5月15日・16日、ZOZOマリンスタジアムにて“バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル 2nd”が開催。バンダイナムコグループから生まれたアイドルやタイトルのテーマソング・主題歌を担当する豪華アーティストたちが出演するエンターテインメントライブの第2弾として開催された今回のライブは、ジャンルや年代の垣根を超えて音楽で会場中が1つになる、充実のライブイベントとなった。本稿では、そのうちDAY1の模様をお届けする。
ライブ全体のOP映像が終わり、まずトップバッターとして登場したのは「アイドルマスター ミリオンライブ!」のアイドルたち。万雷の拍手のなか全体曲「Dreaming!」を、スクリーンに背負ったアイドルたちとともに堂々と届けて2日間の幕開けを飾ると、続けてこの日出演の3ユニットによるそれぞれのユニット曲の披露へ。
郁原ゆう(エミリー スチュアート役)、南 早紀(白石 紬役)、小岩井ことり(天空橋朋花役)による和ロック調のシリアスな「百花は月下に散りぬるを」を凛としたステージングで魅せれば、戸田めぐみ(舞浜 歩役)、浜崎奈々(福田のり子役)、角元明日香(島原エレナ役)による踊れるディスコチューン「絶対的Performer」では会場に一体感をもたらして多彩な楽曲を持つ作品であることを初見勢にもアピール。さらに、山崎はるか(春日未来役)、田所あずさ(最上静香役)、Machico(伊吹 翼役)による歌唱と各々のソロ曲のタイトルが織り込まれた「ABSOLUTE RUN!!!」で駆けつけてくれたプロデューサー(※「アイドルマスター」シリーズにおけるファンの総称)の胸も熱くさせるという、全方位の心を掴めるセットリストを構成していく。
そして最後に再び全員揃って「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」の4周年記念曲「Harmony 4 You」を披露し、改めて一体感と盛り上がりをもたらしてくれた。
ここでMCを務める、ヒャダインと宇垣美里が登壇。
公演中には出番を終えた出演者を迎えてのトークパートも随時担当していく2人、ここでは改めてイベント概要や諸注意のアナウンスを行ない、『ラブライブ!スーパースター!!』のステージへ。Liella!の5人がメンバー紹介などが盛り込まれたOP映像とともに登場すると、まずはTVアニメ1期のOPテーマ「START!! True dreams」で『ラブライブ!』シリーズの伝統・アニメPVのダンスとのシンクロも交えながら、会場の空気を一気にモノにしていく。曲明けにはイントロで観客へクラップを煽って一体感を醸成してからの「だから僕らは鳴らすんだ!」で、笑顔はじけるフレッシュかつエネルギッシュなステージを続けて会場の盛り上がりをもう一段引き上げていく。
一旦自己紹介などのMCを挟んでからの3曲目「ノンフィクション!!」は、ここまでと少し違ったクールさを、盛り込まれたメロラップやダンスタイムなどを通じて魅せ・聴かせていく曲に。さらにもう1曲ダンサブルなナンバー「Day1」を続け、ダンスパフォーマンスの精度の高さを改めて示してくれた。
5曲目「Shooting Voice!!」は、歌声の面で特に印象深かった曲。アカペラでの5人の美しいハーモニーから幕を開け、その後のダンスの切れ味や一体感でも魅せさらにギアを上げると、ラストに1stアルバムのリード曲「What a Wonderful Dream!!」を披露。改めてグループ全体の持つフレッシュさとスキルの高さをともに感じさせたところで、出番を終えた。
3番手として登場の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、まずはユニット曲からスタート。ホラーハウスをモチーフにした、ミステリアスさももつシャッフル「Maze Town」をピシッとシリアスに届ければ、クールなEDM「MONSTER GIRLS」を背負ったアニメPVとパフォーマンスをシンクロさせつつ、とにかくスタイリッシュに魅せていく。
曲明けにはステージにこの日出演の5人全員が揃い、全員曲の披露へ。まずは“ニジガク”初の全員曲「TOKIMEKI Runners」を通じて、魅せる要素の多かった直前2曲とは違った爽やかな盛り上がりをもたらすと、笑顔を咲かせてステージ上を移動しつつ観客ともコミュニケーションを取りながら「Love U my friends」を届けていく。そしてラストナンバー「Just Believe!!!」でも、1サビ後にステージいっぱいにメンバーが散らばって観客へ手を振ったりと繋がりを感じさせることで、一緒に楽しんだ感覚の残るステージに。夕暮れ時に差し掛かった会場と終盤の歌詞がリンクした瞬間、ライブならではのたまらないエモーショナルさが生まれていた。
陽も落ち始め、ライブは『アイカツ!』シリーズから中盤戦に突入。アニメでのライブパート前のコーデチェンジシーンの劇伴が流れ、観客のクラップも相まって会場に一体感が生まれると、アイドルたちが入れ代わり立ち代わり楽曲を披露していく。まず1曲目「episode Solo」では切れ味あるダンスと安定したボーカルで楽曲を表現していき、落ちサビでは歌詞をそのまま表すかのようなリボンをほどくようなコンビネーションもバッチリみせると、続く「ヒラリ/ヒトリ/キラリ」でもシリアスなナンバーに乗せてパワー感ある歌声を響かせる。2コーラス目ではステージ両サイドへ分かれて手を振りながらの歌唱で、観客への意識も忘れない。
そして3曲目「プライド」では、サプライズとして田所あずさ(神城カレン役)が、逢来りん(姫石らき役)とともに登場!普段とは違うこの日限りのスペシャルコンビでの披露となったこの曲、要所でのキメはもたせつつ、特に田所はキャラクターにリンクしたしなやかなダンスでもしっかり魅せていく。最後に披露された「チュチュ・バレリーナ」は、ミドルテンポのデジタルポップながらイントロのダンスは実にダイナミックで、しかも曲調に合わせての麗しさとの両立も素晴らしい。歌声にも涼やかさをもたせ、楽曲の世界を十二分に表現し出番を締め括った。
アイドル作品の出番が続くなか、ここで「テイルズ オブ」シリーズの主題歌を引っ提げてステージに登場したのは、misono。本イベント公式タオルの「テイルズ オブ」シリーズver.を掲げながら登場し、最初に歌唱した「VS(ヴァーサス)」から力強さと瑞々しさを併せ持つ歌声で観客を惹き付ける。2曲目以降は3曲続けて、歌詞やタイトルを引用したMCを導入に、ショートバージョンでの披露。「そして僕にできるコト」でのパワフルさがぐっと乗った歌声が観客の大きなクラップを引き出せば、不朽の名曲「Starry Heavens」では激しさを増すペンライトの動きから観客のボルテージのさらなる高まりが可視化されていく。
そのまま「二人三脚」も歌声に力をぐっと込めて歌い上げ、完全に観客の心を掴んでいった。misono自身もこの光景を前に、観客はもちろん有観客公演を実現させたスタッフ、さらには来場がかなわず配信で視聴している人々へ感謝の想いを言葉にしてしっかり伝えると、今の想いを全て詰め込んだ「ホ・ン・ト・ウ・ソ」を最後に歌唱。最後の最後まで心に響くステージで観客を魅了し、自身も歌い終わったあとに達成感と気持ち良さに溢れた笑顔を覗かせていた。
そんな熱いステージの余韻残るなか、「アイドルマスター スターリットシーズン」よりプロジェクトルミナスの8人が登場。イントロ中に7人が、最後にギリギリで中村繪里子(天海春香役)がセンターに立つというのも、歌唱前から各アイドルの特徴を表現してくれているようで嬉しい。そんな登場シーンに続いて歌われたのは、温かみのあるポップなナンバー「SESSION!」。
スクリーンに姿が映されたアイドルたちとともに、観客とプロデューサーたちへとじんわり届けていく。そしてMCを挟んでの2曲目「GR@TITUDE」も、ポップさに加えてエモーショナルさも併せ持つ曲。それをシリーズ最初の作品から携わり続けている中村からこの日が同シリーズでの初ステージだった田中あいみ(奥空心白役)まで、全アイドルが個性を発揮しながら1つの形にして届けていく光景に、作品の年輪を感じずにはいられなかった。
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