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INTERVIEW

2022.06.23

【インタビュー】音楽と物語で巡るharmoeの世界旅行――『It’s a small world』をリリースしたharmoe(岩田陽葵・小泉萌香)の2人へ、待望の1stアルバムへの想いを聞く

【インタビュー】音楽と物語で巡るharmoeの世界旅行――『It’s a small world』をリリースしたharmoe(岩田陽葵・小泉萌香)の2人へ、待望の1stアルバムへの想いを聞く

雪国からジャングルまで!音楽と物語で巡るharmoeの世界旅行

――3曲目はシングル曲の「アラビアン・ユートピアン」、4曲目はスキットの「SKIT1 ~DRIVE~」ということで中国からアラブ経由で西アジアをグルッと巡り、5曲目「HAPPY CANDY MARCH」でヨーロッパへ。歌詞にお菓子の家が登場するので、これは「ヘンゼルとグレーテル」ですね。

小泉 かわいいよね~。

岩田 かわいい!楽曲を作ってくださったCHI-MEYさんが仮歌も歌ってくださったんですけど、仮歌の時点で世界観が完璧に出来上がっていたので、「この空気感を目指せばいいんだ!」というのがすごくわかりやすかったです。CHI-MEYさんの歌声もめちゃくちゃ素敵でした。

小泉 「ヘンゼルとグレーテル」って、兄妹がお菓子の家に誘われて魔女に捕まってしまう、ちょっと悲しいお話ですけど、この曲の歌詞では魔女が消えちゃっているので、もうハッピーしかない(笑)。楽しい気分になる曲です。

――この曲も2番にラップ風のリズミカルなパートがありますよね。ちょっとミュージカルっぽい雰囲気と言いますか。

小泉 たしかに!

岩田 あそこはセリフを言うような、歌うような、その間を取る感じでレコーディングした気がします。

小泉 私ははるちゃんの“ん~♪ 悪くない”が好き。

岩田 あのセリフ、使いやすいしね。(MVの)撮影のときも、何かあるたびに「ん~♪悪くない」ってやってました(笑)。

小泉 harmoeの楽曲は使いやすい言葉、使うと気持ち良い単語が多いんですよ。

岩田 そうそう。私はもえぴの“あっちかな?こっちかな?”のところが好き。

岩田小泉 (2人で声を合わせて歌い始める)“あっちかな?こっちかな?トンチンカンでまた迷子でも いいね最高”!

――やっぱり仲良いですね(笑)。

小泉 あはは(笑)。ここはリズムが気持ち良くて、ついつい口ずさみたくなる部分だと思うので、皆さんにもぜひたくさん聴いてもらいたいです。

――6曲目の「雪のかけら」は、どこか切なげで幻想的なミディアムナンバー。こちらはどんなおとぎ話がテーマなのでしょうか?

小泉 これは「雪の女王」です。「アナ雪(アナと雪の女王)」の元になったお話で。曲調もアルバムの中で一番静かで、どこか雪が降っている感じがするので、静かに歌いました。

岩田 雪の中の吐息というか、冬の白い息を感じられるような歌い方を意識して。これまでとはガラリと変わってしっとり系の曲です。

――お二人の柔らかで透明感のある歌声が重なって、ASMRじゃないですけど、癒し効果が感じられました。

岩田 えー、嬉しい!

小泉 ありがとうございます!ちょっと息を多めにして、“ささ(やき)度“多めの楽曲ですね。

――harmoeの現場でよく使われる噂の言葉“ささ度”ですね(笑)。そんな「雪のかけら」で北欧を巡り、続く7曲目「空想エスケープ」はKOTONOHOUSEさん制作の軽やかなフューチャーベースに。これは歌詞の内容的に「塔の上のラプンツェル」かなと思ったのですが……。

岩田 そう、正解です!

小泉 ラプンツェルはずっと塔に閉じ込められて、世界のことを何も知らないけど、何も知らないからこそワクワクが止まらない、見るものすべてが美しくてきれいに感じる。この曲はそういうワクワク感を大事に歌いました。特に1番の“ブレーキ知らずの脈拍 燃料は期待なの?不安なの!?”のところは、「不安はあるけど飛び出してみよう!」っていう、楽しみしかない明るい女の子をイメージしていて。

岩田 うんうん。2番からは(歌詞の主人公の女の子が)実際に外に飛び出したあとのことが描かれているんですけど、その見るものすべてがキラキラして見える感じを意識して歌いました。私、この曲の2A以降が大好きなんです!「てんてんてんてん てんてんてんてん♪」みたいな音が入るところも、めっちゃ「ラプンツェル~~!!」ってなる(笑)。

小泉 あそこ好きだよね(笑)。

岩田 ふふ、ランタンが見えるんだよね。ちゃんと景色が見える。すごく好きです!

小泉 「空想エスケープ」はずっと塔の中で「世界はどんな感じなのかな?」って空想していた女の子が、そこから脱出して、自分の目で見たものだけを思い出にしていく感じで。

岩田 harmoeの楽曲って、まだ見ぬ世界への一歩踏み出す、みたいな曲が多いんですけど、harmoeの活動そのものがそういうワクワク感に溢れているから、私たちにも重なるなあって思います。

――8曲目の「ククタナ」は田中秀和さんが作曲・編曲を手がけた、トライバルな雰囲気のダンスポップ。これは「ジャングル・ブック」辺りかなと思ったのですが……。

小泉 惜しい!

岩田 限りなく近い。

――だんだんクイズみたいになってきましたが(笑)。

小泉 これは「ターザン」ですね。歌詞で言うと“すぐに分かる ボクら似てる、と”のところとかが「ターザン」っぽくて。お猿さんに育てられたターザンが、あるとき人間に出会って、「あれ?俺、こっち(人間)側?」ってなったってことですから。

岩田 あはは(笑)。“キミに出会うまで”のところとかね。

小泉 そう。“誰とも違っていた”から寂しく思っていたけど、“キミ”に出会ってしまって。

岩田 それで“open new world!”しちゃうっていう。

――たくさん入っている打楽器の音は、パーカッショニストの三沢またろうさんが演奏されたそうですね。

小泉 そうなんです。私たちも(レコーディングの)映像を観させてもらったんですけど、今まで見たことのないような楽器も色々叩かれていて。「なんでも叩けるやん!」って思いました。

岩田 「ここにこんな楽器使われてたんだ!」みたいな。

小泉 色んな楽器の音が入っているし、今までで一番コーラスの量が多かった楽曲でもあって。私たち2人もたくさんのコーラスを録らせていただいたんですけど、それとは別に6名の方が歌っていて。(やや太い声音で)“もっと 教えてよ もっと”って。

――男性コーラスも入ってますもんね。

小泉 計36パートくらい歌っていただいて。多分私たちも合わせたら40パートくらいあると思うので、ぜひ良いスピーカーで聴いてほしいです。

岩田 色んなところで色んな音が鳴っているので。

「セピアの虹」が描くharmoeの絆と成長、その先に広がる景色

――そこからスキット曲「SKIT2 ~VOYAGE~」、さらにシングル曲の「きまぐれチクタック」と「マイペースにマーメイド」を経て、アルバムを締め括るドラマチックなフューチャーポップ「セピアの虹」へ。

小泉 いやあ、めちゃくちゃ良い曲です。

岩田 エモい……!

――デビュー時からご一緒しているTomgggさんが作編曲を担当していますしね(作詞は辻林美穂)。この曲は歌詞に“over the rainbow”という一節もありますし、「オズの魔法使い」がモチーフでしょうか。

岩田小泉 (2人で声を合わせて)正解!

――息ぴったりじゃないですか(笑)。歌い出しの“まだ見たことない世界が 僕たちを待ってる”というフレーズからグッとくる内容ですが、お二人は楽曲を受け取ったときにどんな感想を抱きましたか?

小泉 もう本当に、私たちの全部が詰まっているというか、今回のアルバムで一番大切といっても過言じゃないくらい素敵な楽曲で。私たち自身にも勇気を与えてくれる歌詞だし、この先、何年後とか何十年後に歌ったとしても、そのときのharmoeにぴったりな楽曲になるだろうなと思って、すごく不思議な感覚になりました。

岩田 歌うときによって、感じる気持ちとか、頭の中に浮かんでくる思い出や情景が変わってくる気がしていて。この曲は“harmoe canvas session Ⅲ”(2022年3月12日に開催されたトーク&ライブイベント)の最後にサプライズで披露したんですけど、それがちょうど私たちのデビュー1周年の時期だったんですよ。だから歌っているときに、それまでの1年間のことをすごく感じて。ファンの方たちもすごく感動してくれました。

小泉 「オズの魔法使い」の世界に入っていく感覚もあるし、歌詞の1行1行すべてが自分たちに、harmoeに重なるので、歌っていてもすごく響くんですよね。

――例えば、自分たちのどんな気持ちに重なりますか?

小泉 もう最初の“まだ見たことない世界が 僕たちを待ってる ワクワク止まんないよ いつだって準備OK 君が隣で笑ってくれるから なんてことない日が ほら 動き出す”から、まさにそうだなって気付かされて。例えば5年後に歌っても“まだ見たことない世界が 僕たちを待ってる”と思うし、どの文節も、どの部分もすべて今のharmoeに合う。

――“君が隣で笑ってくれるから”の部分を歌うときは、やはりお互いの顔が浮かぶ?

小泉 そうですね!この曲は振付も付いているんですけど、ちょうどこの“君が隣で笑ってくれるから”のところでは、手を繋いでるんですよ。そういう2人じゃないとできない振付がこの楽曲は多くなっていて。

岩田 私も、この曲を歌っているときはもえぴのことしか出てこない(笑)。「セピアの虹」というタイトルも、セピアの世界でも2人が出会うことで鮮やかな世界になっていくっていうのが、本当に素敵だなあと思って。

小泉 いや、もう、歌詞を全部音読したい!

――朗読会じゃないんですから(笑)。あと、この曲のお二人の歌声は、心なしかほかの曲よりも似て聴こえるように感じるんですよね。2人で1つになったような一体感があるといいますか。

小泉 意識はしてなかったですけど、そうなんですね。

岩田 嬉しい。同じ気持ちで歌えていたのかな?

小泉 でも、サビの最後の部分は、同じ音ではあるんですけど1オクターブ違う音で歌っていて。それも“harmoe canvas session Ⅱ”(2021年10月に開催されたトーク&ライブイベント)のカバー曲でチャレンジした部分を、ぐぐさんが「これはharmoeらしさが出るのではないか?」と気づいて取り入れてくださったところなんです。

岩田 私がすごく好きなのはDメロの“ずっと探していた 僕らに足りないものは どこにあるの?って そして 気づいたんだ 最初から 胸の中にある”のところで。それまでは「一寸先は光」みたいに踏み出す曲が多かったけど、アルバムの最後で「大事なものは最初から自分の胸にあるんだ!」って気付く。一連を通して色々なところを巡って成長してきたけど、結局一番大事なものはもう持っていたんですよね。

小泉 “自分を信じてあげよう”っていう。

岩田 そう!なんて素敵な物語なんだろうと思って。

――世界中のおとぎ話をモチーフにした楽曲であちこちを巡りつつ、アルバム1枚を通してharmoeの絆と成長を表現した素晴らしい作品になりましたね。ちなみにもし2人で好きな場所に行けるとしたら、どんなところに行きたいですか?

小泉 何だろう?……でも、やっぱり海外は行きたいですね。

岩田 行きたーい!

小泉 振付やメロディもちゃんと(テーマとなるおとぎ話の)世界観に沿ったものになっているので、きっと言葉が伝わらない海外の人にも気持ちが届くかもしれないと思うし、海外の人にも伝わるようにしたいという気持ちもあって。だからいつか海外で……まあ日本語で歌うんですけど(笑)。

岩田 そこはわかってくれるはず(笑)。

小泉 でも、このアルバムと同じ場所を巡りたいですね。日本から中国に行って。ワールドツアー!

岩田 『It’s a small world』ツアー。もう全然スモールじゃないけど(笑)。

――でも、そうなるとアフリカのジャングルにも行くことになりますけど。

岩田 もえぴ、行けるかなぁ?(笑)。

小泉 動物に会いに行く!って思えば行けるかなあ?ちょっと心配ですけど、それでも最後はアメリカが待っているので頑張ります(笑)。

――ワールドツアーもぜひいつか実現してほしいですが、8月には東名阪を巡るharmoe初のライブツアー“This is harmoe world”の開催が決定しています。最後にツアーへの意気込みをお願いします。

岩田 harmoeの楽曲は、1曲1曲語り尽くせないぐらいの魅力が詰まっているので、それをライブでどうやって表現するのか、私たちも今からすごく楽しみですし、「どんなライブになるのかな?」「こういうことしてみたいな!」って色々な想像を膨らませていて。絵本をめくるように素敵なライブになればいいなと思うので、頑張ります!

小泉 いつも「皆さんharmoeの世界観に浸ってください」と言わせてもらっていますけど、実は一番harmoeの世界観に浸っているのは多分私たちで(笑)。harmoeの世界は本当に楽しくて、盛り上がる曲や気持ちの良いテンポの曲もあれば、しっとりした曲もあって、すべて楽しめる。この世界観に入り込んで損はないと思いますし、私たちもそんな世界観を作れるように頑張るので、ぜひ遊びに来ていただけたらと思います!

INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)


●リリース情報
harmoe 1stアルバム
『It’s a small world』
6月22日(水)発売

■mora
通常/配信リンクはこちら
ハイレゾ/配信リンクはこちら

【きゃにめ盤(CD2枚組+Blu-ray)】

※三方背BOX+52P特製ブックレット
品番:SCCG-00101
価格:¥6,600(税込)

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

※三方背BOX+52P特製ブックレット
品番:PCCG-02137
価格:¥5,500(税込)

【通常盤(CD)】

品番:PCCG-02138
価格:¥3,300(税込)
※16Pフルカラーブックレット

<CD>
M1. 一寸先は光
作詞・作曲・編曲:yuigot
M2. harmony to the West
作詞・作曲・編曲:やしきん
M3. アラビアン・ユートピアン
作詞:やぎぬまかな 作曲・編曲:Tomggg
– SKIT1 〜DRIVE〜
M4. HAPPY CANDY MARCH
作詞・作曲・編曲:CHI-MEY
M5. 雪のかけら
作詞:ボンジュール鈴木 作曲・編曲:Kirara Magic
M6. 空想エスケープ
作詞・作曲・編曲:KOTONOHOUSE
M7. ククタナ
作詞:やぎぬまかな 作曲・編曲:田中秀和
– SKIT2 〜VOYAGE〜
M8. きまぐれチクタック
作詞:ボンジュール鈴木 作曲・編曲:Tomggg
M9. マイペースにマーメイド
作詞:三森すずこ 作曲・編曲:Tomggg
M10. セピアの虹
作詞:辻林美穂 作曲・編曲:Tomggg

※全形態共通封入特典
harmoe 1stライブツアー チケット優先販売申込券

<きゃにめ盤特典CD>
※1stアルバム「It’s a small world」instrumental(新曲7曲)+はるもえroom主題歌 収録

<Blu-ray>
・「セピアの虹」Music Video
・「セピアの虹」Music Video メイキング映像
・「HAPPY CANDY MARCH」Music Video
・「HAPPY CANDY MARCH」Music Video メイキング映像
・「It’s a small world」ジャケット撮影 メイキング映像
・harmoe theater stage Ⅰ ライブ映像(4曲)
収録曲:「舞台プレパレイション」「Fly Me to the Star」「エガオノキミヘ」「ユニバーページ」

<52P特製ブックレット>※きゃにめ盤、初回限定盤のみ
アルバム収録楽曲と撮り下ろし写真、作詞家:中村彼方の物語で構成されたharmoeオリジナルストーリー「It’s a small world」収録

■harmoe オリジナルストーリー「It’s a small world」イントロダクション
46億年前 母なる宇宙のもと 彼女たちは生まれました。
二人手を繋ぐと 太陽よりも小柄だけれど 月よりもちょっぴり大きめ。
雨となり 魚となり 恐竜となって地球を旅してきた二人は
今また人間となって この地を旅してみることにしたのです。

●ライブ情報
harmoe 1st LIVE TOUR「This is harmoe world」
8月13日(土)名古屋市芸術創造センター(愛知)
8月14日(日)大阪国際交流センター(大阪)
8月21日(日)LINE CUBE SHIBUYA(東京)

詳細はこちら(https://harmoe.jp/event/1sttour/)

●イベント情報
1stアルバム『It’s a small world』発売記念イベント
7月9日(土)/一般財団法人 全電通労働会館(東京)
1回目:13時開演/2回目:15時30分開演/3回目:18時開演
7月16日(土)/ 東別院ホール(愛知)
1回目:14時開演/2回目:16時30分開演
7月17日(日)/ T・Bホール(大阪)
1回目:14時開演/2回目:16時30分開演

詳細はこちら

●配信情報
harmoe 音楽配信サイト
配信リンクはこちら

関連リンク

harmoeオフィシャルサイト
https://harmoe.jp/

harmoe 公式Twitter
https://twitter.com/harmoe_official

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