REPORT
2022.10.03
夜開催の“live playground #003”は、halcaファンにはもうお馴染みとなったアコースティックライブ第3弾。昨年行われた“#002”はアコースティックギター2本とのセッションが繰り広げられたが、今回の“#003”のゲストミュージシャンは、2020年開催の“#001”以来の出演となるキーボーディストの荒幡亮平。ピアノ伴奏だけでライブを行うのは、halcaにとっても初めてのチャレンジだ。ステージセットも、昼の第1部とはガラリと雰囲気が変わっている。後方には紗のカーテンがかかり、ライブロゴの前には、温かい光を灯した小さなライトがロープに付けられ、垂れ下げられている。センターの丸いラグの上には、halcaが腰かけるハイチェアとマイクスタンド。キーボードの下にもラグが敷かれ、ステージ下手には公園にあるような木のベンチが置かれている。2人きりのアコースティックライブにふさわしく、まるでhalcaの家に遊びに来たような空間が作られていた。
開演の18時半。「告白バンジージャンプ」playgroundアレンジのインストゥルメンタルにのせて、オフホワイトのフリルたっぷりのドレスにハイヒールを履いたファンシーなhalcaと荒幡が登場。halca自身もアイデアを出し、“halcaの部屋”をイメージして演出したというステージセットを、2人でトークしながら紹介していくが、荒幡が吊り下げられたライトを「これはアレでしょ……漁船についているやつ」と指摘して笑いを誘う。オープニングから緩やかでフレンドリーな雰囲気が漂うのも「live playground」らしい光景だ。
そろそろ曲に行きましょうかと、穏やかでリラックスした“live playground #003”を幕開けたのは、リズミカルなピアノが楽しい「スターティングブルー」だ。第1部のカラフルなライティングとは正反対に、こちらはとてもムーディーな雰囲気。“live playground”は、じっくりと歌と演奏に聴き入ることができるのが魅力だが、仲良しのゲストプレイヤーとhalcaのおしゃべりがたっぷり聞けるのも大きな魅力だ。1曲目が終わったMCパートだけでも、halcaの喉ケア事情など、彼女のプライベートが垣間見えるトークが楽しい。halcaがベンチへ移動すると、「今日のhalcaちゃんはミュージカル感あるね」と言って荒幡が映画「ティファニーで朝食を」の名曲「ムーン・リバー」をピアノで奏で、それに合わせてhalcaがミュージカルスターのように踊り出すひと幕もあった。
ベンチに腰かけてしっとり歌われたのは「Fuzzy Rain」と「Complexの事情」。“live playground #002”でも感じたことだが、オーガニックなサウンドで紡がれるアコースティックライブで聴くhalcaの歌声は、普段のステージ以上に格別な響きを放つ。透き通った豊かな声と、抜群の歌唱力にいつも驚かされる。MCでは、「Complexの事情」の歌詞が、halcaナンバーを最も多く手がけている作詞家・宮嶋淳子と食事をしたときに、halcaが熱い想いを伝えてすぐに出来上がったというエピソードも話されていた。
続いて歌われたのは、イントロのトイピアノ風の音色がキュートで、楽曲のピュアな印象をますます増した「cue」。halcaが手拍子を煽りながら歌った「キミの隣」では、2番でゆっくりとベンチに腰かけてハイトーンを響かせる。歌い終えたhalcaはニコニコしながらベンチに座ったまま、わざと1人分空けてあった隣席のスペースを指して「みんなのぶん(=halcaの隣)、用意しといたよ!」と笑う。halcaとは久々に会って話すことができたという荒幡との幕間トークも絶好調。halcaの口癖についての話あり、学生時代からよく遊びに来ていた渋谷でマンスリーライブ以来、ライブをする機会が多くなったhalcaが「“渋谷の女”になります!」と宣言したり、話題もバラエティ豊かだ。
続いてのナンバーは、公式YouTubeチャンネルでも“halca playground #026”として公開された「あれこれドラスティック」。YouTube公開版ではアコースティックギター伴奏されたこの曲を、ピアノのみの伴奏というレアなバージョンで熱唱。エモーショナルに跳ね回る荒幡のピアノが、オリジナル音源にはない疾走感を醸し出し、拳をあげながら歌うhalcaが紡ぐ美しいメロディが新鮮なアレンジで迫る。halca本人も「アコースティックになると一気に晴れやかで平和な感じ。色んな顔があるから、まだまだ(曲を)探究していきたい。これからも歌っていきます、ぜひ皆さんも曲の様々な表情を楽しんでください!」と語っていた。
優しい歌声が透明な空気を作り出した「reprise」に続いて歌われたのは、美しいエレクトロニックピアノ=ローズピアノのサウンドが幻想的な世界を紡いだ「be your XXX」。繊細なhalcaのボーカルが心を打つ。このスペシャルなアレンジは、リハーサル時にhalcaが荒幡に「この曲、面白くなりそう」という謎のメモを渡したところから始まったらしく、2人でピアノの色々な音色を探っていき、halcaが昔から好きだったローズピアノの音色に辿り着いたのだそうだ。荒幡も「原曲をアコースティックで再現するのではなく、playground用に特別なアレンジを施した曲は珍しい。これからもやっていきたい」と語っていたので、今後がますます楽しみになった。
そしてここで、playgroundシリーズ恒例のカバー曲のコーナーに。今回halcaが披露したのは「GIRI GIRI」(鈴木雅之 feat. すぅ)だった。この曲はhalcaとも縁の深いTVアニメ『かぐや様は告らせたい』シリーズ主題歌の1曲。パワフルな荒幡のピアノとhalcaの力のこもったボーカルが、ソウルフルなディスコナンバーだった原曲に新しい魅力を与えた。「ライブでは鈴木雅之さんの『かぐや様』シリーズの曲は全部歌わせていただいてるんです」というhalca。「今回の曲は難しかった。かっこいいなと思いました。私もいつか鈴木さんみたいに、何年活動を続けても艶やかな声が出る人になりたいと思います」とリスペクトを語ると、荒幡は「halcaちゃんにもこういうソウルな曲がオリジナルであったらいい」とアドバイス。じつはhalca自身もブラックミュージック好き。「プロとしてのスキルが追いついたら、(ソウルな曲が)欲しい。頑張り中なので楽しみにしていてください。いつか披露したいと思います!」と告げ、今度は『かぐや様は告らせたい』シリーズのhalcaナンバー、スローバラードにアレンジされた「センチメンタルクライシス」をドラマチックに歌い上げる。ドラマティックなアレンジは、次の「キミがいたしるし」にも続き、華やかなピアノとhalcaのハイトーンが華麗にアンサンブル。原曲とはまた違った感動を呼んだ。
グッズ紹介を挟んで、「さぁさぁさぁ。次の曲行きますよ!」と気合いを入れて挑んだのは「またまた“とんでもない曲”です!」と紹介された「誰彼スクランブル」。第1部ではハードなバンドが後押ししたこの曲も、先に歌われた「あれこれドラスティック」同様に、ピアノ1本で奏でられることで、楽曲としての魅力とhalcaの歌声の華やかさがより際立つ。halcaも体を激しく揺らし、アウトロでは手をぐるぐると回してアクション。playgroundシリーズに、アクティブな風を吹かせる。「いつもはほがらかに、なごやかにやっているplaygroundシリーズですが、今日はなごやかな感じを残しつつ、ちょっとだけいつもと顔色を変えました」と語るhalcaに、「ピアノで演奏するとしっとりするという風潮は変えたいね」と言う荒幡。「誰彼スクランブル」も最初はhalcaから「しっとりやりたい」とオーダーされたそうだが、2人で試行錯誤した結果、激しめのアレンジになったのだそうだ。そんなアレンジ完成までの道のりが、荒幡の実演を交えながら聞けたのも、ファンには嬉しいプレゼントだ。
ここで再び、halcaがベンチに座り、届けられたのは温かなラブソング「FIRST DROP」。荒幡とhalcaのエキサイティングなコラボレーションが楽しめた「放課後のリバティ」では、アウトロの激しいリフレインをシンクロした2人が、仲良く両手を挙げてガッツポーズを決めた。「live playground #001」で「告白バンジージャンプ」と「放課後のリバティ」を演奏したときもガッツポーズをしていた思い出を振り返って笑うhalcaと荒幡が、本当に楽しそうだ。楽しい時間はすぐ過ぎ去ってしまうもの。気づけばセットリストも最後の1曲を残すのみだ。「本当に名残惜しいですけど、最後の曲を」と告げ、想いを込めて歌われたのは、原曲の明るさとは180度表情を変えたアレンジとなった「HORiZON」だ。切ない歌声とドラマチックなピアノの音が、歌詞の内容をより切なく、だけど限りない優しさを帯びて静かに聴き入る客席を包み込んでいった。
あまりにも感動的なエンディングに、「めっちゃいい!」と声を挙げ、思わず涙をこぼすhalca。「これからもいっぱいライブをして、皆さんと色んな景色を見たいと思います!これからも応援よろしくお願いします!」と、感動の涙とともにメッセージを届けた彼女に、拍手が鳴り止まなかった。
TEXT BY阿部美香
PHOTOGRAPHY BY 中村ユタカ
<セットリスト:1部>
M01. キュンとさせてあげるよ
M02. 放課後のリバティ
M03. FIRST DROP
M04. 告白バンジージャンプ
M05. うそじゃないよ
M06. reprise
M07. サワリタイミライ
M08. Majolica Palette
M09. one another
M10. センチメンタルクライシス
M11. 誰彼スクランブル
M12. キミがいたしるし
M13. A・WA・WA・WA
M14. Knockin’on!!
M15. あれこれドラスティック
<ENCORE>
M16. 時としてバイオレンス
M17. サカナイトデイズ
<セットリスト:2部>
M01. スターティングブルー
M02. Fuzzy Rain
M03. Complexの事情
M04. cue
M05. キミの隣
M06. あれこれドラスティック
M07. reprise
M08. be your XXX
M09. GIRI GIRI/鈴木雅之 feat. すぅ
M10. センチメンタルクライシス
M11. キミがいたしるし
M12. 誰彼スクランブル
M13. FIRST DROP
M14. 放課後のリバティ
M15. HORiZON
当日のセットリストをまとめた公式プレイリスト公開中!
詳しくは下記をチェック♪
▼halca 7th LIVE「Help Me!!!!!!! PRESSURE PRESSURE」セットリストはこちら
▼halca 7th LIVE「live playground #003」セットリストはこちら
●ライブ情報
マンスリーライブ“[playgood]”シリーズ開催
2022年11月23日(水・祝)東京・渋谷 Spotify O-Crest
2022年12月24日(土)東京・渋谷 Spotify O-Crest
halca オフィシャルサイト
http://halcaofficial.com/
halca オフィシャルファンクラブ
http://halca-fc.com/
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https://www.youtube.com/channel/UC0lITKclfpErVqWQJy6849g
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