――カップリング曲の「ねえ、君に」は優しい雰囲気のバラードソング。表題曲の「OveR」とは真逆とも言えるタイプの曲調です。
富田 元々「OveR」のカップリングはバラードがいいと自分のなかで決めていたんです。3rdシングル(「Broken Sky」)のカップリングに収録した「インソムニア・マーメイド」がお気に入りの曲なんですけど、それに近いイメージの、柔らかくて温かみのある、前向きなバラードが歌いたいです、というお話をしていて。この曲に関してはコンペで選ばせていただいたんですけど、聴いた瞬間に「絶対にこれ!」と思いました。
――どんなところにピンときたんですか?
富田 サビのメロディが純粋にすごく好きでした。それとデモでいただいたときから完成版とほぼ同じ歌詞が付いていたんですけど、パッと聴いたときは恋の歌なのかな?と思いきや、もっと大きな愛情みたいなものが描かれていて。実際に私も歌うときは、家族や友達、こはく(富田が飼っている愛犬の名前)、普段自分が大事にしている人やものを思い浮かべて歌いました。それこそ「OveR」は「“戦争”と書いて“デート”と読む」じゃないですけど、殺伐とした世界観なので、そこから打って変わって柔らかい感じの曲をカップリングにすると、シングルとしてバランスがいいかなと思いました。
――大きな愛情と同時に、距離の近さを感じられる曲でもありますよね。その意味でも、普段一緒に暮らしている人が浮かびやすい曲なのかなと。
富田 そうですね。“「ただいま」”や“「おかえり」”といった言葉が入っていますし、ちょっと日常的な歌詞になっていて。だからぜひ皆さんも大切な方を思い浮かべながら聴いてほしいです。
――歌う際にこだわったポイントは?
富田 バラードの場合、切なさを連想することが多いと思うんですけど、この曲に関してはじんわり温かい感じを表現したかったので、基本的にずっと笑顔というか明るい表情で歌いました。声のトーンも、「OveR」はちょっと重みのある歌い方をしていましたけど、「ねえ、君に」に関しては軽やかに聴こえるように意識して。なので歌い方のアプローチも真逆な感じですね。この曲のトラックダウンのときに、いつもお世話になっているスタッフさんにも、「「Present Moment」のときくらい開けた感じの明るい曲だよね」と言っていただけました。
――サウンド的にも包み込むような優しさが感じられます。
富田 そのトラックダウンのレコーディング作業時に、スタジオの音響設備で大きな音で聴いたときに、映画を一本観終わったような感覚になって。ピアノが基調になっている曲なので、余韻の残り方とかも、映画のエンドロールが終わって映画館が明るくなるときの感じに似ているなと思いました。
――「OveR」とは対極にあるような楽曲ですが、実は2曲とも“溢れんばかりの愛”という意味では繋がりがあるように感じました。
富田 そうなんです!コンセプト的には“愛”が両方に共通したテーマなので、同じテーマでもこんなにも変わってくるのかって思いましたね(笑)。
――その意味では面白いシングルになりましたが、富田さん的には本作にどんな手応えを感じましたか?
富田 どちらの楽曲もすごく挑戦で、正直「OveR」のオケを初めて聴いたときは、「こんなにすごい曲、歌えるのかな……」ってビビってしまったくらいだったんです(笑)。でも、アーティスト活動も今年で3年目になるなかで、自分的には1stアルバムを経て、一歩一歩は小さいかもしれないですけど、着実に前に進めている実感があるので、今回も完成品を聴いたときに、レベルアップは達成できたんじゃないかなと思います。それと同時に、次はこれを超えなくてはいけないという新しいハードルが出来たので(笑)、まずはこの作品が皆さんのもとに届けられる喜びを噛みしめつつ、頑張っていきたいです。あとはなんといっても『デート・ア・ライブ』のOPテーマなので、オンエアがすごく楽しみです!(※取材はTVアニメの放送開始前に実施)
――そういえば今までのTVシリーズのOPテーマはすべてsweet ARMSが担当してきたので、それ以外の方がOPテーマを担当するのは今回の富田さんが初めてですよね?
富田 はい。その重圧はすごく感じています(笑)。なので放送が終わったときに、ファンの方に「このオープニングで良かったな」と思っていただけたら、私のなかでは大成功かなと思います。
INTERVIEW & TEXT BY 北野 創(リスアニ!)
●リリース情報
富田美憂 4th シングル
TVアニメ『デート・ア・ライブIV』OPテーマ
「OveR」
2022年4月20日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:COZC-1862/3
価格:¥2,090(税込)
【通常盤(CD Only)】
品番:COCC-17956
価格:¥1,430(税込)
■mora
通常/配信リンクはこちら
<CD>
M1.OveR
作詞:渡部紫緒 作曲・編曲:坂部 剛
M2.ねえ、 君に
作詞・作曲・編曲:遠藤直弥
M3.OveR(Instrumental)
M4.ねえ、 君に(Instumental)
<DVD>
「OveR」ミュージックビデオ
メイキング映像
●作品情報
『デート・ア・ライブIV(フォー)』
放送・配信中
【STAFF】
原作:橘 公司/原作イラスト:つなこ(株式会社KADOKAWA ファンタジア文庫刊)
監督:中川 淳
シリーズ構成:志茂文彦
キャラクターデザイン:中村直人
サブキャラクターデザイン:田中詩織
メカニックデザイン:明貴美加、 森木靖泰
美術監督:中田洵輝
色彩設計:池田ひとみ
撮影監督:野澤圭輔
3Dディレクター:白井賢一
特効・2Dワークス:益子典子
編集:吉武将人
音響監督:えびなやすのり
音楽:坂部 剛
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:GEEKTOYS
製作:「デート・ア・ライブIV」製作委員会
【CAST】
五河士道:島崎信長
夜刀神十香:井上麻里奈
鳶一折紙:富樫美鈴
五河琴里:竹達彩奈
四糸乃:野水伊織
時崎狂三:真田アサミ
八舞耶倶矢:内田真礼
八舞夕弦:ブリドカット セーラ 恵美
誘宵美九:茅原実里
七罪:真野あゆみ
本条二亜:生天目仁美
星宮六喰:影山 灯
<INTRODUCTION>
『空間震』という未曾有の災害を伴い、隣界より顕現する少女たち――精霊。
災厄とまで呼ばれるほど圧倒的な能力を有した彼女たちに対して、人類は対処に追われ続けていた。
精霊に対抗するに当たり、人類に可能な手段は、武力をもって精霊を殲滅する、もしくは――
『デートして、 デレさせる』!
デレて好感度MAXに達した精霊とキスをすることで、彼女たちの霊力を封印し、己の力にも転換できる――そんな異能の力を持った五河士道。精霊たちを闘争のスパイラルへと巻き込む元凶となっている強大すぎる霊力を抑え、ときに彼女たちを守るためその力を行使することで、士道は夜刀神十香を始めとした精霊たちを次々と救っていった。
人類の前に初めて精霊が出現して数十年。人類と精霊の関係性や対処法も人知れず変容していた……
士道に救われた数々の精霊たちと、まだ見ぬ精霊たち。
そして、士道を含む<ラタトスク>とは異なる手段を以て、精霊たちと対峙する者たち。つかの間の静寂を破り……士道たちの戦争<デート>が、また始まる――
富田美憂優 公式ツイッター
https://twitter.com/miyju_tomita
富田美憂スタッフ公式ツイッター
https://twitter.com/miyustaff
富田美憂レーベルサイト
https://columbia.jp/tomitamiyu/
アニメ『デート・ア・ライブIV』公式サイト
https://date-a-live4th-anime.com
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