INTERVIEW
2022.12.21
Spotifyのポッドキャスト・ENCOREとの連動企画!2022年11月13日に開催された藍井エイルの横浜アリーナワンマン公演“Eir Aoi 10th Anniversary LIVE 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011-2022”を、藍井エイル本人とバンドマスターの重永亮介(key)が振り返るトークパートの番外編をお届け。2人がファンからの質問に答えつつ、横アリ公演の裏側からこぼれ話までを語り尽くす!
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INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
――ENCOREでは、横浜アリーナ公演“Eir Aoi 10th Anniversary LIVE 2022 ~KALEIDOSCOPE~ History of 2011-2022”のセットリストの楽曲を聴きながらライブについて振り返っていましたが、ここではENCOREでは紹介しきれなかったファンからの質問にお答えいただければと思います。
藍井エイル・重永亮介 よろしくお願いします!
――まずはゴルダさん(@GUV39vou5oX5gze)からの質問です。「1曲目の「MEMORIA」が始まる瞬間どんな気持ちだったんでしょうか。また普段のライブが始まる瞬間と気持ちは違ったのでしょうか?」。
藍井 う~ん……私は「行くぜっ!」っていう気持ちでした(笑)。
重永 (笑)。僕たちバンドメンバーは演出的に、黒マントを被って懐中電灯で照らしながら自分の持ち場まで行ったうえで、マントを脱いでセッティングしなくてはいけなかったので、何かを感じる余裕はあまりなかったかもしれない。
藍井 私は逆にマントを脱ぐだけでよかったし、(立ち位置がステージの)中央でわかりやすかったので、意外と余裕はあったかも。今回のライブは演出が普段とは違って、「不思議の国のアリス」の世界観を自分たちで作るステージだったので、いつもとは違う感覚もあって。
重永 確かに。今までのエイルはロック系のライブが多かったけど、今回はスペシャルライブという感じで、セットリストも演出もテーマに沿っていく流れだったよね。
藍井 そう。だから例えば、今までのライブがテーマパークにお客さんとして行くときに感じるワクワク感だとしたら、今回は自分もテーマパークのアクター側になって、「自分がみんなを楽しませるぞ!」という気持ちがありましたね。
――だからこそ、衣装のコンセプトも「黒アリス/白アリス」で、藍井さん自身がアリスとしてステージに立っていたわけですね。
藍井 そうなんです。そこで私が何か話してしまうと、「アリス」のような世界観が崩れてしまうので、あえてMCは基本なしという形にしました。
――とはいえ、本来は藍井さんがバンドメンバー紹介をするパートで、そのことを失念していて慌てる場面もありましたが(笑)。
重永 そこは隠せない一面(笑)。あれはあれでエイルらしくて良かったと思うけど。
藍井 あのときは「これ、絶対に私が何かやっちゃったよね……」と思って(苦笑)。(楠瀬)タクヤさんが間違えるわけないもん(注:藍井が次の段取りを思い出すまでの間、楠瀬がドラムを叩き続けて場を繋いでいた)。あれは悔しかったなあ。
重永 映像化する際は、ぜひ収録してほしいですね。
藍井 いや~、あそこはカットしてくれ~(笑)。
――次の質問にいきましょう。Andrew ミチオ Tiburcioさん(@MICHIO87)からは「“夢の国”とかリアルのエイルランドのコンセプトをどう考えたんですか?」とのことでした。「不思議の国のアリス」のコンセプトはどこから生まれたのでしょうか?
藍井 実は順番で言うと、ニューアルバムの『KALEIDOSCOPE』の話が先にあって、アルバムのアートディレクターさんが「不思議の国のアリス」的な要素を入れたいというアイデアを出してくださったところから、ライブにもそのイメージを取り入れることにしました。ファンの皆さんからすると、ライブがアルバムの伏線になっている状態で、アルバムを手にしたときに「だからライブはああいう演出だったんだ」と気付く部分が多いんじゃないかと思います。
重永 ニューアルバムのタイトルが決まっているなかで、先にそのタイトルを付けたライブを行うのは初めてだったよね。普通は作品をリリースしてから、そのタイトルのライブを行う流れだったから。
――その意味ではニューアルバムがますます楽しみになってきました!続いてはぺんたっくすさん(@pentaxs0v0)賛歌らの質問。「ライブの衣装チェンジの時、エイルの朗読が流れてカレイドスコープの世界観にマッチして印象的でした。あの朗読内容はもしやエイルが考えたのでしょうか?」。
藍井 もちろん全部私が考えました。(ライブの)演出家さんに「朗読してもらうから、詩を考えてきて」って割と雑に依頼されて(笑)。そこから4日くらいかけて作ったものを持っていったら、少し削ったくらいで基本OKでした。雑に言われましたけど、私は丁寧に作りました(笑)。
重永 そこは大事だよね(笑)。
――あのパートには「水鏡の詩」という題名も付いていましたが、普段の歌詞を書く作業とはまた違ったのではないでしょうか?
藍井 歌詞を書くのとは違いましたけど、いつもCDをリリースするときにコメントを書くのと似たような感覚でしたね。小説の一部分を書いているような気分にもなりました。
――もしかして、新しい扉を開くことができた?
藍井 その朗読をレコーディングしたときに、新しい扉を開いた感があったかも。自分の中ではスラスラ言えているつもりなのに、(録音した音声を)聴いてみるとすごく舌足らずに聞こえるんですよね。なんかテチテチしていて(笑)。
重永 まあ歌の技術とは別物だから、難しいよね。
藍井 そう。声優さんの朗読はやっぱりスラスラしているじゃないですか。声優さんが普通に歩いていたり、早歩きしている感じだとすれば、私はまだハイハイしている感じがすごくしました。
――それと、ぺんたっくすさんから「あと収録する時はカミカミエイル発動しましたか?」とのことですが。
藍井 もちろんめちゃめちゃ噛みました(笑)。私のことをちゃんとわかってくださっていて、ありがとうございます!
重永 エイルなら噛むだろうっていう(笑)。
藍井 たまにTwitterで「今日もポンコツで良かった」と書かれるんですけど、最初は「これはどう受け止めればいいんだろう?」と思って(笑)。結果、プラスに受け止めることにしました。
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