――大勢のシンガーの声が詰まった、贅沢な仕様のOPテーマとなりましたね。『犬ひろ』やこの楽曲をきっかけに、改めて参加アーティストの作品、また美少女ゲームの楽曲に注目が集まってほしいという想いもあります。
Rita 美少女ゲーム界隈で仕事をさせていただいていると、年齢制限もあるものだからこその広がりを感じることがありまして。大人の嗜みだからこそ楽曲的にも深く描いていける部分が多いと思いますし、ジャンルもすごく幅広くて、良い意味で制限がない。そんな世界の一端に新しい世代の方も触れていただいて、これを起点に昔の曲を遡っていただければ、もっと楽しい世界が広がると思いますし、そうなることを個人的にも期待しています。
――確かに、ひと口に美少女ゲームの楽曲といってもその幅は広いですよね。
Rita すごく広いんですよ。今回の楽曲みたいにかわいい系やロックはもちろん、謎の民族音楽からジャズまで本当に色々な楽曲があるので、際限なく色んな音楽に触れることができて。美少女ゲームの音楽は本当に面白い世界なので、『犬ひろ』をきっかけに入って楽しんでいただければと思います。
榊原 今はネットで色んな情報を手に入れることはできますけど、歌やお芝居は実際に触れてみないと「名前はよく見るけど……」で終わってしまうことが多いと思うんですよ。でも、今回はアベンジャーズが集まったので(笑)、これをきっかけに色んな方々が興味を持ってくれればいいなって思います。もちろん昔から私たちの音楽を聴いてくれている方たちも、その世界を知らない皆さんが行動してくれるきっかけのひとつになるのかなと思っていて。最近はパソコンを持っていない人たちが多くなりましたけど、ダウンロードで昔のゲームも気軽にプレイできるようになってきたので、これから先の作品だけでなく、遡って名作を楽しむこともできる。そこで「『犬ひろ』のあの人が歌ってるじゃん!」ってなってくれれば。
Rita そう、数珠繋ぎでね。
榊原 メーカーさんや私たちも時代と共に変化していくものに対応していきつつ、知ってくれる人が増えてくれるといいなと思っていて。私たちの歌もいっぱい楽しんでいただきたいですね。1人のアーティストでも全然違う曲を歌っているので、それを追いかけるだけですごく楽しいですよ。
Rita 『犬ひろ』の場合、それが15通りありますよっていう(笑)。ゆいにゃんを追いかけるだけでも相当な数がありますから。本当に豊富なコンテンツなので、この作品のおかげで扉を開いてくれると嬉しいですね。
榊原 絶対オタ活が充実すると思う(笑)。推し活・オタ活って健康にいいっていうじゃない? だから活き活きすると思う(笑)。
橋本 アニソンもゲーソンもそれぞれにいいところはありますけど、ゲームの場合は実際にプレイヤーの方が選択をして、ちゃんと自分がその世界の中に入ってヒロインたちと恋愛をしていくので、楽曲に対しての思い入れや作品への愛の強さがハンパないんですよ。ライブやイベントで歌わせていただくと、イントロが流れただけで泣き崩れる方が出てくるんですね。私は最初、その意味がよくわからなくて、「自分の聴きたい曲じゃなくてがっかりしているのかな?」と思ったんです。そうしたら、その人がめちゃめちゃ泣きながら歌っているんですよね。どうやらその曲が大好きだったらしくて、私よりも歌えるんですよ(笑)。
――確かにイントロで崩れ落ちる光景はよく見たことがありますね。それだけ思い入れが強いものが多い。
橋本 その人はゲームのなかで恋愛しちゃっているから。
榊原 人生を体験しているわけだからね。
――美少女ゲームはヒロインごとにエンディングがあって、恋愛が成就した末に流れるEDテーマに思い入れが強い人は多い気がします。
橋本 あとOP曲でも、「あ、これで俺の青春が始まった!」ってなるわけですよ。やっぱり青春しちゃっているわけだから。アニメでも青春したり自分がヒーローになれる部分はありますけど、ゲームはまた角度が違うんですよね。
榊原 私の場合は声優もやっているから、私が演じるヒロインが歌っている!ってなると、ファンの方の思い入れがダダ漏れで伝わってくるんですよね。
Rita 「俺の彼女はゆいにゃん」なわけだからね(笑)。
榊原 それこそ「俺の嫁」がリアルな感じなんですよね。それとゲームのファンの方は挿入歌に対してのパッションが全然違います。すごくいいところで流れるわけですから。
Rita OP曲、ED曲、挿入歌に対してのテンションが同じなんですよね。
榊原 最初の頃は「ライブで挿入歌を歌って大丈夫かな?」と思っていたんですけど、実際に歌うとそれどころじゃない反応で、「あの曲がやっと歌われた!」って喜んでくださるんです。
Rita 愛情がすごく感じられるよね。
榊原 そういうものはいつまでも忘れないしね。ずっと好きでいてくれる。
橋本 アニソンには歴史がありますけど、美少女ゲームの歴史は言ってもまだ20年ちょっとなので、楽曲に関してもすごくチャレンジングなものがあって、色んなものに挑戦できた。そういう一風変わったものが受け入れられて広がっていった部分もあったし、それもゲーソンならではのことだと思います。
――そうした美少女ゲームソングのメソッドがアニメに輸入された過去もあるわけですから、どちらも相互乗り入れな環境ではありますよね。
橋本 一時期は美少女ゲームがアニメ化されることも多かったわけですからね。今回の『犬ひろ』の楽曲は、美少女ゲームソングの面白いところや良いところを反映してくれていて、古き良き美少女ゲームソングの良さも詰まっていて懐かしい気分でもあるし、逆にここまでみんなで集まって歌うことは今までなかったので、自分としてもすごく面白い部分が詰め込められたかなと思います。
――皆さんのお話を聞いて、改めて意義のある作品だなと思いました。あと素朴な疑問なのですが、この楽曲をライブで再現するとなると、どうやるんだろう?という。
Rita 佐咲さんとは、「このメンツだったらいかようにも組み合わせられますね」という話になりました。
榊原 この1曲だけでライブできるよね。これだけいれば(笑)。
Rita 延々とこの曲のバージョン違いで回せる(笑)。
――「逆境☆不惑☆フラクション」だけしかやらないライブですか!(笑)。
Rita で、最後にガヤだけのバージョンの音源を流して、観客が歌って終わるとか(笑)。ライブで声出しができるようになったらやってみたいですね。
榊原 私は“『犬ひろ』フェス”を開催してほしい! 声優さんたちにも生アフレコをやっていただいたり。
橋本 でも、ステージに立ったらお客さんの目線はポチ太(『犬ひろ』の主人公)と一緒になるね。
Rita あっ、ローアングルになる(笑)。
榊原 あとさ、グッズで犬耳を作りましょうよ!
橋本 首輪とかもいいかも!
――どんどんアイデアが出ますね! 皆さん、製作委員会に参加したほうがいいですよ(笑)。
榊原 あと、実は私も声優で参加しているので、それも楽しみにしてほしいですね。原作ギリギリでアニメもすっごく攻めているので(笑)。アニメ本編も期待してくれたら嬉しいです。
●リリース情報
TVアニメ『犬になったら好きな人に拾われた。』OP/ED主題歌
「逆境☆不惑☆フラクション/レッツゴー・マイ・ハウス!!!」
2月15日(水)発売
■mora
通常/配信リンクはこちら
品番:KICM-3377
価格:¥1,980(税込)
<CD>
1.「逆境☆不惑☆フラクション」
橋本みゆき、榊原ゆい、Rita with AiRI、Ayumi.、片霧烈火、川村ゆみ、佐咲紗花、Duca、中恵光城、のみこ、美郷あき、yozuca*、rino、riya(eufonius)
2.「レッツゴー・マイ・ハウス!!!」
犬飼加恋(CV.会沢紗弥)、猫谷ミケ(CV.相良茉優)、月城うさぎ(CV.小坂井祐莉絵)
3.「逆境☆不惑☆フラクション」橋本みゆき with チーム犬(Ayumi.、川村ゆみ、佐咲紗花、美郷あき) ver.
4.「逆境☆不惑☆フラクション」榊原ゆい with チーム猫(片霧烈火、Duca、のみこ、rino) ver.
5.「逆境☆不惑☆フラクション」Rita with チームうさぎ(AiRI、中恵光城、yozuca*、riya(eufonius)) ver.
6.「レッツゴー・マイ・ハウス!!!」犬飼加恋(CV.会沢紗弥)ソロver.
7.「レッツゴー・マイ・ハウス!!!」猫谷ミケ(CV.相良茉優)ソロver.
8.「レッツゴー・マイ・ハウス!!!」月城うさぎ(CV.小坂井祐莉絵)ソロver.
9.「逆境☆不惑☆フラクション」Inst
10.「逆境☆不惑☆フラクション」Gaya ver.
11.「レッツゴー・マイ・ハウス!!!」Inst
TVアニメ『犬になったら好きな人に拾われた。』公式サイト
https://inuhiro-anime.com/
橋本みゆき オフィシャルサイト
http://hashimotomiyuki.com/
榊原ゆい オフィシャルサイト
http://www.sakakibarayui.com/
Rita オフィシャルサイト
https://rita-official.info/
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