INTERVIEW
2022.10.20
――お二人の新曲「エクリプス」は、『4人はそれぞれウソをつく』のOP主題歌ですが、作品のどんな部分を踏まえて作られた楽曲なのでしょうか?
田中 アニメ側からいただいた意見の1つに、「メタルっぽい曲調」というのがあったので、NACHERRYとしても新しい挑戦の楽曲になりました。歌詞も作品にしっかりと寄り添っていて、“嘘”という言葉が出てくるのはもちろん、“太陽/月”や“天使/悪魔”のようなフレーズがあることで、キャラクターが2つの顔を持っていることがわかりやすく描かれていて。楽曲自体もすごく激しいところがあるかと思えば、Bメロでちょっと落ち着くところもあって、二面性が感じられると思います。
村上 私は初めて聴いたときから、すごくオープニングっぽい曲だなって思いました。特にイントロのドラムの始まり方。それとDメロの“仮面外したら(なんで)楽になるの? 君に似てるからかもね 出会えた奇跡”という歌詞は、作中ではお互いに自分の正体や抱えているものを秘密にして生活している4人だけど、もしそれを打ち明けるときがきたら意外とうまくいくんじゃないか、ということを想像できて、作品への理解が広がる素敵な楽曲になりました。
――NACHERRYがここまでメタルに振り切ってくるとは思いませんでしたが、その意外性もまた、『4人はそれぞれウソをつく』の作品性に繋がるポイントなのかもしれないですね。
田中 きっと今まで応援してくれていた方は、1stシングルなのでもっと王道のNACHERRYっぽい曲がくることを想像していたと思うんです。でも、これまでとはガラッと変わりました。ジャケットやアーティスト写真も、今まではカラフルな衣装を着て笑顔で写っていたのが、今回はキリっとかっこいい感じで撮影して。あと、MVでは踊りにも挑戦しました。
村上 倉庫みたいな場所で撮影したんですけど、真夏だったのでめちゃくちゃ暑くて。
田中 なっちゃんはレザーを着ていたから余計に暑かったかも。私も長ズボンだったからお互い過酷だったよね。低温サウナで踊っているかのような感じで(笑)。以前に「HAPPY NACHERRY BIRTHDAY」という楽曲でフルで踊ったことはあったのですが、こういうロックな曲で踊るとは、レコーディングの時点では想像していなかったです。
――レコーディングではこだわったポイントは?
田中 曲自体は激しい感じなので気合いを入れて臨んだのですが、意外と力を抜いて歌うところもあるので、ちょっとリラックスするようにディレクションしていただいて。特に最初の入りの“仮面ってもはや自分でしょう”の“しょう”のところは、今までにない歌い方ができて自分でもお気に入りです。
村上 ここはラップっぽいパートになっていて。前にもラップ曲(「ナチェリのWa!!」)を歌ったことはありますけど、掴みが難しいなと思っていたら、田中がすごく上手くて。レコーディングのときから、ここは田中が担当になるだろうなと思っていました。
田中 それとDメロの“仮面外したら(なんで)楽になるの?”のところも好きですね。それまではお互い交互に歌うパートが多くて、ラップバトルみたいになるところもあるので、どちらかといえば2人で争っているように見えなくもないんですけど、ここで2人が1つになる感じがして。
村上 私もDメロが好きなんだよなあ。田中の“君に似てるからかもね”の歌い方が優しくて好き。あと“輝きを待っている 君と 何度もクロス”のところも。
――個人的には、締めの“(Woo)”という気合いの入った掛け声みたいなフレーズも新鮮で好きです。
田中 あそこは2人でやっているんですけど、ディレクションで「もっとおじさんっぽく」と言われたので、自分がゴリラになったイメージでやりました(笑)。
村上 めっちゃ上手だった!
田中 ちゃんと田中と村上でもあるし、でもゴリラ感もちょっとあるっていう。
村上 そんなこと言うと、みんなそこにゴリラを探しちゃうよ(笑)。
――少し話がそれますが、この楽曲で描かれているテーマにちなみ、お二人がお互いに「二面性」を感じる部分を聞いてみたいです。「こう見えて実は……」みたいな。
村上 うーん……お酒の話しか思いつかない(笑)。(田中は)酔うと乙女になっちゃうというか。
田中 あれは乙女なのか? どちらかというと赤子じゃない? バブーみたいな。
村上 ああ、そうかも。酔うとベタベタしてくるんですよ(笑)。
――それは甘えたくなるんですか?
田中 そうですね(笑)。酔うと楽しくなっちゃいます。でも、ちゃんと人は選んでますよ?
村上 それはそうだね(笑)。
――逆に田中さんは村上さんのどんなところに二面性を感じますか?
田中 なっちゃんは全力でニカッて笑うので、よくファンの方から「なっちゃんの笑顔は本当に太陽みたい」とか「笑顔をみると元気になります」と言われていて、私も「わかる!」ってなるし、そのなっちゃんも偽りではないと思うんですけど、2人でご飯とかに行くと意外と暗いんです(笑)。
村上 いや、別に暗くないから!(笑)。テンションが低いだけなの。
田中 そうそう。ファンの皆さんは、例えばなっちゃんが遊園地に行ったとすると、あのよく見る笑顔で「うわー!」ってはしゃいでいるところを想像すると思うんですけど、乗り物とかに乗っても意外とドライな反応なんですよ。
村上 そうなんです。体育祭とかでも「うわー!」って盛り上がるのではなく、逆にみんなが盛り上がれば盛り上がるほど冷静になっていくタイプでした(苦笑)。
田中 ファンの皆さんにとっては「元気な子」というイメージが強いかもしれないんですけど、冷静な一面もあるという。
村上 スイッチを入れれば元気です(笑)。
――あと、せっかくなので、お二人がキャラクターとして歌唱に参加している『4人はそれぞれウソをつく』のED主題歌「For 4 Forever」についても聞いていいでしょうか。
村上 この曲も意外じゃないですか? ほのぼの青春もの作品と思わせるような曲になっていて、実はウソをつき合っているようには聴こえない。『4人はそれぞれウソをつく』はもちろんずっとギャグが続いているわけではなく、4人の学生らしい青春を感じられる瞬間もあるので、そのシーンがいっぱい詰まった楽曲というイメージです。
田中 作品のテーマとして「ウソ」や「二面性」だけでなく、「友情」も描かれているので、この曲はその「友情」に全振りした歌だと思うんです。4人全員で歌ったり、2人で歌うパートもあるので、カップリングの想像も膨らみますし、お洒落であまりアニソンっぽくない曲調なので、そこも含めて意外性が感じられる曲だと思います。
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