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2022.11.02

【ライブレポート】「新しい銀河を進んでいきたい」個性豊かな9つの星が届けた、光輝くステージ――“HOLOSTARS 2nd ACT「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」”レポート

【ライブレポート】「新しい銀河を進んでいきたい」個性豊かな9つの星が届けた、光輝くステージ――“HOLOSTARS 2nd ACT「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」”レポート

「感無量だったのは、ハロワ(「Re:Hello world」)をみんなで歌えたこと!」最後のMCで、この日3周年を迎えた律可はこうファンに告げた。会場内に目には見えない感動の星が流れていく――。

男性VTuberグループ「ホロスターズ」による2回目の全体ライブ“HOLOSTARS 2nd ACT「GREAT VOYAGE to UNIVERSE!!」”が、10月20日にZepp DiverCity(TOKYO)にて開催された。VTuberならではの技術を駆使した空間演出など技術面でも抜かりない高度なライブだったが、それ以上に輝いていたのは、全員が各々の個性を認め合いながらライブパフォーマンスを行っていたこと。例えば、謎のイタリア人でありながらもラップをこなすなど流行りものに敏感なアルランディスや、魔界生まれで低音ボイスが売りの荒咬オウガをはじめ、メンバーそれぞれの個性が輝いているのがホロスターズの醍醐味でもある。

ステージのスクリーンに映し出された宇宙船のコックピットのような船内には、星図を模した今回のライブロゴが光輝いている。そこに「ホロスターズ フラグシップ 全員の乗船を確認!」と荒咬オウガの声が流れる。どうやら、このZepp DiverCity(TOKYO)で彼らの出番を待っている私たちは、銀河を旅する目前にいるらしい。それはまるで乗り物に乗って動くまで待機しているかのようだった。そうして、始まる9人の声によるカウントダウン。無数の輝く星たちの中に飛び込んだ。

暗闇に差し込んだ光が、ステージに現れた1期生(花咲みやび、奏手イヅル、アルランディス、律可)、2期生(アステル・レダ、岸堂天真、夕刻ロベル)、3期生(影山シエン・荒咬オウガ)を照らす。1曲目は、横一列に並んだ9人が力強く片手を振りかざしながら歌ったオリジナル曲「JOURNEY to FIND STARS」。「みんな、お待たせ!2ndライブ開幕だ~!」というみやびの言葉に続いて全員次々とファンへ始まりのメッセージをおくる。爽やかな夜明けを迎えたような、始まりに相応しいスタートだ。そして、続くメンバー1人1人にフォーカスした自己紹介ソング「We are the HOLOSTARS!!」からは、思い思いに手を叩いたり、その場を飛び跳ねたり、エアギターを弾くような所作で片腕を振り回したりと、弾けたステージに。

1人でも満足度の高いステージを展開できるホロスターズだが、9人でパフォーマンスをすることでの最大のメリットは、1人のときよりも、それぞれの個性が一際輝くことにあるだろう。ホロスターズそのものの価値が1人1人の価値に貢献しているように思えた。

9人での勢いはそのままに3期生のパートへ。熱量の高まりとともにシエンが両脇に分身していくという演出を見せた「脱法ロック」に続いたのは、オウガによるマキシマム ザ ホルモンの「絶望ビリー」。スパークラ―の火柱やスモークがぶち上がるなかで、魔界からレンタルしてきたという巨大な鎌を振り回し、魔人らしいデスボイスを披露した。

「いやー気持ち良かった」と、再び爽やかなオーラでステージに戻ってきたシエンと対象的に、歌い終わった直後でステージ中央にしゃがみ込み、荒い息遣いで疲れ切った様子を見せるオウガ。コミカルなやり取りのあとには、オウガが「どうやら俺たち(舵取役の3期生)がはっちゃけている間に(この船は)迷子になったらしい」と告げる。そんな嵐が吹き荒れたあとのような空気の中、夜景の映像をバックにした3期生初のユニット曲「ナイト ライト サイド」を披露する。オウガの珍しい高音ボイスがシエンの伸びやかな歌声と柔らかなメロディへ絶妙に溶け込み、この夜を煌びやかに染めていくのがわかった。

「やばい‼この船、航路を外れてるって~!」と慌てながらステージに現れた2期生は、大騒ぎの末に、進路を決めるのは1期生で、運転するのは3期生だし、と余裕を取り戻す。2期生のパートは、流れ星が輝くなかで剣を引き抜き、天高く振りかざした天真の「シューティングスター」から始まり、ロベルはファンと踊るアイドルらしい振付を「POP-TALK」で魅せた。

なかでも、世界観を自分色に塗り替えたのは、こなれた歌声と指先から頭までを器用に使ったダンスパフォーマンスで初公開の新曲「A.scort」を魅せたアステルだった。3人とも、普段はふざけていても、ソロ演出となれば、人が変わったように歌の世界観に一本集中。彼らの中の光る才能を感じた瞬間だった。

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