――カップリング曲の「Love・Me・Do」は名曲ですね。大西さんのストレートな歌声とあいまって、とても幸せな気持ちになれる曲というか。
大西 ありがとうございます。プロデューサーの方もすごくいいと仰っていましたし、スタッフさんにも好きな方が多いですね。ずっと気分が上がったまま聴いていられるというか、聴くたびに「いいな」と思える楽曲なので、いただけて嬉しいです。
――80年代に聴いたような懐かしさと、洗練されたところを兼ね備えていて、J-Pop感もあります。どのようなイメージで歌いましたか?
大西 確かにJ-Pop感がありますね。曲のテンションも一定で。でも、ずっと淡々と歌ってしまうと聴き逃されるような感覚があって。なので、表現を入れたいと思いました。例えば「あと一歩 そうぎゅっと寄り添えたら」では「ぎゅっと」という気持ちが伝わるように、とか。あと、「“このまま帰りたくない”」や「“時計より もっと私だけを見て”」といった台詞っぽいところ。歌詞の女の子はロマンチックなので心の中で思っていてもあまり表に出せない子だと思うので、その“”のところは絞り出して言う感じやぐっとこらえながら言う感じ、はっきり言わない感じを入れられたらいいな、と思いました。あとは最後の「“あのね…”」はやっと言えたところだと思うので、あざとくならないように素直に言うとか、そういうことに気をつけながら歌いました。
――こちらの曲でも好きなところを教えてもらえますか?
大西 楽曲全体で音が高めで、ずっとトップをキープし続けるというのがすごく大変でしたけど、最後に少し音数が減るところは聴いていても歌っていても気持ち良かったですね。歌詞だと、出てくる女の子は私くらいの年齢かと思ったんですよね。「終電間近」という単語が出てきますし。でも、「見守ってて Shooting star」とか「星空へ キミとランデ・ヴー」とか心の中で妄想している感じが可愛いですよね。街を見て、「ワンダーランドみたくきらめく街」って……思ったことありますか?
――いや、ないです(笑)。
大西 ディズニーランドとか見たら「わぁ」と思うことはありますけど。きらめく街を見ても「新宿だな」ってなりますよね。
――そんなカーラみたいな辛辣なことを(笑)。
大西 あ、こういうところは似てるのかもしれない(笑)。でも、恋愛で舞い上がっているからそう思えちゃう、そんな可愛さがところどころありますね。
――自身では、可愛く歌えた実感はありますか?
大西 どうかな(笑)。でも、今までの「元気」とか「かっこよく」とは違って、ドラマに浸るような歌い方ができたという意味では、新たな自分を見せられる楽曲になって良かったとは思っています。
――こちらもライブで歌ったときの感想を教えてください。
大西 こちらは夜の部だけで歌う楽曲だったので、少し緊張しました。でも、皆さんの目がすごくキラキラしていて、「神曲来た」みたいな気持ちが伝わってきた気がします。私も皆さんも素直に楽曲にノレて、初めてでも一体感が生まれる楽曲でしたね。楽しかったです。
――2022年度のスタートにふさわしい2曲だと思いますが、今年度の目標は?
大西 またライブができたら嬉しいんですが、やっぱりアルバムとかがないと……。といって、今年中にアルバムを作ってライブもして、というのは難しそうなので、アルバム制作に向けて自分から意見を出していきたいとは思います。
――ライブという意味ではアニサマへの出演は決まりました。
大西 めちゃめちゃ嬉しかったです。それこそ、この会議室だったかな?
――出演を聞かされたのが?
大西 はい。実は最初インタビューかと思っていたんですよ。リモート取材が1件ありますと言われていたので。画面に「(アニサマ統括プロデューサーの)さいとーぴーがいるな」とは思ったんですけど。
――おかしいな、と思いつつ(笑)。
大西 でも、今日はそういう感じなんだと思ったんですね。「ドワンゴです」とか「Animelo Summer Live」みたいな言葉も聞こえた気がするんですけど、リモートだったので少し聞き取り辛くて。だから、自分の楽曲の資料を見ていたら急に、「出演すること知っていますか?」と聞かれて。慌てて、「あ、はい」みたいに答えたら、「では説明しますね」って話が進んで、今年のアニサマについての説明が始まったので、「え? アニサマ!?」ってよくわからなくなってしまって。いろいろお話してもらったのに飲み込めなくて、「すみません、もう1回最初から言ってもらっていいですか?」ってお願いしました。そこであらためて出演のお話を聞いてビックリしました。それでも「アニサマ2022開催発表会」まではあまり実感なかったですね。
――今年のライブがしたい気持ちはまずそこでぶつけていただいて。
大西 はい、ステージで泣かないように頑張ります。すぐ泣いちゃうので。
――現実的な要素は置いておいて、個人的な欲望としては2022年度に何がしたいですか?
大西 一番は北海道に行きたいですね。
――なぜまた北海道に?
大西 2019年に、イベント(『キャラソンJAPAN 札幌公演』)でZepp Sapporoに行ったんですけど、2月(23日)だったので寒かったんですよ。しかも深夜に飛行機で着いて。そのとき、一緒に行ったスタッフさんやメンバーさんとすすきので食べたラーメンが超美味しくて、忘れられなくて。コンビニの前でたむろっている人に「東京から来たん?」みたいに言われてびっくりしたり。いや、私がビビりなのでビクビクしていただけなんですけど。他のメンバーは普通に「そうだよ」とか返していたので。でもまたラーメンが食べたいですね。あの人たちも元気にしているのかな?
――(笑)。でも、寒さがさらに美味しさを増してくれたんでしょうね。
大西 雪が積もっていました。寒かったです。なのにコンビニの前でたむろっていましたからね。
――(笑)。さすがの地元民ですね。
大西 ノースリーブ着てピンヒール履いて、それで店から店へと移動しているお姉さんもいました。「えっ!?」ってなりましたね。私はジーンズの下にタイツを履いてセーター2枚重ねするくらいに寒がりなので。そういう違いがすっごく楽しかったので、また行きたいですね。得意ではないけど暑いよりは寒い方が好きですし、雪景色もまた見たいです。あ、でも、全国各地で歌ってみたい気持ちはあります。地元の愛知とか、あと福岡も人生で行ったことがないですし。関東にお住まいの方も、私について来たら一緒に旅行気分を味わえると思うんです。みんなで美味しいものを食べたいですね。
INTERVIEW & TEXT BY 清水耕司(セブンデイズウォー)
●リリース情報
大西亜玖璃 3rdシングル
「ジェリーフィッシュな君へ」
4月13日発売
【初回限定盤(CD+DVD)】
品番:COZC-1879~80
価格:¥2,090(税込)
【通常盤(CD Only)】
品番:COCC-17969
価格:¥1,430(税込)
■mora
通常/配信リンクはこちら
<CD>
1.ジェリーフィッシュな君へ(TVアニメ『このヒーラー、めんどくさい』OPテーマ)
作詞・作曲:俊龍 編曲:Sizuk
2.Love・Me・Do
作詞:東乃カノ 作曲・編曲:木村孝明
3.ジェリーフィッシュな君へ(Instrumental)
4.Love・Me・Do(Instrumental)
<DVD>
「ジェリーフィッシュな君へ」ミュージックビデオ+メイキング映像
●作品情報
TVアニメ『このヒーラー、めんどくさい』
放送中
【スタッフ】
原作:丹念に発酵
監督:中西伸彰
シリーズ構成・脚本:志茂文彦
キャラクターデザイン:菊永千里
プロップデザイン:白﨑詩織
美術監督:湖山真奈美
色彩設計:荒木隆介
撮影監督:山本耕平
編集:小野寺絵美
音響監督:郷文裕貴
音響効果:白石唯果(ラプソディ)
音楽:五十嵐聡(TOKYO LOGIC)
オープニングテーマ:「ジェリーフィッシュな君へ」大西亜玖璃
エンディングテーマ「HERO in HEALER」
カーラ with アルヴィン、キノコ(CV:大西亜玖璃、佐藤拓也、泊明日菜)
アニメーション制作:寿門堂
【キャスト】
アルヴィン:佐藤拓也
カーラ:大西亜玖璃
キノコ(オルテガイア):泊 明日菜
牛:速水奨
マリア・デスフレイム:早見沙織
©丹念に発酵/KADOKAWA/このヒーラー、めんどくさい製作委員会
大西亜玖璃 音楽情報サイト
https://columbia.jp/onishiaguri/
TVアニメ『このヒーラー、めんどくさい』公式サイト
https://kono-healer-anime.com/
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