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INTERVIEW

2022.07.19

【10周年記念連載】第6回:ZAQ 第七弾「Dance In The Game/ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼」――9ヵ月連続リリースとともに10年間を振り返る!

【10周年記念連載】第6回:ZAQ 第七弾「Dance In The Game/ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼」――9ヵ月連続リリースとともに10年間を振り返る!

下克上さえも楽しもうという綾小路を描く

――では、気持ちをどのように持ち直したかは次回の連載に譲るとして。ファン待望の『ようこそ実力至上主義の教室へ』(以下、『よう実』)の続編が始まり、主題歌を担当されました。「Dance In The Game」はどのようなコンセプトから生まれましたか?

ZAQ 『よう実』の2ndシーズンですし、1期で作った「カーストルーム」が人気だったということで、主人公のかっこ良さを残しながらアニメ『よう実』の世界観をブラッシュアップする、というテーマで取り掛かりました。まぁ、そこは勝手に自分で色々と考えて決めたところで。発注としては、「カーストルーム」が雰囲気バッチリだったので2期もZAQさんの解釈でお願いします、という自由な作り方でしたね。

――ZAQさんが考える、2期『よう実』の外せないポイントはどこでしたか?

ZAQ 「カーストルーム」のテーマは「下克上」だったんですね。主人公である綾小路清隆らDクラスの面々が上のAクラスを目指して上り詰めていく話ではあるので。ただ今回は、その下克上すらも楽しむ、というところに主軸を置いて制作を進めました。

――「カーストルーム」は冒頭がACID JAZZ風ですが、徐々にポップスへと開かれていく楽曲で、歌詞でも『よう実』という作品全体を表現していました。ただ、今回は曲も歌詞も非常にシリアスというか、綾小路たちの戦いを落とし込んだような表現になっているように感じました。

ZAQ そうですね、「カーストルーム」は一丸となったDクラスを描いているというか、堀北鈴音というヒロインがそこに気づくのが1期でもあったと思うんです。なので、一緒に戦う仲間がいるという意味での「カーストルーム」でした。でも「Dance In The Game」の歌詞は続編として、より綾小路視点で、戦略的に下克上を狙っていくには?というところを描いています。綾小路って、常に客観的に自分やクラスや学校全体を見ているキャラクターで、不気味な部分もいっぱいあるんですよね。決して王道のヒーローではないです。策略や罠を楽しんでいるところもあるし。なので、歌詞の言葉選びでも、何を表しているのかわからない箇所もいっぱい散りばめました。あとは、綾小路のオラオラ感とか。

――あくまで綾小路視点から綾小路を描いた楽曲ですね。

ZAQ だから、「Dance In The Game」は協調性のない曲なんですよ(笑)。「カーストルーム」では協調性を大事にしましたけど。今回の歌詞で気に入っているのが、“天才を演じてる馬鹿はお前か ないし馬鹿をやりつづけてる天才かい?”で、仮面をかぶった綾小路、ペルソナを演じている綾小路を表現したかった部分なんですね。

――綾小路を表現するため、楽曲で工夫した部分はありますか?

ZAQ 楽曲をあまりアカデミックにすると、「カーストルーム」っぽさという発注や皆の期待からずれてくる、と思っていました。構成もかなり「カーストルーム」に寄せていて、頭でアコギのかき鳴らしと共にソロが始まり、それがDメロでまた現れる、という作りですね。「カーストルーム」にもあった、アコギのスラップやアコースティックギターをバンバンと叩くシーンを取り入れていますし、かっこいいラテンジャズを表現しようという気持ちでした。

――歌についても「カーストルーム」に寄せましたか?

ZAQ 声質はかなり寄せていますね。こぶしを入れた部分やサビの開き具合とか。やっぱりサビは急にポップになる作りにしましたからね。とにかく今回の歌ではかっこよさを重視しました。いつも(キーが)上のほうでカーッ!って歌っていますけど(笑)。「カーストルーム」って実は、堀北役の鬼頭灯里ちゃんが1stライブで歌ってくれましたし、結構カバーされることが多い楽曲だったので、高い音域ではなく低いレンジで歌う楽曲にしたんです。

――高低音のレンジ差がある曲は難しくなると。

ZAQ 前回出したシングルの「ASEED」はまさにそれの応酬で、高い!低い!高い!低い! でした(笑)。でも今回はカバーしたくなるグルーヴを目指し、ラテンの踊りたくなる曲調に挑戦しています。いつも「ZAQの歌は難しい」と言われるし(笑)。そんなつもりないんだけどなー。

――たしかに難しいとは思いますが、ZAQさんはどれほど歌の素養があるのでしょうか? 音大のピアノ科だったことは知られていますが。

ZAQ 歌はまったくです。21歳の頃に歌手になると決めてからカラオケでずっと頑張ったくらいで。

――でも、歌手になると決めたからには自信はあった?

ZAQ 全然(笑)。でも田舎の生まれで山の裏に住んでいたということもあり、めちゃめちゃ大声で叫んでいたんですよね、イノシシとすれ違いながら(笑)。だから、声の大きさには自信がありました、そこだけ。だから、アーティストとしてどうあるべきなのか、という根本で悩むんですよね。「昔から歌が好きでした!」というよりも「音楽が好き!」なので。

――では、カップリング曲「ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲オラトリオ feat. 内田真礼」についても教えていただけますか?

ZAQ 『よう実』主題歌のカップリング曲を作るとなったとき、2ndアルバム『NO RULE MY RULE』に収録した「行きたいイベント重なりすぎてコンプできないオタク葬送曲 feat.遠藤ゆりか」の続きをまたやりたいと話していたんです。それで、ZAQがふざけることを受け入れてくれて、その人のファンもそういう遊びを許してくれそうな声優さん、をピックアップしていきました。でもやっぱり、私と仲が良いことをファンのかたも知っているし、「ZAQちゃん、おもしろーい」って本人も笑ってくれそうだし、という信頼関係の元で真礼に決定しました。彼女とは『中二病でも恋がしたい!』でブレイクした戦友、ライバルみたいな感覚があって。楽曲提供も何度かさせていただいているので、レコーディングのときに奇跡的なテイクをバンバン量産していく感じは知っていました。だからやる前から楽しみでしたね。

――ZAQさんからはどのようなディレクションがありましたか?

ZAQ よりキャピキャピしてもらいました。彼女の素を出すというよりは、皆が大好きな「内田真礼」というキャラを演じてもらう感じですね。

――レコーディングで印象に残ってる思い出やエピソードはありますか。

ZAQ めっちゃありますね(笑)。例えば、声優としての一面をたくさん見せてほしかったので、主線のメロディは王道ヒロインっぽく、でもガヤの部分では遊び心を入れて歌ってもらうとか。「チケットをご用意することができませんでした」というセリフでは、キャビンアテンダントっぽく、とお願いしたらすぐに対応してくれていましたね。実は、『約束のネバーランド』でノーマン役を演じているのを聞いたときに「これ、内田真礼なの?」ってビックリして。これまでの内田真礼ってかわいい女の子役が多いイメージだったんですけど、レコーディングでも「真礼も見ないうちに、こんなに芝居の幅が大きくなったんだねぇ……(泣き真似)」と感動しつつでした(笑)。

――内田真礼というシンガーは、ZAQさんの目にはどのように写っていますか?

ZAQ これは(『中二病でも恋がしたい!」の)小鳥遊六花として歌った「-Across the line-」を録ったときの話なんですけど、ディレクターの指示に対して出してくるテイクがマイナス200点だったりプラス1000点だったりと、鬼才なんですよ。私はまだディレクター経験がないときでしたけど、横で見ながら「そうきたか!?でもそれも良い!!」というのがめちゃくちゃ多いんですね。「この子はすごい!」と思いました。解釈が天才的だったんですよ。外し方も「そこ外す?」という感じで。でも、それがニュアンスとして聴こえたときに絶妙にかわいいし。そういうのを連発するんですよ。

――内田さんは、ライブでの観客とのやり取りを見ていても感覚が鋭いと感じます。絶妙を攻めているというか。なので周囲の人々を魅了するような。

ZAQ そうなんですよ。センスが鋭いんですよ。だから、本当はディレクションでこっちが気持ちをノせないといけないのに、向こうがこっちをノせてきますね。「私の歌を録れて楽しいねー♪」みたいな。「そういうことしないでよ!」って思うくらいのかわいいことをめっちゃやってくるし、しかも嫌味がない。私の中の男性ホルモンが沸騰するんですよね。でも彼女にそれを言うと「そんなことないよー♪」って。もう、ずるい!彼女はビジュアルももちろん100億点満点なんですけど、自分は中身のかわいさにやられているので、彼女がどんなことをしても着いていきたくなりますね。

――愛が止まらないですね(笑)。そうなるともっと一緒に仕事したいですね。皆大好きなので倍率が高いですが。

ZAQ そうなんですよ。悔しいことに一番になれない……という気持ちを歌ったのが今回の曲です。一番になれないけど推しを応援はしたいオタク、という。

――上手くまとまりましたね。

ZAQ 内田真礼の魅力を語ると止まんないんですよね(笑)。

【連載企画第6回:ZAQUIZ!】

Q.6 「Dance In The Game」カップリング曲の「ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲オラトリオ feat. 内田真礼」のタイトルで他にあった候補は下のうちどれでしょう?

・推しが俺以外のヤツと結婚したオタクのための求憐誦
・行きたいイベント消滅しすぎて優勝できないオタク交響曲
・中止になったイベント多すぎて悲しみのぶつけ所がないオタク鎮魂歌
・オタクはみんなそう言って強くなる

▼正解は第7回インタビューで!

連載企画第5回:ZAQUIZ!の答えは……

The Matchを現地観戦したこと

でした!

INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司


●9ヵ月連続リリース情報
第七弾シングル
TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』オープニングテーマ
「Dance In The Game」

発売中

品番LACM-24278
価格:¥1,320(税込)

<収録曲>
1.Dance In The Game
作詞・作曲・編曲:ZAQ
2.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼
作詞・作曲・編曲:ZAQ
3.Dance In The Game(Off Vocal)
4.ライブを忘れたオタクに捧げる聖譚曲(オラトリオ) feat.内田真礼(Off Vocal)

■第一弾
「ZIGZAG」

作詞・作曲・編曲:ZAQ
配信リンクはこちら

■第二弾
TVアニメ『薔薇王の葬列』第1クールエンディングテーマ
21st シングル
「悪夢」

発売中

品番:LACM-24243
価格:¥1,320(税込)

<収録曲>
M1「悪夢」
作詞・作曲:ZAQ 編曲:石川智久
M2「耺」
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録

配信リンクはこちら

■第三弾
「ANTHEM」

作詞・作曲:ZAQ 編曲:ZAQ・RINZO
配信リンクはこちら

■第四弾
TVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』オープニングテーマ
22nd シングル
「ASEED」
発売中

品番:LACM-24239
価格:¥1,320(税込)

<収録曲>
M1. ASEED
作詞・作曲・編曲:ZAQ
M2. Coward
作詞・作曲・編曲:ZAQ
各インストも収録の計4 曲収録

■第五弾
「QUEEN」

作詞・作曲:ZAQ 編曲:TeddyLoid
配信リンクはこちら

第六弾
「TENSION ENCHANTER」

作詞・作曲・編曲:ZAQ
配信リンクはこちら

関連リンク

ZAQ Official Site
http://www.zaqzaqzaq.jp/

ZAQ Official Twitter
https://twitter.com/ZAQinfo

ZAQ Official YouTube Channel
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