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INTERVIEW

2022.07.27

【インタビュー】渕上舞、デビュー3周年を迎えた彼女が本作に込めたメッセージとは?『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』ED テーマ「人芝居」リリースインタビュー

【インタビュー】渕上舞、デビュー3周年を迎えた彼女が本作に込めたメッセージとは?『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』ED テーマ「人芝居」リリースインタビュー

アーティストデビューから3周年を迎え、さらなる扉の向こうへ。『ガールズ&パンツァー』の主人公・西住みほ役や「アイドルマスター シンデレラガールズ」の北条加蓮役などで活躍中の声優アーティスト・渕上舞が、TV アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』ED テーマをタイトルに掲げたニューシングル「人芝居」をリリース。

「人芝居」は、妖しさや不思議さが漂うミステリアスなナンバー。カップリングには自身が作詞した「ショートケーキの苺は、あなたにあげる。」をパッケージしている。本作に込めたメッセージについて教えてもらった。

充実した3年間に

――ラジオ「Lantis EXPO!」(TOKYOFM)でもお話されていましたが、改めて、アーティストデビュー3周年を迎えたお気持ちをお聞かせください。

渕上舞 昨年の11月から今年の2月にかけて3周年ライブツアー”THE CIRCUS” を行わせていただきましたが、「3周年だから……」といった厳かな気持ちはまったくなくて。それよりも、ナチュラルにずっと続いているような感じがしています。だから、周りから言われて「ああ、もう3年も経ったんだな」と思いましたね。声優というお仕事は10年以上やらせてもらっているので、種類、幅のようなものはなんとなく理解できるようになっているのですが、アーティストとなると最初は右も左もわからない状況で。毎回が新しい挑戦なので、馴染んでいくのに3年くらいかかったように思います。あっという間の3年でした。

――右も左もわからないという状況のなかでずっと作詞を続けられてきたことが本当にすごいなと思います。

渕上 そうなんですよね。1stアルバム『Fly High Myway!』からありがたいことにずっと書かせてもらっていて。

――初めての作詞は、そのアルバム前のキャラソンでしたよね。

渕上 そうです!そのときは、何年も一緒に歩んできたキャラクターと作品だったので、そこに自分なりのエッセンスを添える感じでした。自分の気持ちというより、キャラクターのことを思いながら書くという感じだったのですが、アーティストとなるとそれが逆転するというか。もちろんすべてがリアルではなくて、そこにフィクションも入っていたり、自分の描く夢だったりも入っているんですけど……最初のうちは、どことなく、自分の胸の内をさらけ出す恥ずかしさのようなものもありました。

――今はどうですか?

渕上 恥ずかしさのようなものはなくなっていて、むしろストレス発散になっています(笑)。日常で感じているフラストレーションって皆さんあると思うんですけど、そういうことを直接的に言う機会ってないじゃないですか。でも嫌なことすら歌になるというか。傷つくことがあっても「これタイトルにしたれ!」「フィクションを加えて歌にしちゃえ!」って(笑)。自分の心を軽くする方法の1つに、作詞が加わったなと思っています。そのぶん、すごく多幸感に溢れた曲というのは、渕上舞作詞ではないのかもしれません……どれも影があるものになっているなという気持ちはあります。

――渕上さん自身、ハッピーな曲というより、少し影のあるような曲に惹かれますか?

渕上 そうですね。昔から切ない曲や失恋ソングのほうが素敵だなと思うことが多いです。

「人芝居」は歌っていて気持ちが良い曲

――では本作のことについてお伺いさせてください。「人芝居」は、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』EDテーマ。お話をもらったときはどのような印象がありましたか?

渕上 このお話をいただいたときは作品のことを知らなくて。もちろん有名な作品なのでタイトルは知っていましたが、観たことはなかったんです。なので最初は「教室という名前が入っているし、男の子が学園内の女の子とキャッキャする感じなのかな」と勝手に想像していました。でも1st Seasonを観させていただいたところ、楽しい感じではなく、映像の表現も音楽も主人公の語り口調も少しダークなトーン。これはただのハーレムものではないだろうなと思いました。また、(綾小路清隆役の)千葉翔也さんの演技がいつもと違ったので少し驚いたんです。でもストーリーが進むにつれて、あのトーンと、淡々とした喋り方がクセになってしまいました。しかも良いことも言うんですよね。女の子たちももちろんかわいいんですけど、みんなそれだけじゃなくて。「ああ、すごい面白い作品だな」と思いました。その後、楽曲をいただいて。先ほどお話しした通り、憂いがあったり、影があったりする曲のほうが好みなんです。率直に「すごく好きだな」と、歌うのが楽しみでした。

――佐高陵平 (Hifumi,inc.)さんが作詞、作曲、編曲を手がけられています。歌詞はどのような印象がありましたか?

渕上 ものすごくインパクトのある歌詞だなって。ただ、正直な話をしてしまうと、最初に読んだときには「どういう意味なんだろう?」と思っていました。例えば“象弔え 蟻の葬列”のところとか。色々な見方ができるので、レコーディングに臨むまですべての意図は読み解けなかったんです。

――たしかに不思議な言葉がありますよね。一人芝居でもなく、一芝居(打つ)でもなく「人芝居」というタイトルもすごく印象的で。

渕上 そうなんですよね。タイトルも不思議で。

――例えば“礫 蟹 葉(ぐーちょきーぱー)なんて役に立たないわ”ってところも面白い表現だなと。その言葉遊びも含めて、気持ちの良い曲という印象がありました。

渕上 練習しているときも「歌っていてすごく気持ちの良い韻の踏み方だな」と思っていました。聴いていてもすごく気持ちの良い曲ですね。ただ、すべてを理解できていないうえで歌うのは失礼だと思って、レコーディングのときにスタッフさんにお話を聞いたんです。

――なんておっしゃっていました?

渕上 そのお話を上手く説明できるかわからないのですが……歌詞の中に象、狐、猿、狸と色々な動物が出てくるのですが、それは動物たちが争っているのを人が俯瞰してみている様子を表しているそうなんです。例えば、先ほどの“象弔え 蟻の葬列”のところは、象はすごく大きな存在だから、象から見ると小さな蟻の列はあまり意味のない行為に映っているかもしれない。でも彼らは彼らなりに動いている。そこには、主人公のように、傍観者的な感じでクラスメイトの様子を俯瞰して見ている……という表現も含まれている、といったお話でした。私の認識としては、主人公目線がありつつも、生徒同士の頭脳戦を動物同士のバトルとして表しているんだろうなと。タイトルも含め、色々な意味が含まれているので、作品とともに歌詞の解釈を楽しんでいただけたらなと思っています。まずは、メロディを楽しむというのも、1つの手かもなって。

――MVでは、渕上さんが狐のお面を被っていらっしゃいますね。

渕上 私がどうしても狐のお面を使いたかったんです(笑)。最初は近未来的な雰囲気の案をいただいたのですが、“狐 化けの皮剥がれるよな”という言葉が頭の中にずっと残っていて。イントロに少し和の雰囲気もありますし、全体的にあやかし的な雰囲気もあるなと思っていたので「狐のお面を使いたいです!」とお願いしたんです。一度案を出していただいていたのですごく心苦しかったのですが、快く意見を取り入れてくださって組み直していただきました。ただ、作品自体は和の雰囲気のものではないので「ビジュアル的なものはどうしようかな」とみんなで話し合いました。

――それであえてドレッシーな衣装なんですね。

渕上 そうです。色々な方がいるなかで1人赤いドレスを着ています。いっそのこと着物にするかというアイデアもあったのですが、結果的にああいう感じになりました。

――結構な大人数での撮影ですよね。まるでミュージカルのような仕上がり。

渕上 まさにそんな感じです!いつも以上にストーリーのあるMVに仕上げていただきました。撮影場所もホールだったので、お芝居を楽しんでいるような感覚の撮影で。(インタビュー段階では)まだショートバージョンしか公開されていませんが、椅子取りゲームをしながら戦っていくので、フルバージョンでは私がいないシーンも出てきます。その様子を観客席からチェックをさせてもらっていたので、私自身、お芝居を見ているかのような感覚で。「もう少しこういう動きをしたら雰囲気が出ると思うんですけど、監督どうですか?」と意見を言わせていただくこともあり、ちょっとした演出家気分も味わいました(笑)。

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