INTERVIEW
2022.04.26
――さて、ここからは『V.I.P LAGOON』自体のお話をお聞きしていきます。まさに3年間の皆さんの活動を凝縮した本作、皆さんとしては全体像を見てどのように感じられましたか?
葉月 まずは、最初は持ち曲が「Floor Killer」しかなかった私たちが、この3年でアルバムができるくらいまで曲が増えたということがすごく嬉しいです。私たちの3年間の詰め合わせが入った1枚になっていると思います!
平嶋 そんなふうに今までの集大成も込めつつ、キャラクターの衣装が一新されて2つ目の衣装になったというところも含めて、「第2章が始まるな」と感じられるものが完成したようにも思います。
岡田 うん。Merm4idを全部詰め込んだ、新しい名刺みたいなアルバムになったよね。今回のジャケ写はA ver.がキャラクター絵でB ver.が実写なので、もしお薦めしたいときには2枚セットで渡していただけたら(笑)、曲はもちろん誰がどのキャラをやっているのかもわかるようになっているんです。
根岸 それに、1枚のアルバムに曲がまとまったことで、「これを聴いてくれればバッチリ!」って言えるのも良いですよね。友達から「どの曲が一番良いの?」とか「どれ聴けばいいの?」って聞かれたときの答えが、結構悩みどころではあったので。あとMerm4idの楽曲って、皆さんからよく“治安が悪い”と言われるんですけど……(笑)。
――もはや合言葉みたいになっていますよね(笑)。
根岸 でも歌詞を読むと、結構乙女だったりするんですよ。しかも、それぞれゲームのイベントごとのテーマに沿ったものにもなっているので、アルバムを機に歌詞と一緒にフルサイズをじっくり聴いていただけるのも、また楽しみですね。
――そして今回のアルバムには、先日開催の3rdワンマンライブでも披露された新曲「I will never die」も収録されています。
平嶋 この曲は「こんな混沌とした世の中、自分1人じゃ何も変えられない」という葛藤と、「それでもみんなの力を合わせれば打破できるんじゃないか?」という強い気持ちが凝縮された曲になっていまして。Merm4idにしては珍しくジャンプをしたり手を挙げたりするような曲ではないので、今までとは違った姿を見せられる曲になっていると思います。
――ライブでも実際、そういった意識の元パフォーマンスを?
平嶋 そうですね。Merm4idの力強さとその眼差しを魅せられたら……という気持ちで、ライブでもパフォーマンスしていきました。
根岸 それに、ユニットとしてだけじゃなくて、それぞれのメンバーも今までとは違う顔が見える曲になっているんですよ。例えば私が演じる松山ダリアちゃんは結構声も低めなので、今までは歌でも結構低音担当だったんです。でも今回の曲は、コーラスや最後のセリフで高音のパートを担当させていただいていて。なのでライブでも「どう表現したらいいんだろう?」という葛藤もすごくあったんですけど、だからこそ今までとは違う顔が見える曲になっているように思います。
岡田 私が演じる水島茉莉花ちゃんも、普段はふわふわした感じの子なんですけど、この曲ではかっこいい路線ド真ん中のラップを担当しているんですよ。だから最初は、そのラップのテンション感と茉莉花ちゃんのイメージを擦り合わせるのが、結構難しくて。レコーディングでもプロデューサーと「茉莉花ちゃんのままで、いかに伝えるか?」というところを、「もっと!もっといける!」みたいにディレクションをいただきつつ、話し合いながら追求していったんです。
平嶋 その「もっといける!」っていうのは、かっこいいほうにってこと?
岡田 うん。「もっとかっこ良く、ダークに寄ってほしい」って言われて、最初は「茉莉花ちゃんでダークかぁ……難しいなぁ……」って思ったんだけど(笑)。でも茉莉花ちゃんは芸能の仕事をしているのもあって、計算というか(笑)、物事の把握が得意な子だったりもするんですよね。なので、「ワルいところを見せる」と振り切った“ワル茉莉花ちゃん”みたいな姿をイメージしながら歌っていきましたし、ライブでも茉莉花ちゃんなりのかっこ良さを見せられるように意識しています。
平嶋 逆に私はレコーディング順が3番目だったので、先に歌った2人の声が当てはまるところを踏まえたうえで、「なっちゃんはここかな?」と都田さんに思われていたところも多かったんです。……でも、都田さんに「一応歌わせてください!」とは言いました(笑)。
岡田 聴いてみないとわかんないもんね(笑)。
平嶋 そう!「私のAメロと、ラップも聴いてくださいよ!1回だけでいいんで!」って言って歌わせてもらって……1回しか歌わせてくれなかったし、結局変更にもならなかった(笑)。
一同 (笑)。
岡田 でも私は逆に、A・Bメロを特に頑張って準備していったのにラップになったから「ヤバい!」ってなった(笑)。「ここ、ダリアさんじゃないんだ!」とも思ったし。
葉月 あー!たしかにダリアだと思った!
根岸 最近さ、デモを聴いて予想したパート割が外れること、結構多いよね?
葉月 そう!意外性があるというか……。
根岸 きっと、色々考えてくださっているんでしょうね。
平嶋 そうだね。毎回毎回、今までとは違った味を出さなきゃいけないから。
葉月 私、「I will never die」はMerm4id初の応援歌だなと思うんです。Merm4idの曲って、一緒に盛り上がる系のものは多いんですけど、励ます曲はないな……って今まで思っていたんですよ。でも、この曲はまさに応援歌だ!と感じたんです。実際私が落ち込んでいたときにこの曲をいただいて、すごく刺さったというのもあったかもしれないんですけど……。
――歌う前にまず、葉月さん自身が曲に込められたエールを受け取っていたんですね。
葉月 はい。だからこの曲をパフォーマンスする側に回ったときは、「私が思ったことを、そのまんまみんなに伝えればそれが正解だ」という気持ちで。「一緒に楽しもうぜ!」と煽ったりするよりも、「誰かに届きますように」と想いを伝えることを念頭に置いたパフォーマンスをすることができました。
根岸 明るい人って、実は裏ですごく頑張っていたり熱い想いを持っていたり……みたいに、別の顔を持っていることも多いですよね。だからMerm4idにこの曲があることで「明るいだけじゃないんだぞ」というところもお見せできますし、そのぶんほかの曲もさらに際立つように思います。
――ちなみにこの曲、初披露された3rdワンマンでの反応はどのようなものでしたか?
平嶋 どうだったっけ?曲自体が声を出して盛り上がるタイプじゃないし、しかも今ってライブで声が出せないから、会場ではなかなかわからなくて……。逆に「どうだったんだろう!?」ってすごく気になったよね?
岡田 そうだね。ライブ中は、やり切るほうを優先に考えてたから。
平嶋 だから多分メンバーもスタッフも、帰り道とか次の日にドキドキしながらTwitterを覗いて、「かっこ良かった」とたくさん言ってもらっていたのを見たんだと思います。
根岸 やっぱり初披露っていつでも緊張するけど、Twitterとかを見た感じ、評判はすごく良かったので。「あぁ、良かったな」って思った(笑)。
平嶋 初披露から曲の雰囲気だけじゃなくて、歌詞の意味もお客さんに伝わっていたら嬉しいよね。Merm4idのライブでは、初披露の曲でも歌詞がちゃんと伝わるように後ろのモニターに歌詞を映していたりもするから。
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