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2022.08.10

【ライブレポート】“念願のステージ”に見合う、今自身が持つ魅力を発揮した公演に! “大橋彩香1st Acoustic Live「Lumière et Étoile」”レポート

【ライブレポート】“念願のステージ”に見合う、今自身が持つ魅力を発揮した公演に! “大橋彩香1st Acoustic Live「Lumière et Étoile」”レポート

7月31日、Billboard Live YOKOHAMAにて“大橋彩香1st Acoustic Live「Lumière et Étoile」”が開催。昨年末リリースの『Lumière』や今年4月リリースの『Étoile』といった2枚のアコースティックミニアルバムを引っ提げて行った念願のアコースティックライブは、それらに結びつくような演出も織り交ぜつつ、1人のシンガーとしての堂々たるライブパフォーマンスを、高い歌唱表現力をもって魅せてくれた。本稿では、そのうち2ndステージの模様をお届けする。

アコースティックアレンジならではの表現を、ふんだんに盛り込んだライブに

まずはバンドメンバーがステージに登場。青の光がステージを彩り、バンドメンバーによるinterlude用にアレンジされた「Esprit De Lumière」のインストが演奏されるなか、「Étoile」のMVを想起させる本を抱えながらステージに大橋が登場。その本を開くと、開いた本のページからは光が放たれ、まるで彼女が暗闇に光を灯すかのような構図に。

そして深い一礼ののち椅子に腰掛けると、その「Esprit De Lumière」をそっと優しく、会場内の観客と視線を交わしつつ歌い始めてライブがスタート。サビではステージがより明るくなり、大橋の表情も楽曲とその演出の両方に連動するかのように晴れやかさを増す。同時に歌声を下支えするような力感も少々加えつつ、アコースティックならではの演奏にもしっかりマッチさせると、終盤では未来へと飛び立っていくような姿をイメージさせる伸びやかな歌声を響かせて最高のスタートを決める。そこからもう1曲、未来を見据える曲「明日の風よ」へ。よく“苦手”と自称するファルセットをここでは巧みに駆使し、ビブラートのかけ方も含めて優しさやおおらかさを生み出す。2-Bメロでの一瞬の引き方など、スローなアレンジならではの細かいこだわりを歌声に詰め込む。そのうえで、サビの中でも大サビだけは地声を貫いて歌い上げたところからも、またこのタイミングでの新たな始まりを示唆しているように感じさせられた。

2曲歌ってからのMCパートでは「肩の力を抜いてリラックスして楽しんでいただければ」と呼びかけ、バンドメンバーの紹介を挟みそのまま3曲目「ダイスキ。」へ。ミニアルバム同様に原曲よりもキーが低めというアレンジも効いたのか、歌い回しは非常にグルービーなものとなり、会場の雰囲気とも良好にマッチ。Bメロなどの歌詞に盛り込まれたほのかな切なさも、歌声のみならず表情も含めて上手く表現していく。その一方で、サビでは原曲に通ずる開放感あるボーカルワークをみせたりと、様々な要素をバランス良く盛り込んだ仕上がりとなっていた。そして続く「YES!!」ではイントロ中に観客へと要求したクラップが響くなか、大橋自身もサビ後半のコール部分を音程気にせずややシャウト気味に入れたり終盤で気持ち良くフェイクを織り交ぜたりと、ライブ感を感じさせる1曲に。それをステージ上をゆったり歩いて往復しつつ、キラッキラの笑顔とともにハッピーをファンへと距離近く届けていった。

それとは若干表情を変化させてきたのが、「ワガママMIRROR HEART」。この曲もまた、冒頭フレーズラストのロングトーンを切なげに尻下がり気味に歌ったり、特に2番以降は感情をふんだんに乗せてメロディラインからわざと少しだけはみ出してみたりと、アコースティックライブだからこそみせられる表現を多数盛り込んでいく。それでいて、Bメロからサビにかけてのクレッシェンド具合や落ちサビでキュンとさせてからの終盤のパワフルさなど、普段のワンマンライブで観客のボルテージを爆上げさせる曲ならではのパワー感も感じさせてくれた。そして前半ラストにあたる「ハイライト」も、Aメロは良い塩梅に肩の力を抜いて歌いつつ、Bメロやサビではぐっと力を込めることでメリハリ感じるステージングに。今の彼女にもリンクするようなDメロの歌詞を伸びやかに歌って心を惹きつけてくれた点も含め、メリハリ感じるボーカルワークだけで惹き込めるシンガーへと彼女が成長したことを、改めて実感させられた時間だったように思う。

ここでライブも折り返し。Billboard Live YOKOHAMA での開催ということもあり、MC中のスタッフによる食事やドリンクのサーブへの新鮮さも感じつつ、今回はCDアレンジをさらにライブに向けてリアレンジしてもらっていたり、事前録音した音は一切使わず全部生演奏のみで楽曲を届けていると明かし、「そんなグルーヴ感も楽しんでいただけたら」とまとめていた。

次ページ:感情の没入に、すごみさえ感じた後半戦

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