9月7日に33歳の誕生日を迎えた声優・アーティスト、山下大輝のバースデーイベント「Daiki Yamashita Birthday Event 2022 DAIKING Festa Vol.1」が9月11日(日)に東京・LINE CUBE SHIBUYAで、昼・夜2公演にわたり開催された。山下のバースデーイベントは昨年に続き2度目となる。
自身初のメンバーズクラブ設立から1年を迎えたこの日。前回(2021年9月11日)は1st EP『hear me?』の発売を記念したイベントでもあった為「1st EP『hear me?』発売記念 Birthdayイベント」と銘打っていたが、今回はMEMBER’S CLUB名であり、山下の愛称である「DAIKING」を冠につけた。
MCは山下と事務所の同期である浜田洋平が担当。ゲストに山下の先輩である代永 翼を招き、趣向を凝らした企画とライブで、ファンとメモリアルな1日を共有した。本稿では昼公演を中心にレポートする。
オープニング映像後、満員のファンから期待を込めた拍手が沸き起こる。MCの浜田の呼びかけで、本日の主役である山下と、ライブ限定グッズのフーディーを着た代永が登壇。「誕生日おめでとう!」の意味が込められた拍手が場内に響いた。
山下は「あっという間に(前回のバースデーイベントから)1年。今年も開催できて非常に嬉しく思います。楽しんでいって下さいね」と挨拶。代永は山下を見て「長い付き合いになりましたね」としみじみ。振り返れば2人の付き合いは10年になるとのことで、顔を見合わせ「もう10年!?」「はやっ!」と驚きの声をあげた。
オープニングトークを終えると、ステージ上に用意された椅子に着席。ここからは「◯◯の秋」をテーマにした企画を繰り広げていく。
最初のコーナーは「◯◯の秋、エピソードトーク」ということで、秋にまつわるエピソードを紹介した。「スポーツの秋」や「読書の秋」、「芸術の秋」、「食欲の秋」「行楽の秋」……など、秋はさまざまな過ごし方があるのが特色だが、山下は「秋と言えば、焼き肉をより一層食べやすい季節」と、自身の好物である肉をピックアップ。しかし「今は発売したばかりの、あるゲームのことばかり考えてしまうんですよね……だからゲームの秋かも」と訂正した。
一方の代永は、秋といえば「ダジャレ」と即答。これは先輩声優のラジオ番組の毎年恒例となっているある企画にまつわるもの。「秋の夜長という言葉があるでしょ? それにかけて(秋の代永)、先輩の小野大輔さん、神谷浩史さんから電話が掛かってきて、ダジャレを言うのが恒例なんです。いつも3つや4つ言ってるのでネタがなくなってきました。今年もそろそろ、その季節がやってくるんじゃないかなと……」と明かした。
その後、Twitterでファンから募集した「◯◯の秋」の一部も紹介。用意されたボックスの中から山下が紙を引き抜きコメントと共に読み上げる。「開拓の秋」「イベントの秋」「季節限定の売り場に立ち止まる秋」……発表しながら「分かる!」「みんな表現が巧い!」と絶賛。
「イベントの秋」について話している時に、代永が山下に渡した誕生日プレゼントの話題に。大のディズニー好きである山下。代永からディズニーの巨大ショッパーを渡され「ワクワクして」袋を開けたところ「マットレス」が入っていたそうだ(笑)。
というのも、以前代永が「何が欲しいか」を山下に尋ねたところ「健康的なものが良いです」という返答があったんだとか。悩んだ末に選んだものだったと明かすと「実用的なものをいただきありがたいです!」と良き理解者である先輩に感謝の気持ちを述べた。
次のコーナーは「スポーツの秋 おかず争奪ストライクナイン」。昼公演後に食べる楽屋弁当のおかずをかけて争うというゲームである。通常ストライクナインは的に向かってボールを投げる競技だが、今回はボールを発射できるランチャーを用意。一つも当てられなかった場合は「白米のみの弁当」になってしまうとのことで、「うそだろーーー!」とざわつく一同。
気になるメニューは「卵焼き」「ポテトサラダ」「からあげ」「エビフライ」「ハンバーグ」「鮭」「シュウマイ」「ブロッコリー」「梅干し」の9種類。野菜が苦手な山下は「ポテトサラダは大丈夫だけど、アイツだけは避けたい」とブロッコリーを恐れている様子。
交互に5発撃つものの、山下はなんと全て不発という結果に……。
一方の代永は絶好調。その「ブロッコリー」、「梅干し」、「からあげ」にボールが見事命中し「(からあげ好きの)“下野(紘)さん愛“が伝わったのかも!」とニコニコだ。山下はがっくり肩を落としながらも「そのからあげ、PASMOで買わせてください……!」と懇願。客席からクスクスと笑いが漏れた。
続いては「山下大輝を深く知るための、お誕生日限定スペシャルクイズ」を山下本人が出題する参加型コーナー。その名も「ゲームの秋 DAIKING QUIZ」。すべての問題が3択で、手元のペンライトを使い、Aだと思う場合は赤、Bだと思う場合は緑、Cだと思う場合は青を点灯させるというルールである。
1問目は「僕が声優を目指したきっかけになったキャラクターはなんでしょうか?」。代永もファンもほぼ即座に「ジーニー(『アラジン』)」を選択し見事正解!
代永は「大輝はディズニーが好きなので、きっとそうだろうなと思った」そう。頷きながら「幼少期に『アラジン』を見て、ジーニーの声に本当に感動しました。当時はVHSだったので、何回もジーニーのシーンを巻き戻して、モノマネをして。そこで声で遊ぶ楽しさを知りました」と、声優の原点となったエピソードを披露した。
一転、突然難問が。「山下家では寝る時に大きいタオルと一緒に寝ますが、このタオルには名前があります。山下家では何という呼び方をしているのでしょう?」。Aは「ケッケ」、Bは「バーリー」、Cは「パール」。
「わからないよ!」と叫んだ代永は「ケッケ」を選択。「大ちゃんが好きそうな、可愛い名前だなと。むしろケッケであってほしい」と理由を説明した。正解は「バーリー」。客席は比較的「バーリー」を選んだ人が多かった。
「多分バスタオルの“バ”が由来なんだと思います。母が言いだしたのか、家族それぞれのバーリーが用意されるようになって。だから、最初はなんでみんな“バーリー”って呼ばないんだろう、って不思議でしょうがなかったです」と“バーリー”誕生秘話に触れる。さらに、遠征でホテルに泊まるときも「1枚だけ選ばれしバーリーを持っていってます」と告白した。
最後の問題は「山下は猫のどの部分が1番好きでしょうか?」。Aは「肉球」、Bは「鼻」、Cは「尻尾」。愛猫家で知られる山下なだけに、どの部分であってもおかしくなさそうだが……以前「鼻が可愛いって言ってたような気がする」と代永は鼻を選択し、見事大正解!
観客の中には全問正解したファンの姿もあり、全問正解者、参加したファンに向けて「賞品代わりの“ご褒美メッセージ”」が山下から贈られることに。
「みんなをキュンキュンにさせてあげなさいッ!」と代永に送り出され、ムーディな演出の中「いつも僕のことを応援してくれてありがとう。今までも、そしてこれからもずーっと、ずーっと宜しくね!」と笑顔でメッセージ。その直後に「……ここでこういうことをやるとは思わなかった!」と照れた表情を見せた。
今度は「食欲の秋 味覚チャレンジ!」。スーパーのお肉と和牛A5ランクの高級ステーキの2種類を食し、高級ステーキを選ぶことができれば某高級焼肉店のギフトカードがプレゼントされるとのことで両者気合十分だ。
早速、テーブルに用意されたお肉を口に運ぶものの「両方とも美味しい」「思ったよりも難しい」と悩む二人。結託しようという話も出ていたが「自分が自信のあるほう」を選ぶことに。同時に札を挙げると2人とも同じ答えを導きだし、そして見事的中! 「やったぁ!」と喜びの声をあげた。ちなみに夜の部の同コーナーでは食レポを開催。誕生日ケーキが登場するという、バースデーイベントならではの一幕があった。しかし一筋縄ではいかない。ケーキを食べながら「シズル感(購入意欲をそそるような瑞々しさ)が伝わるような食レポ」をしたそうだが果たして……?
最後は「音楽の秋」。待望のライブパートである。「1年経った今の僕を届けられたらいいなと思っています。どうぞ宜しくお願いします」と意気込み、客席からは拍手が送られた。
RPG風のグッズ紹介ムービーが流れている間に準備を終え、颯爽とステージに立った山下が最初に歌ったのは、壮大なシンガロングパートが印象的な「Tail 」(TVアニメ『セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-』エンディング主題歌)。山下のアーティストデビュー曲である。
「アーティスト活動がこの曲からスタートしたんだ、ということで「Tail 」からはじめさせていただきました。次の曲は、1st EP『hear me?』の中から、青春のキラキラ、甘酸っぱい思いをギュッと詰まったあの曲を。僕、山下大輝の2022年のキラキラを皆さんに届けたいと思いますので、受け取って下さい」
そう前置きしてはじまったのは「I’m in love」。実は前回のライブで歌えていなかった2曲があった。その時に「ここで全部出してきってしまったら次がないんじゃないかと思い、あえて3曲に留めておきました。次回はその2曲を披露出来たら良いなと思っています。そのときはぜひ、今日来られなかったひともみんなで集合して、楽しい時間を共有できたら」と伝えていたのだ。その約束の2曲のうちの1曲が「I’m in love」である(もうひとつの「列偶像」は夜の部で披露した)。
カラフルだったペンライトがピンク色へ。夕陽色の光を浴びながら、ステージ上を右へ左へと軽やかにステップ。きらびやかな歌声でハートフルな空間を演出した。
「33歳のキラキラ、届きましたか?」と問いかけると大きな拍手が。次が最後の曲であることを伝えると、声のトーンを少しだけ落としまっすぐな表情。
「昔よりも色々なことが便利になっている一方で、自分に正直に生きるという意味では不自由な世界になっていってるなと感じています。でもそんな世界の中で、僕たち、私たちは精一杯生きている。1日、1日を頑張って生きている中で、自分を褒めてあげたくなるような時って……ありますよね。今日来てくれた皆さん、今日来られなかった皆さんの心の中に、キャンドルのライトが温かく灯りますように」
ラストは今年3月に配信リリースされた最新曲「キャンドル」をプレゼント。客席が温かな黄色の光に染まる。本曲は、yamaの「春を告げる」のサウンドプロデューサーとしても知られる”くじら”が書き下ろしたシティ・ポップテイストのナンバーだ。
コンテンポラリー的な要素を含んだダンスで、視覚的にも現代社会の生きづらさや苦悩を描きながらも、それが徐々に聴き手の背中を押す前向きなメッセージに変化。山下の持ち味であるハイトーンボイスが高らかに響き渡る。最後は観客に自分のエネルギーを届けるかのように、とびきりの笑顔を咲かせたのだった。
約1時間半に渡るバースデーイベントもエンディングへ。間近でステージを見ていた浜田は「アーティスト山下大輝を初めて目の当たりにしました。悔しいくらいカッコよかったです。素晴らしかったです!」と最大の褒め言葉で山下を讃え、ステージの袖でペンライトを振っていたという代永も「カッコよかった……!」と、感動をストレートに表現した。記念写真を撮り、改めて感謝の気持ちを伝えた山下。
「1回目のバースデーイベントは非常に温かい空気で終えることができて。そして今年は、より温かい空気で行えたような気がしています。またこういうイベントを続けていけたらいいなと思っているので、ホーム感覚で遊びに来てくれたら嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。1年って本当にあっという間で。こんなことを言っていると、2023年もあっという間に来てしまうんじゃないかなと思うんですが……今後もいろいろなチャレンジをしていきます。声優としての山下大輝も引き続き応援宜しくお願いします!」
また夜公演ラストのMCでは「実は現在進行形で新曲の制作を進めています!」と新曲制作を進めていることも発表した。
トークで楽しませ、パフォーマンスでは大きな輝きを放ち、1日を通してファンの心に温かな光を灯した山下大輝。アーティストデビューから1年、そして声優デビュー10周年を迎えた2022年。33歳も、実りある1年になる予感でいっぱいだ。
Text by 逆井マリ
Photo by AZUSA TAKADA
●リリース情報
デジタルシングル
「キャンドル」
配信中
作詞・作曲・編曲:くじら
ジャケットイラスト:大鳥
配信リンクはこちら
山下大輝オフィシャルサイト
https://yamashitadaiki.com/
MEMBER’S CLUB「DAIKING」
https://daiking.yamashitadaiki.com
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