DJをテーマにしたメディアミックスプロジェクト「D4DJ」。その中に登場する、高校生4人によるDJユニット・Peaky P-keyの1st Album『Master Peace』が、9月7日(水)にリリース。来年3月には待望の1stワンマンライブの開催も控える4人に、これまで3年あまりの歩みや、本作や新曲「Deja Boon」などについて、たっぷりと語ってもらった。
――まずは“D4DJ 1st LIVE”からの約3年間のPeaky P-keyとしての活動を振り返っていただけますでしょうか。
愛美 まず率直に……キャラクターを演じることもリハもライブも、全部がすごく楽しかったです。というのも、それはずっと自然体でいられる4人だからで。作中ではPeaky P-keyは“王者ユニット”という立ち位置ではありますけど、そのコンセプトもこの4人だからこそ変に気負わず、1つのエンタメを追求することに楽しさを感じられていると思うんですよ。
高木美佑 たしかに。もちろん各々の担当キャラクターがあるから、初めて会ったときから「“王者感”みたいなものは意識しなきゃ」とは思っていたんですけど、みんな実際会うとすごくリラックスできるというか。
小泉萌香 どうしてだろうね?
高木 意外と……ほんわかしてる人たちだから?(笑)。
倉知玲鳳 すごい(笑)。言葉を選んでくれた。
――言葉を選ばないと、“ほんわか”は何になります?
高木 ……ぽ、ぽんこつ?(笑)。
――そうなんですか!?
高木 そうなんです(笑)。意外と。
愛美 しかもそれをお互いが許し合えるから、萎縮することもなくて。それがきっと、ポジティブな効果を生んでるのかもしれません。
倉知 それに、ちょっとばかしもぶつかったことないですよね?ちょっと「ピリッ」とする瞬間とかもないところは、キャラクターとリンクしてないかも。
高木 特に(山手)響子と(犬寄)しのぶは、同じ方向は向いているけど、ちょっとしたこだわりみたいなところでバチバチしてるからね。でも私たちは、誰かが出したアイデアは「良いねー!」って、全部取り入れちゃうから(笑)。
小泉 「1回やってみよう!」ってなることがたくさんあるんです(笑)。しかもすぐふざけちゃうし。
愛美 実際やってみて「あー、ダメだったねぇ」っていうときもあったよね(笑)。でも、なんだかずっと「良いね!」って言ってる気がするし、本当に不穏な空気を感じたことがないんです。
倉知 そう。1ミリもないんですよ。
小泉 ただ、普段はそんな雰囲気の4人ですけど、ライブではPeaky P-keyに助けられているというか……Peaky P-keyに引っ張り上げてもらっているおかげで、王者としてステージに立てているように思います。
――出たアイデアを取り入れていくというのは、ライブやフェスなどの機会でも?
愛美 はい。特にカバー曲では完全フリーな部分が多いので、アイデアが反映されている部分もかなりあります。
高木 例えば「仮面ライダーBLACK」のときは、ライダーみたいな寸劇風だったり……。
倉知 キックしたり敵役がいたり。
小泉 バイクに乗ったりとか……(笑)。
高木 そういうふうにやりたい放題やってみたら、お客さんからも「楽しいね」みたいな反応をいただけたんですよ(笑)。
愛美 あと、Peaky P-key×Lynx Eyes 合同LIVE TOUR 「Higher and Higher」のときには、東京公演と大阪公演で少しステージ上の演出を変えたんですよね。モニターがあってカメラに抜かれた私たちを観られる東京公演とは違って、大阪公演の会場にはモニターがなかったので、お客さんが生の私たちをより観られるようにお立ち台に登る回数を増やしたりとか。そういうふうに、会場ごとにできることを精一杯やるための工夫を、メンバーが色々発案して形にしています。
――まさにそれは、萎縮せずにどんどん意見を出せる空気感の賜物のように思います。
愛美 私は一番年上だから、最初「みんな、怖いと思ってないかなぁ?」って心配だったんですよ。でもだんだんみんな、私のことをわかってきてくれたというか(笑)。それに、コミュニケーションを取ってくれる子たちばかりなので、私自身それに全力で甘えながら、やらせてもらってます。……あれ、一番年下って玲鳳ちゃんだっけ。最初、萎縮した?
倉知 正直言うと……うん、しました(笑)。
高木 あと、ちょっと会わない期間があると敬語にリセットされる時期がなかった?(笑)。
小泉 そうだ!愛美さんに限らず私たちにも、ずっと敬語なんだよね(笑)。
倉知 違うの!私、人との壁が厚いうえに、忘れっぽいというか……「あれ?どう接してたっけ!?」ってなって(笑)。
高木 でも気持ちはすごくわかる。
倉知 今では、こんなに自分らしくいられるユニットや活動できる場所というのもなかなかないなと感じているので、すごく感謝しています。
愛美 あと、みんなの元々持ってる性質が、多分歩み寄りの精神と受け入れの精神が強いと思うんです。
高木 ……アルバムタイトルの「Peace」って、そこからきてるんじゃない?
倉知 えー!?そういうこと!?(笑)。
小泉 でもたしかに、何かアイデアが出たときに誰1人「それやらなくてよくない?」とかは言わないよね。
高木 しかも、やってみたら実際面白いし!(笑)。ライブ最後のユニットごとにコメントするところで、コロナの関係で各ユニットマイクを1本しか持てなかったとき、マイクを持っていた愛美さんが「私たちのモーションに合わせてしゃべる」っていうのもあったよね。
小泉 私たちにアテレコしてくれる、みたいにね。
愛美 しかもそれを言ったのがステージ袖で、出る直前とかに……。
倉知 いや、ステージ上でですよ!(笑)。
高木 たしか、Merm4idがみんなで一緒に合わせて何かをやっているのを見て、「ヤバい、なんか仕込もう」ってなって……。
小泉 それを見たあなたが、決めたんです(笑)。
愛美 あれ、そんな直前だったっけ?……ありがとね(笑)。
高木 でもみんな、そういうのもやり遂げるのがすごいよね。
愛美 あと直前に変えるといえば、現地と配信のハイブリッドのライブのとき、ほかのユニットがやっている間に配信に乗っている音響のバランスを研究したりもしてるよね?
小泉 うん。歌い方とか音量とか考えたり。
愛美 そう。「こんな感じで聴こえてるなら、こういうアプローチでいったほうがいいかもね」みたいに考えて、テクニカルな話をしたり。
小泉 真面目なところもあるんです。
――それをいきなりパフォーマンスに反映させられるというのも、やはり簡単にできることではないように思います。
愛美 みんなそれぞれが違うグループの経験者っていうのも大きいのかな?だからグループ活動をするうえで、気遣いみたいなことを自然とできるチームだと感じるのはそういうところが原因なのかもしれないですね。それにもちろん、ステージ上のパフォーマンスでもみんな「すごいな」って思います。
小泉 うん。みんな常にすごいよね。
高木 私、すごくみんなの表情がいいなぁって思う。
愛美 あと、私たちってソロパートの振付がアドリブのところ多いじゃん?私、みんなのダンスを見て、いつも「すごい!どうやったら思いつくの!?」ってなるんですよ。で、それを受けて「こうすればほかのメンバーと被らずに、かっこ良く決まるかな?」とかも考えるので……そういうバランス感覚もあるよね!ほかのメンバーと被らないアプローチの仕方を無意識にしているというか。
高木 たしかに、それも自然とやってるかもしれない。
小泉 なるほど。私たちはバランサーなんだね。
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