タイ出身アニソンシンガー・MindaRynの1stアルバム『My Journey』が12月21日に発売される。これまで4つのアニメタイアップを担当し、2023年1月から始まる『神達に拾われた男2』のOPテーマも担当することが決まっている彼女にとって、アルバムの制作は“夢”だったという。そんな彼女に、「旅」をテーマとするアルバムについて、そしてその旅の先について話を聞いた。
INTERVIEW & TEXT BY はるのおと
――TwitterでMindaRynさんのツイートを拝見していると、夏に少しタイに戻られていたものの、それから長く日本にいらっしゃるようで。
MindaRyn コロナの影響もあって、ずっと日本に行くことができなかったんですけど、5月にやっと来ることができました!これからは日本を拠点に活動していくつもりです。色々手続きがあって大変でしたが、スタッフさんが助けてくださってすごく感謝しています。
――日本に本格的に住んでみて、何か日本に対する印象に変化はありますか?
MindaRyn まず、日本の夏が思ったより暑くて……もっと涼しくてリラックスできると思っていました。あと初めての一人暮らしなんですけど、日本はゴミの分別がすごく難しい! 「えー、こんなに難しいの?ちょっと大変だなぁ…」と思うこともあります(笑)。みんなが協力しているから日本の街はきれいなんだなと感じました!私も頑張ります!
――日本で暮らすのと初めての一人暮らしを同時に始めるのは大変そうですね。
MindaRyn でも、楽しんでいます。日本の料理も作ったりして。ただ、これまでずっと家族と住んでいたのでホームシックになることもたまにありますね。1番恋しいのはペットかも!お母さんや妹が恋しいときは電話もできるんですけど、ペットは電話できないし。うちは犬を3匹、猫を2匹飼っていて、たくさん家族がいるんです(笑)。
――そうなんですね!それでは、アルバムの話を伺います。制作が決まった際の率直な気持ちを教えてください。
MindaRyn デビューが決まったときもすごく嬉しくて幸せでした。でも今回はアルバムを作るという夢が叶って嬉しいという想い以上に、MindaRynのことを信じてくれている皆さんへの感謝の気持ちが大きかったです。
――近年はサブスクなどで曲単位で聴くことが当たり前になり、アルバム単位で聴くというリスナーが減っているかもしれません。先ほど「夢」という話がありましたが、MindaRynさんにとってアルバムを作ることには特別な想いがありましたか?
MindaRyn はい。アルバムって1枚を通じてストーリーがあるじゃないですか。それは素敵なことだとほかの方のアルバムを聴いてずっと思っていましたし、そのアルバムの世界観を聴かせるコンサートも良いですよね。いつか自分もそんなことがしたいとずっと思っていました。
――『My Journey』のテーマは「旅」ですが、これはどういう流れで決まったのでしょうか?
MindaRyn まず、このアルバムのためにタイトルをたくさん考えてリストアップしました。例えば英語の「a cup of tea」(「好きなもの」というイディオム)をアレンジした「a cup of dream」とか。「My Journey」はその中の1つで、良いことも悲しいこともあったデビューしてからの2年間が旅みたいだと感じていたので、今回テーマとタイトルにしました。「My」は自分のニックネームの「マイ」と同じ発音なので、「MindaRynのJourney」という意味にもとれるかなと思って。
――今回のアルバムには新曲が5曲収録されています。これまでのシングル曲と比べ、歌に臨む気持ちに違いはありましたか?
MindaRyn 「Make Me Feel Better」以外の4曲はタイアップ曲ではないので、どう表現すればいいかすごく考えました。自分の心の中にあるものをきちんと表現したいので、どうしようかプロデューサーさんや作曲家さんとディスカッションしました。そこでこれまでの経験と照らし合わせたりしたおかげで、自分の中にあるストーリーを伝えられるように歌えたと思います。アニメの世界観を大事にするタイアップ曲とは全然違う感覚でしたね。
――それでは新曲の紹介を順番にお願いします。まずは1曲目の表題曲「My Journey」はどうでしょう?
MindaRyn これは「今いる場所から飛び出して、自分の夢を叶えるために新しい旅を始めよう」というメッセージの曲です。日本に行くことが決まって、タイで自分の部屋を最後に見たとき「これからしばらくこの部屋で眠ることができなくなっちゃうんだな」とちょっと寂しくもあったんだけど、「これから新しい旅を進めよう!」というワクワクもあったんですね。そんな期待と不安が混ざったような気持ちを思い出して歌いました。
――曲の途中で扉を開く音と共にブレイクが入りますよね。そしてそのあとは明るい曲調や歌になりますが、それはMindaRynさんの旅立ちと一緒だと。
MindaRyn そうです。イントロはオルゴールっぽいサウンドで夢の中にいるようなところから始まって、前半は部屋の中で旅の準備をしているような雰囲気で歌い方もちょっとダウナーな感じ。でも、ブレイクのあとは明るくなって「冒険がはじまる!」という雰囲気になっています。
――3曲目の「Make Me Feel Better」は「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」の主題歌ですね。
MindaRyn この曲は「仲間との絆」がテーマになっています。『転スラ』の主人公・リムルとその仲間たちとの関係性とすごくリンクしているなと感じています。『転スラ』を観たことない方も、この曲を聴いて自分の大切な人のことを思い出してもらえたら嬉しいです。
――MindaRynさんはTVアニメ第2期第2部の主題歌「Like Flames」以来、二度目の『転スラ』とのタイアップですが、作品に対するイメージは以前と変化はありますか?
MindaRyn 私はデビュー前から『転スラ』ファンだったので、主題歌を担当してからも好きという気持ちは変わりません。でも、そこに感謝の気持ちが加わりました。『転スラ』は日本中、そして世界中の皆さんに私のことを知ってもらえるきっかけとなった作品だし、人生を変えてもらった作品です。これからもそんな大切な作品のために全力で頑張りたいですし、『転スラ』の魅力をもっと広めたいという気持ちが強くなっています。
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