INTERVIEW
2022.06.01
――そして今回のシングル。カップリングのカバー曲が「いまはおやすみ」と「永遠にアムロ」。やっとこの曲をカバーしてくださった!と思ってしまいました(笑)。本丸きたな、と。個人的にはこの2曲を森口さんのカバーで聴きたいと、ずっと思っていました。
森口 ようやく出番がきましたね。『GUNDAM SONG COVERS』のアンコール的な。ガンダムは素晴らしい楽曲が多すぎて。今回はファーストガンダムの世界なので、そんなファーストの楽曲から選ばせていただきました。「いまはおやすみ」は戸田恵子さんのオリジナルで、BS11で放送中のレギュラー番組「Anison Days」の「好きな楽曲」コーナーでもお話をしたことがあるんです。わたしの人生のバイブルとも言える一曲が『キャンディ・キャンディ』の「あしたがすき」なんですが、この曲を作られた渡辺岳夫先生の曲をわたしがカバーできることの喜びがありました。とにかく広がりを感じる美しい曲。そのメロディに載せた富野監督の歌詞がまた素晴らしくて。“あした二人は血みどろで 風に 風に 風に 舞う”って、全く違うベクトルの世界をここにもってくる監督の天才的な言葉のセンスに泣いてしまいました。号泣しました。あまりにも全てが美しすぎて。
――1970年代の曲なのに色褪せない。2022年に歌うからこそどんなことを感じましたか?
森口 「いまはおやすみ」ってほんの一瞬だけしか心を休めることは出来ない。でもそれも全て忘れ、せめて今だけは、という刹那に身を委ねる悲しさ。この時代に生まれた運命。それをすごく感じてしまいました。日常の尊さ、ということをみなさんよく口にしますけど、こんなに切ないなんて。確かな明日がない。それでも今を生き抜くんだ、という強い想いを感じました。
――「永遠にアムロ」はどうでした?
森口 これこそ言霊だなと思いました。『機動戦士ガンダム』シリーズは40年以上続いていて、まさに「永遠にアムロ」。今、40数年の『機動戦士ガンダム』の歴史を見てきましたが、この先も何年も何十年もガンダムは続いていくんだということをこのタイトルから感じましたし、「男は涙を見せぬもの見せぬもの」。でも男だって泣きたい。昭和の頃の男の人は泣いちゃいけないって風習があったけど、それでも泣きたいときだってある。泣いちゃいけないって言われるけど泣きたいから、見せぬもの見せぬものと言い聞かせているのかなと思うと、時代を象徴しているなと思いました。ちなみに途中で音がなくなってクラップしていくところはわたしのアイディアなんです。
――あそこが現代的な感じがしますよね。
森口 そうそう!そこに今の息吹を入れたいなって思って。それとクラッピングでみんなの心を一つに、という想いもあって。『GUNDAM SONG COVERS』のアルバムのゲストに参加してくださったゴスペルコーラスグループのVOJAさんと再びコラボさせていただきました。皆さんの神々しいあのコーラス想像したら、このアレンジが思い浮かんで、ディレクターさんに提案したら、「イイネ!」となって。一人のクラップは小さいかもしれないけれど、それが重なっていくとガンダムの歴史のように大きなうねりになる、ということを伝えたかったのもありました。
――でもそういった形でアレンジにも参加されたとなると、森口さんと渡辺岳夫先生の時を越えたコラボレーションとも言えるんですね。
森口 ひゃああ!おこがましい!でも先生も天国で聴いてくださっていたら嬉しいなぁって思います。
――新作の放送も控え、今年も精力的な『機動戦士ガンダム』シリーズですが、今後こんなことをしたい、という野望をお聞かせください。
森口 60代になってもガンダムソングを歌います。
――楽しみにしています!では2022年の今に刺さる3曲となった今回のシングル「Ubugoe」と「ククルス・ドアンの島」を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。
森口 当時余韻を残していた作品とこうして再会できたことに胸が震えていますし、「おかえり」っていう気持ちと、またこの作品を通じて懐かしいみなさんとも通じ合えることが感慨深いです。新しくこの作品に触れるみなさんにとっても、いろんなガンダムシリーズがあると思いますが、こんなに温かくて、こんなにヒューマニズムに溢れた作品は今に必要なテーマだと思うので、ぜひご覧になってください。そして「Ubugoe」のMVも、これまでにないくらいに美しくて壮大な映像作品になっていますので、くれぐれも“最後のシーン”まで見ていただきたいです。紛れもなく、ククルス・ドアンの島で撮影をしています。その島を目撃していただきたいです。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
●リリース情報
森口博子
「Ubugoe」
6月1日発売
【初回限定盤(CD+Blu-ray)】
品番:KICM-93371
価格:¥1,980(税込)
スリーブケース仕様(安彦良和 描き下ろしイラスト)
ジャケットステッカー封入(安彦良和 描き下ろしイラスト)
【通常盤(CD ONLY)】
品番:KICM-3371
価格:¥1,430(税込)
【数量限定劇場盤(CD ONLY)】
価格:¥2,750(税込)
品番:NMAX-1386
※LPサイズジャケット仕様(安彦良和 描き下ろしイラスト)
※ジャケットステッカー封入(安彦良和 描き下ろしイラスト)
※【数量限定劇場盤】は通販サイト「キンクリ堂」での先行予約販売と、「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」上映劇場での販売をおこないます。どちらも数に限りが御座います。
<CD>
1 Ubugoe
作詞:松井五郎 / 作曲:doubleglass / 編曲:冨田恵一
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」主題歌
2 いまはおやすみ
作詞:井荻 麟 / 作曲:渡辺岳夫 / 編曲:時乗浩一郎
「機動戦士ガンダム」挿入歌(COVER)
3 永遠にアムロ / with VOJA
作詞:井荻 麟 / 作曲:渡辺岳夫 / 編曲:小野塚晃 / コーラス編曲:時乗浩一郎
「機動戦士ガンダム」エンディングテーマ(COVER)
4 Ubugoe (Instrumental)
作詞:松井五郎 / 作曲:doubleglass / 編曲:冨田恵一
<Blu-ray>
1 Ubugoe(Music Video)
2 Ubugoe(Making of Music Video)
●配信情報
森口博子 コンサート “Starry People”
オンラインアーカイブ配信中
6月5日(日)23:59まで
チケット販売期間:6月5日(日) 18:00まで
チケット料金:¥4,400(税込)
購入はこちら
●作品情報
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』
公開:6月3日(金)全国ロードショー
配給:松竹ODS事業室
【スタッフ】
企画・制作:サンライズ
原作:矢立 肇 富野 由悠季
監督:安彦 良和
副監督:イム ガヒ
脚本 : 根元 歳三
キャラクターデザイン:安彦 良和 田村 篤 ことぶきつかさ
メカニカルデザイン:大河原 邦男 カトキハジメ 山根 公利
総作画監督 : 田村 篤
美術監督:金子 雄司
色彩設計:安部 なぎさ
撮影監督:葛山 剛士 飯島 亮
3D演出:森田 修平
3Dディレクター:安部 保仁
編集:新居 和弘
音響監督:藤野 貞義
音楽:服部 隆之
製作:バンダイナムコフィルムワークス
【キャスト】
古谷徹、武内駿輔、成田剣、古川登志夫、潘めぐみ、中西英樹、池添朋文、新井里美、福圓美里
<ストーリー>
オデッサ作戦を控えたアムロたちホワイトベース隊は、「帰らずの島」と呼ばれる無人島での残置諜者(敵地に残って破壊諜報活動などを行う兵士)掃討の任務を拝命する。捜索に当たっていたアムロは1機のザクと遭遇、囚われの身となってしまう。目覚めたアムロが見たのは「ククルス・ドアン」と名乗る男と20人の子どもたちであった。
アムロは失ったガンダムを取り戻し、島の秘密へとたどり着けるのか?
©創通・サンライズ
森口博子オフィシャルサイト
https://www.mogeshan.net/
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』公式サイト
https://g-doan.net/
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