――ライブで披露した感想は?
大西 お客さんを見る振りがあるんですけど、スタッフさんから見る方向を変えてもいいと言われていたので、それをやってみました。そういう自由さもあったのと、ライブで生えるダンスでもあるので、すごく楽しかったです。
――ライブは昼と夜の2部制でしたし。
大西 そう、両方で踊れたので。でも昼公演では、こんな元気な新曲だったからか、皆さんは結構ビックリしたみたいです。夜の部ではもう覚えてきていて、「知ってるよー」って感じでノッてくださいました。「この短時間で?」ってなりましたね。
――昼の部と夜の部の間にリハを重ねていたのかもしれないですね。
大西 ちょうど私と同じように(笑)。
――ライブでもそうでしたし、MVやジャケットでもベレー帽を身につけることが多いですね。
大西 確かに。そこは衣装さんのセンスなんですけど。でも帽子をかぶったときの反応がすごくいいんですよ。Twitterのリプライなどでみなさんから「帽子最強!」みたいな感じで。MVのスタッフさんも、ラインの入った黒のニットにベレー帽をかぶったとき、「(漫画雑誌の)『りぼん』とかに出てくる憧れの女の子みたい」とか「めっちゃ流行ったよね」みたいに話されていましたね。MVでは、ベレー帽って形がクラゲっぽいね、という話にもなって。それもありましたね。あと、ジャケット写真の衣装はメンズ服で、だからすそやそでがブカブカになっているところがクラゲっぽいね、という話も出ました。
――今お話にも出ましたが、MVでは色々なキャラクターを演じて七変化されていました。撮影はどんな感じでしたか?
大西 これまでずっと同じ監督に撮っていただいているんですけど、いつも盛り上げ上手な優しい方で。私はコメディ仕立てのPVが初めてだったのでどこまでふざけていいのか心配だったんですけど、思いっきりやってもOKが出たので、実家でふざけている私、みたいな感じで思う存分に殻を破って楽しみました。びん底眼鏡みたいなのをかけたときも、ずっと(カメラを)回しているので何かしていてください、と言われて積み木をしていたら使われていましたし。鉛筆が転がっていくところもすごく目をひんむいていたのに使われて、「これも?」と思いました。
――ディレクションというよりはお任せというか。アイテムを使っての大喜利みたいな撮影ですね。
大西 確かに大喜利しているような気分でしたね。眼鏡のつるの後ろをもって上下に動かすとか、結構ふざけていました(笑)。音楽教師になったところも「自由に」と言われたので、楽器をいろいろ使いながらノリノリでやっていましたけど、手を振って指揮するところは「絶対あんな指揮ない」って動きになっちゃってます(笑)。でも「もっと視界に入るでしょ」では、うずまきのペロペロキャンディーを目に当ててくださいと言われたので、リズムに合わせて視力検査みたいに動いたんですけど、そうしたらちゃんと(ランドルト環の)画像を出してもらえました。最後の「あいつが矢を放った」では、矢が頭を貫いているみたいなカチューシャを作ってもらっていて。コテコテではあるんですけど、「できあがったら楽しいだろうな」と思っていたら、いい感じのシーンになっていましたね。
――ただ、大西さんもすごく表情豊かで、さすがと思いました。
大西 変顔ばっかりだから大丈夫かな、って思いましたけど(笑)。
――自身で特に気に入っている箇所は?
大西 最後に赤い糸を引っ張るところなんですけど、いっぱい手繰り寄せたらとれてしまって、慌ててつけるところがあるんです。とれると思っていなくて、そのときは「ヤバい」と思ったんですけど、それも使われていて。そうやって、結構私のボケボケなところが出ているので、素の部分を楽しんでもらえたら嬉しいですね。
――『このヒーラー、めんどくさい』で演じるカーラについても教えてもらえますか?
大西 最初は「理解しよう、理解しよう」と思ったんですけど、やっぱり理解不能で。無意識のうちに人を煽ったり、時々本当にそのつもりで煽ったり、見た目は可愛いのに中身は変わっていますよね。でも、素直で可愛らしい一面が1/1000、1/10000の確率で出てくるので、そういうときはギャップとして可愛く思える気がします。不良が子犬を助けているのを見かけたときみたいに。
――(笑)。大西さんとしても初めて接するタイプのキャラクターですね。
大西 そうですね。だから参考がないというか、自分の思うままに一から作らせてもらったと思います。
――どういう女の子にできたら、というイメージでしたか?
大西 さっきもお話したように基本的には無意識というか、事実を言っているだけなので、素直なところを出そうと思いました。意地悪には聞こえないように、サラッと(台詞を)言って、「え?」といらつかせる感じですね。いらつかせようという気持ちではやらなかったです。
SHARE