揺るる火>を狩った火狩りは、<火狩りの王>と呼ばれるだろう”
紙漉きの村に生まれ、禁じられた森に入って炎魔に襲われたところを、火狩りに助けられた灯子。
首都に生まれ、母を工場毒で失い、幼い妹を抱えた煌四は“燠火の家”に身を寄せることを決意する。
灯子と煌四、二人の生き様が交差するとき、あらたな運命が動きだすー
坂本真綾 オフィシャルHP「I.D.」
http://www.jvcmusic.co.jp/maaya/
「火狩りの王」公式サイト
http://hikarinoou-anime.com/
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