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INTERVIEW

2022.11.11

語られてこなかった3年間、その逆境を経て放たれる1stアルバム。今だから言える「幸せ」の真意とは? YURiKAロングインタビュー

語られてこなかった3年間、その逆境を経て放たれる1stアルバム。今だから言える「幸せ」の真意とは? YURiKAロングインタビュー

“トゥルーエンド手前のキャラエンド”が描かれた「Key to my next gate」

――それでは改めて、1stアルバム『KiRA☆KiRA』のコンセプトや収録曲の選考基準などについて教えていただけますか?

YURiKA 今回、アルバムについてはゼロから考え直しました。まず、収録するのはアニソンだけで、ゲームの主題歌や挿入歌、オリジナル曲は入れないことにしたんです。このアルバムで私を知ってくれる方から、5年間ずっと応援してくれている方まで、色々な方に聴いてもらうことを第一に考えて、「YURiKAってこういう人」とわかるようなものにもしたかったので、“アニソンシンガー”であるYURiKAの1stアルバムというところを意識しました。かといって、アニメ主題歌ではない新曲を適当に扱っているわけじゃなくて、1曲1曲真剣に向き合っていることも伝えたかったんです。私、“全曲主役”って言っているんですよね(笑)。なので、実は新曲の3曲を並べると“時系列”にもなっています。

――“時系列”というのは?

YURiKA アニソンシンガーになる前から今に至るまでのYURiKAを表しているんですよ。まず「Key to my next gate」には“2020年くらいまでの私”が込められていて。なので2番のサビに入っている「OK!」は私が出たアニサマ(「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」)のタイトルからきていますし、『リトルウィッチアカデミア』にちなんで“魔法”という言葉も入っているし。楽曲も、アニソンシンガーとして走り始めたときの私を連想させるような、前向きでキラキラしたものを込めた曲になっています。

水野 作詞の霜月はるかさんにも、「ゲームの主人公のYURiKA」を想定してもらいました。ただし、ゲームでいうところの「トゥルーエンド」ではなくて「キャラエンド」を、というイメージでお願いしまして。

YURiKA そう。そのルートまではハッピーなんです(笑)。だけど、そこからトゥルーエンドに行くまでに1回落ちるんですね。その部分をZAQさんに書いていただいたのが、2曲目の新曲「Crave」です。先ほどお話しした、挫折の中でもがくような姿を歌詞に閉じこめてもらいました。そして、もう1つの新曲「パーソナリティ」が、もがいた時期を経たあとの今の私に当てはまる曲なんです。これは、『リトルウィッチアカデミア』のときに出会ってから切磋琢磨してきた大原ゆい子さんに作曲していただき、私が作詞をしました。

――アルバムの1曲目にはインスト曲として「MAGICAL FESTA」も収録されていますね。

YURiKA この曲もエモいんですよ! ライブの入場曲になるようなインストを1曲目に入れたい、とお話ししてできた曲です。タイトルも『リトルウィッチアカデミア』にかけたものですし、編曲してくださった吉田 穣さんが歴代の『リトルウィッチアカデミア』曲のオマージュを散りばめてもくれました。

――その方向性になった、きっかけのようなものはあったんでしょうか?

YURiKA 今年の5月に秋葉原UDXで、アニメミライ版『リトルウィッチアカデミア』と『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が上映されたんですけど、そこに私と吉田さんとゆい子さんの3人で観に行ったんですよ。その時点では、アルバムの話や「インスト曲を作りたい」という考えがあったものの、まだ明確なイメージはなかったんですね。でも、作中でアッコが「MAGICAL FESTA」というシャリオのショーのポスターをバーン! と貼ったのを見て、「インスト曲、『MAGICAL FESTA』っていう曲にします!」ってその場で言ったんです。それを叶えてくださったんだと思います(笑)。

水野 あと、「ROMA☆KiRA」はMVを日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)で撮ったんですよ。それはなぜかというと、明言はされていませんけど、シャリオのショーってどう見ても日比谷の野音でやっているからで。

YURiKA 私にとっての最初と今が繋がる、というMVにしたかったんですよね。もちろん単体の曲としても聴いてもらえるようになってはいますけど、『リトルウィッチアカデミア』のときから聴いてくれていた人には、別の意味も感じてもらえるかもしれません。

――新曲それぞれを手がけたクリエイター陣も、YURiKAさんを知る人にとっては納得の布陣となっています。「Key to my next gate」はKeyの折戸伸治さんが作曲で。

YURiKA 私の脳内では、「絶対ここでセリフが入ってくる!」みたいな、この曲を使ったゲームのOP映像ができています(笑)。そういうイマジネーションが膨らんじゃうような、イントロがかかった瞬間に「あー!」って頭抱えちゃうような曲ですね。しかも、“鍵っ子”なら誰もが一度は通る、折戸伸治さんの曲を初めて歌えたんですよ! 本当にダメ元でお願いしたんですけど、「なんとかします」と快諾してくださって……すごくありがたいお話でした。

水野 折戸さんには楽器のレコーディングにまでわざわざ来ていただけた上、2年ぶりにTwitterを動かして告知までしてくださいました(笑)。

――レコーディングには作詞の霜月はるかさんもいらっしゃったんですか?

YURiKA はい。基本的には水野さんがディレクションをしてくださったんですけど、きっと色々お話しされているんだろうな、ってブースの中から想像していました(笑)。あと、この曲で「うわぁ、鍵音楽だ……!」と感じてグッときたのは、Aメロとかに入っている英語のコーラスを聴いたときですね。私は歌詞として英語をしゃべっているんですけど、歌詞カードには記載されていないしそんなにはっきり聴こえないものなので、「これ、みんなが考察するやつだ!」と思って(笑)。

水野 それは折戸さんと霜月さんもおっしゃっていましたね。この2人はすごくたくさんのやり取りをしながら細かく作り込んでくださったので、僕自身も大変勉強になりました。

「Crave」「パーソナリティ」と、このアルバムで“一番言いたかったこと”

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