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INTERVIEW

2022.06.16

【インタビュー】EGOIST、10周年イヤー第2弾シングル『Gold』リリース!ボーカル・chellyが語るEGOISTの10年――。

【インタビュー】EGOIST、10周年イヤー第2弾シングル『Gold』リリース!ボーカル・chellyが語るEGOISTの10年――。

6月15日、EGOISTの10周年イヤー第2弾シングル『Gold』がリリースされる。ボーカル・chellyが楪いのりというキャラクターの歌唱を担当して10年。現在では作品の枠を飛び出し、VTuber、Vシンガーの先駆けともいえるバーチャルの歌姫となった。そんなchellyにデビューからの10年の歩みや、新曲の制作エピソードについて聞いた。

chellyが振り返るEGOIST の10年

――EGOISTは昨年の11月から10周年イヤーに入っていますが、改めて今の心境としてはいかがですか?

chelly 「もう10年かぁ」みたいなふわっと感というか(笑)。自分のやるべきことというか使命を全うしていたら、いつの間にか随分と時間が経っていたっていう感じですね。でも10年って振り返ってみると、感慨深い気持ちもありますね。

――僕の中でchellyさんはシンガーとして非常に真摯に、1曲1曲に対する集中力で乗り越えてきたという印象があります。

chelly  EGOISTはバンバン曲を出すほうではなかったじゃないですか。だから1曲1曲に重みがあって、挑戦しがいがありましたね。「積み重ねてきた」っていう気持ちがすごく強いなと思いますね。

――改めて10年前のことを振り返ってみるとどんな感じですか?

chelly すべてのことが「はじめまして」だったので、初めてのレコーディングやライブは印象に残っています。特にボイトレとかもなく、学校帰りに初めてのレコーディングをしたりとか(笑)。

――高校生でしたもんね。ご自身の中で成長を感じられるところはありますか?

chelly 10年あると、人間って変わるものですね(笑)。今でこそこうして自分の気持ちを喋れるようになりましたけど、最初の頃はもう全然、何も言えないみたいな感じだったので、引っ込み思案な部分が少しは改善したかなという感じはありますね。

――でも10年間インタビューをさせていただいて、やはりライブなどの方向性に対してchellyさんの意志が注ぎ込まれていく過程のなかで、言葉としても明確に表現するようになっていったという印象があります。

chelly 最初の頃は何がなんだかわかってなかったんだと思うんです(笑)。でも自分のやるべきことをしっかりと認識するようになってから、徐々に自分の意志を曲やライブに取り入れてもらうことは多くなってきたかなという印象です。それに、ファンの皆さんの力は本当に大きなものだし、支えていただいてるというのを認識しだしてから、曲を出すたびに「喜んでもらえるかな?」っていうのを考えるようになりました。

オーディションで母親が……!?

――それと、これは10周年を迎えるアーティストに恒例で聞いてしまって、いつも困らせる質問なんですけど(笑)、10年間振り返って特に印象に残っていることは何ですか?

chelly そうですね……。活動前のことになるんですけど、オーディションですね。最終審査の時に母親が一緒に来てくれたんですけど、そのときに母親がいきなり歌い出して(笑)。それが自分も印象に残ってるし、その場にいた皆さんにも印象に残っているって言われますね。

――どういうことなんですか、それは(笑)。お母様としてはその場を和ませようと?

chelly 多分そうだと思うんですけど(笑)。私もすごい緊張していて、借りてきた猫みたいだったんですけど、びっくりして「あなたのオーディションじゃないのですけど」って思った記憶があります(笑)。

――オーディションも色々ありますが、あまり聞いたことがないですね。保護者が歌い出すっていうのは(笑)。

chelly あとは初めてのライブが印象に残っていますね。シンガポールの“AFA13(Anime Festival Asia Singapore 2013)”というイベントで、一緒に出てらっしゃったLiSAさんと裏でお話ししたんです。LiSAさんが、初めてのこの拙い私のライブに対して「楽しかった~!」って。そう言ってくださったことがすごく当時の私にとっては衝撃でした。あの、ライブの申し子みたいな方に褒めていただいたというのが、思い返すとその後の自信に繋がりましたね。そのときは固まってしまって、「ハッ……!」っていう感じだったんですけど(笑)。特殊なライブの形式ではあって、それに対して不安もあったんですけど、背中を押してもらえたように思えた貴重な機会です。

――振り返ってみて、EGOISTのchellyとしてこの楽曲と出会えたことによって何かが変わったという楽曲はありますか?

chelly さっきも言ったように、1曲ごとに重みがあって、どれも成長の機会という感じではあったのですが……。1曲挙げるなら、「名前のない怪物」です。『ギルティクラウン』が終わって、作中で楪いのりは死んでしまったわけなんですけど、そこからまったくの別作品の主題歌もやらせていただくこととになり、「どうしたらいいんだろう」と考えて。これからまた新しいものとして気持ちを入れ替えていくのか、それともこのスタンスを続けていくのか?初めてアーティストとして、自分自身について考えたシングルでもあります。曲的にもすごくチャレンジングな感じで、転機という意味ではこの曲ですね。

――あとこれも聞いてみたかったのですが、今ではVTuberやVシンガーのような存在が当たり前になりましたけれども、圧倒的にEGOISTのほうが早かったし、オリジナルだったと思います。現在のこのような状況を、先駆者としてどのようにご覧になってるか伺いたくて。

chelly 私自身はVTuberってまったくわからないですけど……。先駆け的に言われることが多いみたいですね。同じようなバーチャルになるわけですけど、普段私が楪いのりの姿で喋って配信をしたりすることはないので、似て非なるものみたいな。私自身もライブでMCをやるときに毎回違和感を覚えてるくらいなので……。楪いのりのMCじゃなくていいのかなって?思っていたんですよ。いのりさんにはいのりさんの人格があるし、EGOISTである限り私が歌以外ではあまり前に出たくないんですけど、VTuberさんはどっちかというと、ご本人なんですよね?

――そうですね、中の人とは別人格ではなく、ある意味イコールの存在として活動してますね。

chelly バーチャルになったらなったで人間でいるときにはなかった悩みみたいなものに直面するとは思うんですけどね(笑)。

――まさに先駆者のお言葉ですね(笑)。コロナ禍の時代でもバーチャルな存在なら世界へ向けてライブができたり、EGOISTが示した可能性って大きかったなと思います。

chelly そうだったら嬉しいですね。出てきた当時から技術が発達していて、今では自分が追い越されている感じもしますけど(笑)。

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