INTERVIEW
2022.08.15
――A ver.には、昨年10月開催の1st LIVEの映像も収録されます。
岩田 あのときが初めての自分たちだけのライブだったので、最初は「私たち、体力持つんだろうか?」から始まった覚えがあります。
紡木 うん。ダンスが大変そうだった。
岩田 しかもワンマンの合間に「Photon Maiden TV」も撮ったじゃん?12月の“D4DJ D4 FES. LIVE -Party Time-”で流したやつ。
紡木 あった!ライブの昼公演と夜公演の合間に、設定がぶっ飛んでるエチュードとかをやる冠番組を撮って……それから「よっし、切り替えて夜も頑張るかぁ」みたいな感じになってました(笑)。
岩田 でも4人で単独ライブができたのは、すごく嬉しかったです。
紡木 ね!「いつかやりたい」って言ってたし。
岩田 そう。先にライブをやっているユニットも多かったから「私たちはいつできるかな?」と思っていたので、それがやっと叶ってすごく嬉しかったです。それにディグラー(「D4DJ」のファンの総称)さんからも、「待っててくれてたんだな」って気持ちが伝わってくるようで。
――ステージ上からも、それを感じられた。
岩田 そうですね。Photon Maidenは、曲中に掛け声が入っていて一緒に盛り上がっていくほかのユニットとは全然違って、割と聴かせる曲が多かったりとか……。
紡木 語りかける系の曲が多いからね。MCも「この大地に芽吹き……」みたいな、語る系・聴かせる系の世界観なので。
岩田 歌詞も「Photon Maidenの色を届けるぞ!」みたいなものが多かったりと、「一緒に!」っていうよりはみんなに提示する系の曲が多い気がしていて。そんな世界観を楽しんでもらえているんじゃないかな?というのは感じました。
――そんなライブなども経てリリースとなった1stAlbum『4 phenomena』は、まさにこの3年間をギュッと詰め込んだような1枚になりましたね。
紡木 そうですね。でも私、曲順を見て結構意外だなって思いました。いきなりドーン!と始まるんじゃなくて、結構静かめに始まるから。
岩田 たしかにね。8曲目の「OVERCOME」くらいからかな?途中からどんどん激しくなってる。
紡木 で、一気に詰め込んで「Photon Melodies」で終わるという……だからきっと、尻上がりにどんどん盛り上がっていくみたいな構成で作られたのかなぁっていう感じも受け取ったので……良いですね。これで1人ライブができる(笑)。
岩田 後半大変そう(笑)。
紡木 後半は、ぜーはーしていただいて(笑)。あと、REMIXバージョンもA・B ver.とそれぞれ違う曲が入っていて、どちらもまるで別の曲みたいに感じるめちゃめちゃかっこいいアレンジになっているので、これも皆さんに聴いてほしいですね。
――その「OVERCOME」の直前、7曲目には新曲「G.A.M.E.」も収録されています。この曲を最初に聴かれたとき、お二人はどんな印象を持たれましたか?
岩田 今までとは全然雰囲気が違うな、って思ったよね?
紡木 たしかに。最初から“新しい物語だ”って歌ってるもんね。
岩田 ただ、私は率直に……「英語!」とも思った。この曲、今までで一番かな?というくらい歌詞がほぼ英語なんですよ。私、今回日本語パート1つもないから(笑)。
紡木 だから曲調もあって、オシャレな雰囲気がすごい曲だなぁって感じた。こなれてる感というか。
岩田 ねぇ。かっこいいよねぇ。
――歌詞が日本語中心と英語中心の場合で、感覚的な部分や出したいものが変わったりもするんですか?
紡木 あー、あんまり考えたことがなかったかもしれない……というのも私、小さい頃にインターナショナルスクールに行っていたので、日本語も英語も同じような感覚なんです。でも日本語で歌うと直接的過ぎる表現を英語でちょっと濁すことでふわっと届けられたりとか、そういう違いが出るのは素敵だなと思いますし、調べていただいて「あ、こんな意味だったんだ」みたいになって二度おいしい……みたいなのも良いですよね。
岩田 逆に私は、英語の曲になると発音を覚えたり意味を調べるところから始まるんです。だから、日本語の曲なら音取りとかレコーディングの練習って1~2時間くらいで終わるのに、英語曲だとその倍くらいかかるんですよね。でもつむつむ(=紡木)も言ってましたけど、「あ、こんなかわいいこと言ってたんだ!」とか、「すごくお洒落な表現!」と気づくこともたくさんあって。難しさもありますけど、日本語では伝えられないようなことを英語で伝えられるのは、面白いなぁとは思います。
――ただ、発音なども頭に入れたうえで、意味の部分も含めて歌でどう表現するかを突き詰めないといけないというか。
岩田 そうなんです……!やっぱり自分にとって普段あまり英語に馴染みがないぶん、そこに感情を乗せることに難しさを感じていて。毎回すごく時間をかけて録っている印象があります。でも、英語をバリバリ喋れるつむつむとか日向が先に録ってくれているので、その2人の声は道標みたいに、かなり頼りにしていますね。
紡木 んー、嬉しい。そうだったんだぁ。あんまりそういう話しないもんね。
岩田 ね。レコーディングもだいたいバラバラだから。
紡木 だからありがたいし、誰がいつどのタイミングで聴いてるかわからないってことだから、改めて「頑張らなきゃ」って身が引き締まりますねぇ(笑)。
岩田 2人がいないと、私英語の歌うたえないから(笑)。
――しかも、先ほど岩田さんがおっしゃったように曲調もほかの曲と違うので、そういった要素も歌い方に影響を与えたのでは?
紡木 そもそも私の場合は、演じている出雲咲姫ちゃんの声質が自分の地声と本当にかけ離れているんですよ。なので、毎回咲姫ちゃんとして歌ってはいるんですけど、曲によって声の出し方が毎回変わるんです。それを現場でディレクションをいただいたり、音楽プロデューサーを務めていただいている水島精二監督(アニメ『D4DJ First Mix』監督。Photon Maidenの音楽プロデュースも担当)に色々相談したりしながら調整して、「どうやったら咲姫ちゃんを維持しながらこの曲に合う歌い方ができるのか?」というところは、毎回すごく大事に制作していただいています。今回の「G.A.M.E.」は咲姫ちゃん成分も結構高めに取って、かわいい感じを追求してレコーディングしました。
――そのうえで、グルーヴ感のあるサウンドにも上手く乗っていけるように。
紡木 そうですね。咲姫ちゃんは結構声が裏から出ていてゆっくりしゃべる子なので、気づいたら結構もたっとしがちになるので、リズムからは遅れないように結構気をつけていました。
岩田 なるほど……私は、(花巻)乙和として歌うときもアフレコのときも、基本自分のテンションを高めていっていることが多いんですよね。乙和は元気でかわいい子ですけど、素の岩田で歌うと声の感じがちょっと暗くなっちゃうというか、乙和のイメージより大人びちゃうんです。もちろんかっこ良さが強めの曲だとちょっと変わってはきますけど、笑顔を意識して歌うことが多いんです。そのうえで「G.A.M.E.」は、オシャレでかっこいい曲だけど乙和の明るさはなくならないように……というディレクションを受けて、録っていた気がします。
紡木 乙和ちゃんは、高音が映えるよねぇ。
岩田 ほんと?
紡木 うん。突き抜けるよね。きれいな高音が。
岩田 たしかに、高音の歌割りが多いかも。いつもそんなに深く考えずに、歌えてる気がしてはいるんですけど。でもフェイクとかラップは、結構日向が担当だったりするよね。低音が特にすごく魅力な子でもあるから。なんとなくだけど、水島監督にもそういう漠然としたイメージみたいなものがあるみたいで。
紡木 言ってた。「Synchrogazer」の最初の高音のフレーズ、「絶対これは岩田さんに歌ってほしい」って言ってたから。
岩田 そうなんだぁ。
紡木 だからもう、高音担当になってるんだと思います(笑)。
岩田 たしかに乙和の歌割りって、ちょっと短いフレーズだったりアクセントになるポイントに当てはまることが多い気がする。なので、そういうところでいかに乙和らしさが出せるか?みたいなものは、結構大事にしてるかもしれません。
紡木 大事な味付けだねぇ。
岩田 うん。味付けをするような感じのパートが多いです。
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