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2022.07.07

【ライブレポート】駆け出したら いつでもそこがスタートライン――「IDOLY PRIDE」、ライブイベント<LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2022“約束”>2部公演をレポート

【ライブレポート】駆け出したら いつでもそこがスタートライン――「IDOLY PRIDE」、ライブイベント<LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2022“約束”>2部公演をレポート

アイドルを題材にしたメディアミックスプロジェクト「IDOLY PRIDE」のライブイベント<LAWSON presents IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2022“約束”>が、7月2日に東京・立川ステージガーデンで開催された。今年2月に開催された<IDOLY PRIDE VENUS STAGE 2022“奇跡”>も大きな反響を呼んだなか、そこからわずか半年ながら、星見プロダクションのアイドルたちはさらに成長した姿を、我々に見せてくれた。ここでは1部と2部の2公演のうち、ライブビューイングも行われた2部公演のレポートをお届けする。

全力でポジティブ!賑やかに駆け抜けたサニーピース

この日の会場となった立川ステージガーデンは、約2500席のキャパ数を誇る大型ホール。チケットは2公演共に即完売ということで、客席は3階席までほぼ埋まっている。開演前には「IDOLY PRIDE」関連曲のインストバージョンが流れ、ファンの期待が徐々に高まっていくなか、照明が暗転してついにライブが開幕。まずは大型スクリーンにOP映像が映し出され、この日の出演があらかじめ告知されていた、月のテンペスト、サニーピース、そしてTRINITYAiLEが紹介される。

オーディエンスが盛大な拍手で迎えるなか、最初にステージに登場したのは、川咲さくら役の菅野真衣、一ノ瀬 怜役の結城萌子、佐伯遙子役の佐々木奈緒、白石千紗役の高尾奏音、兵藤 雫役の首藤志奈からなるサニーピース。夜公演の1曲目に選ばれたのは「EVERYDAY! SUNNYDAY!」だ。5人はステージ上段でイントロ部分の麗しいハーモニーを重ね、「1、2、3、4!」というカウントを合図に元気よくステップを降りてメインステージへ。クラップを誘ったり、その場でクルリと回転したり、5人でポーズを決めたりと賑やかに動きながら、弾けるような歌声と笑顔を届ける。

続く「サマー♡ホリデイ」は、陽気なリズムと“(それは夏のせい)”という合いの手が印象的なサマーチューン。間奏ではメンバーの名前やお馴染みの「サニピー!」というフレーズをコール&レスポンスするパートも含まれており、会場のファンも(きっと)心の中で大声を出しつつ、身振り手振りでサニピとのやり取りを楽しむ。このネガティブさを微塵も感じさせないワチャワチャ感こそサニーピースの真骨頂。記録的な猛暑が続くこの夏を“とびきり最高な夏”に塗り替えてみせた。

MCでもとびきり元気良く自己紹介をするサニピの面々。特に白石千紗役の高尾奏音は、姉の白石沙季とのお揃いにしたというポニーテールをアピールしつつ、「初夏を一緒に楽しみま“しょか”~」と得意のダジャレを(半ば強引に)挿むことを忘れない。さらに兵藤 雫役の首藤志奈は「サマー♡ホリデイ」の振付のステップが苦手なことをほかのメンバーに暴露され、その場で披露する羽目に。首藤はややぎこちない動きを見せるも、「違う!本番はできてたから!」と弁明するやり取りが微笑ましかった。

そしてサニーピースは最後の楽曲「全力!絶対!!カウントダウン!!!」を披露。今年1月の“リスアニ!LIVE 2022”で初披露されて以来、ライブで盛り上がる楽曲としてファンに愛されている華やかなディスコポップチューンだ(リリースされたばかりの1st EP『それを人は“青春”と呼んだ』にも収録)。サニピの楽曲には欠かせない要素となっているカウントと「サニピ!」のフレーズを全面に押し出しつつ、ファンやメンバーといった“みんなと出会えた奇跡”に対する感謝の気持ち、溢れんばかりの幸福感を全力全開で“ありがとう”と届けるその姿に、なぜだか胸が熱くなる。どこまでもポジティブなサニピだからこそ表現できる幸せいっぱいのステージが、この日、現実のものとして形になっていた。

新曲をサプライズ披露!さらに進化した月のテンペストのステージ

夜公演の2番手を務めたのは、長瀬琴乃役の橘 美來、伊吹 渚役の夏目ここな、白石沙季役の宮沢小春、成宮すず役の相川奏多、早坂芽衣役の日向もか、ミュージックレイン3期生の5名による月のテンペスト。ステージ上段に颯爽と現れた彼女たちは、儚くも焦燥的な世界観が印象的な「月下儚美」でライブをスタートさせる。その歌に込められたのは、満たされない想いを何とかしたくて自分を突き動かす気持ち。その青春のなかで感じる切迫感を、5人は青色のラメが光る揃いのスカートをはためかせながら、力強くも美しい動きで表現する。スクリーンには通常のMVではなく、TVアニメ第6話でこの楽曲が披露されたシーンの映像が映されたのも効果的。彼女たちの軌跡とその最新進化型となるパフォーマンスが重なり合い、得も言われぬステージを作り上げていく。

続けざまに歌われた「恋と花火」は、和の情緒に満ちたメロディがどこか感傷的な景色を浮かび上がらせる、マイナー調のアップチューン。歌詞で描かれるのは、恋をするも相手になかなか想いを伝えられない夏祭りの情景だが、その切なくもいじらしい気持ちを、月ストの5人は凛としたステージングで大人っぽく表現していく。この楽曲の振付では、後ろを向いて振り返る動作が多く組み込まれているのだが、浮世絵の「見返り美人図」を想起させるその美しい所作もまた、月ストのしとやかな魅力を強調する。

MCでは、各々が自身の演じるキャラクターの口調で挨拶。伊吹 渚役の夏目ここなは「マネージャーの手、あったかいです。ちょっと緊張してたので、ちょうどいいですね」とアドリブを効かせて、マネージャー(「IDOLY PRIDE」のユーザーおよびファンの呼称)を喜ばせる。宮沢小春と日向もかが、ほかの3人が水分補給のために後ろに下がっている間、客席に向けて「芽衣だよー」「沙季だよー」と手を振りながら入念にファンサービスを行っていたのも印象的だった。

そして早くも次が月のテンペストのラストの楽曲に。宮沢が「聴いてください、新曲です」と告げ、まさかの展開に会場がどよめくなか、まだアプリゲームにも実装されていない完全に本邦初公開となる「裏と表」を披露する。弦とピアノの流麗なフレーズを呼び水に、月ストらしいどこか影のあるエモーショナルなメロディとアップテンポなリズムが折り重なる本楽曲。どこかハングリー精神を感じさせる歌詞を含め、表向きはクールを装いつつ内に秘めた情熱を解放するようなところは、まさに「裏と表」といった趣きだ。5人で回りながら華麗なステップを踏む振付も彼女たちらしく、太陽のように明るく眩しいサニーピースとは対照的な、月のごとく優雅かつ神秘的な魅力が感じられるステージだった。

次ページ:“星降る奇跡”に捧げる歌声――神崎莉央と長瀬琴乃、夢の共演

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